山村振興通信NO17(全国山村振興連盟都道府県支部・会員の皆様へ)

 

山村振興通信NO17(全国山村振興連盟都道府県支部・会員の皆様へ)

2019.2.20

全国山村振興連盟事務局

 

1 自由民主党山村振興特別委員会が開催

2月15日(金)8:00~自民党702会議室において、山村振興特別委員会(金子恭之委員長)が開催されました。

金子委員長及び中谷会長のご挨拶、各省庁からの予算概算決定の説明に続き、当連盟竹﨑会長代行、庵逧副会長、上遠野副会長、山形県小国町仁科町長から意見表明等が行われ、それを受けて出席国会議員による討議が行われました。

  1. 太陽光発電パネル等再生利用エネルギー施設の撤去費用の積立て、
  2. 自動運転車の山村地域からの発進・普及、
  3. 学校への冷房施設整備に対する助成の拡充

等今後の課題も明らかとなりました。

本委員会に提出された関係10省庁の説明資料は、図表等を用いた分かりやすいもので、役立つと思いますので、別添として送付します。

2019.02.15山村振興関係予算

 

2 理事会、副会長会議、森林・山村対策に関する懇談会を開催

2月14日(木)13:05~森林・山村対策に関する懇談会、16:30~当連盟副会長会議、2月15日(金)10:30~当連盟理事会を開催しました。

理事会では平成31年度事業計画案、予算案、次期役員の選任等につき承認されました。

理事会の詳細は後刻会員等にご連絡するとともに、森林・山村対策に関する懇談会の概要を含め、山村振興情報や冊子により報告させていただく予定です。

 

3 所有者不明土地について(参考資料)

所有者不明となっている土地についての各種法律制度上の取扱いや各省の検討中の方向につきまして、当連盟副会長のお求めにより事務局でペーパーを取りまとめましたので、ご参考までに別添します。

別添の内容

所有者不明土地について

2019.2

1 所有者不明の農地

  1. 所有者不明農地の状況
    1. 相続未登記農地 47.7万ha(2016年)
    2. 相続未登記のおそれのある農地(転出・生死不明等) 45.8万ha
    3. 計 93.4万ha(農地の20.8%)
    4. ただし、ほとんどは固定資産税を納付
    5. うち遊休農地 5.4万ha(①2.7万ha、②2.7万ha)
  2. 2013年改正 -農業経営基盤強化促進法の一部改正

・所有者不明農地で遊休農地の場合

    1. 農業委員会による公示を経て、②知事の裁定で、③農地中間管理機構が利用権を設定

・相続未登記の共有農地である場合

  1. 過半の所有者が知られていれば、通常の手続き(5年以下の利用権設定)
  2. 過半の所有者が知られていなければ、上記の所有者不明土地の手続き。

 

  1. 2018年5月改正(2018年11月施行)

・共有持ち分の過半を有する者の同意で、20年以下の利用権を設定(延長)

・共有者不明農地の場合

  1. 市町村長は農業委員会に不確知共有者の探索を要請。
  2. その上でも確知できないとき、
  3. 農業委員会は知られている共有者の同意を得て、農地中間管理機構への利用集積計画を公示。6か月以内に異議がなければ同意とみなす。

 

2 不明共有者のいる森林 -2018年森林法改正(2019年4月施行予定)

・森林は、立木及び土地の2つについての所有権が存在。

・共有林の持分移転に関する裁定制度

  1. 共有者の申請により市町村長が広告
  2. 知事の裁定により、・不確知者の立木所有権を移転
  3.          ・不確知者の土地持分につき使用権を設定

 

3 一般の所有者不明土地 ―国土交通省所管

「所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法」(2016年6月13日。2019年施行予定)

  1. 相当な努力が払われたものとして探索を行ってもなお所有者の全部又は一部を確知できない土地がある場合
  1. 地域福利増進事業(公共目的の事業)の実施者は、知事の裁定を受けて土地使用権を取得。存続期間10年。
  2. 土地収用事業では、収用・使用に関する特例ができる。
  1. その他の規定 -①相続登記の義務化、②登記制度の見直し、③土地情報基盤の整備など。

 

4 法務省

(1)「登記制度・土地所有権等の在り方等に関する研究会」(2018.9.12)

    1. 第1案:法定相続分による所有者移転登記がされた後に遺産分割等が行われた場合、事前の登記は錯誤として訂正できる。
    2. 第2案:共有物の管理権者は、共有者の持分の価値の過半数で選任することができる。-管理権者の選任制度
  1. 通常国会提出予定の法案
  1. 裁判所の手続きで、所有者不明土地の管理者を指定。
  2. 登記所の登記官に調査権限。所有者等探索委員を設置。
  1. 法制審議会へ諮問(2月14日予定)

・2020年臨時国会での民法・不動産登記法改正を目指す。

    1. 相続登記の義務化、制裁金
    2. 遺産分割の期限を設定 -5年又は10年
    3. 一定条件下で、土地所有権の放棄を認める
    4. 共有地の購入 -不確知者には広告

 

5 所有者不明土地問題研究会(一財・国土計画協会、増田寛也座長)

・2016.6~検討。2019.1.25提言

・所有者不明土地 2016年410万ha。経済損失1800億円/年。

2040年見込み720万ha。

・地域に2組織を新設

  1. 土地の所有者と購入希望者のマッチングを行う組織
  2. 利用が難しい土地を管理する組織

・公的機関・NPO等公益性のある団体が業務を行う。

・このほか、土地基本情報総合整備(現代版検地)を提言。

 

 

6 その他

  1. 農業用ため池法案 -今通常国会に提出予定

・2018年西日本豪雨で2府4県32か所決壊。全国2万か所。7割が江戸時代からのもの。

    1. 所有者(又は管理者)に県への届出を義務付け。
    2. 特定農業用ため池を指定。形状変更を制限。

・都道府県による防災工事の執行命令・代執行

・所有者不明ため池を市町村が管理

 

(2)国土交通省「国土審議会土地政策分科会特別部会」(2017.8~)

―2019年2~3月に制度改正の具体的な方向性を取りまとめる予定。

 

2019.02.08所有者不明土地について