令和5年7月の理事会における篠原理事挨拶要旨

【篠原 孝 理事(衆議院議員) 挨拶要旨】
金子会長が触れられていましたが、私も山村振興は日本にとって不可避だと思っています。地方が疲弊している国で繁栄した国はありません。
皆さんも頭の片隅に少々残っていると思いますが、田中角栄元総理が1972年に日本列島改造をというのを掲げました。50年経って日刊工業新聞が復刻版を出しています。当時のことを全く知らない人が読んでいるそうです。こんなこと言っていた総理がいたのか。田中角栄さんはもう歴史上の人物になっているのですね。その後の日本の状況からすると、道路、橋、新幹線を作る、そういうことばかりして、そして狂乱物価、狂乱地価そういったもの元になった、という風に誤解されているかも知れません。でも良く見ると違うのですね。私は農林水産省に入省したばかりで、田中総理の絶頂期に役人生活をスタートしました。だから、この復刻版を熟読しました。そこには、都市と地方の格差是正これが一番の目的であると書いてあります。その手法の一つとしてアクセスの整備が力説されているのですが、日本から日本人のふるさとが消えつつある、がたがたになりつつある、これを許しておいてはならない。これが日本列島改造の一番の眼目だったのです。これは、今こそ必要なことではないかと思います。
会長が言われました森林環境譲与税、これも志は良いのですが、全く変な運用をしていると思います。どこにそのお金がいくべきか、理屈で考えると山村にいくに決まっているのです。配分は誰が考えても単純明快で、森林面積に応じていくべきものです。これがどうなっているか、正確に言うと違うと言われると困るのですが、なんと横浜市に一番多くいっているとか、こんなことがあるのかと私は思います。ですから私は、この全国山村振興連盟の重大な使命は、単純明快に我々ができること、森林環境税が本格化していきますが、変な理屈で運用するのではなく、基本どおり運用していくことを実現することに尽きるのではないかと思います。
私は、政治・行政は理屈通りにやっていかなくてはいけないと思っています。
令和5年度予算は114兆円ですが、他の省庁の予算は皆昔と比べて増えているのに唯一減っているのは我が3兆円の農林水産省予算だけです。そんなおかしなことをしている国はありません。
山村・農村を大事にして、このような予算配分を是正していくのも全国山村振興連盟の使命だと思っています。