全国山村振興連盟メールマガジンNO152

全国山村振興連盟メールマガジンNO152

 

2021.11.26

 

全国山村振興連盟事務局

 

○ 自由民主党山村振興特別委員会において副会長から要望

 

先週のメールマガジンでお伝えしましたとおり、自由民主党山村振興特別委員会(委員長:奥野信亮 衆議院議員)が11月18日木曜日午前8時30分から自民党本部 101号室において開催され、 全国山村振興連盟からは、竹﨑一成 会長代行をはじめ6名の副会長及び常務理事・事務局長が出席しました。

会議の概要及び副会長の要望は、以下のとおりです。

 

委員会は、鈴木憲和 事務局長(衆議院議員)の司会により議事が進められ、最初に奥野信亮 委員長、金子恭之 総務大臣(前委員長)、 中谷元 総理大臣補佐官(前全国山村振興連盟会長)の挨拶があった後、議事に入った。

 

議事(1)令和4年度山村振興関係予算概算要求(折衝状況)等について

関係省庁から「令和4年度山村振興関係予算概算要求について」の資料に基づき説明があった。

 

議事(2)全国山村振興連盟より山村振興施策についての重点要望等について

竹﨑会長代行から「第1に、山村地域は、一昨年来の新型コロナ・ウイルス禍により、観光業・飲食業をはじめとして地域の広範な産業に大きな打撃を受けた。ある意味で全国的な大災害が長期間にわたって継続していると言っても過言ではなく、国を挙げて復興していくことが必要と考えている。医療体制を磐石にするとともに、打撃を受けた地域経済の復興に向けて十分な措置が講じられることをお願いする。

第2に、地球温暖化による気象災害も深刻である。昨年、熊本県においても大変な豪雨災害を被り、国会議員の先生方、国の機関には一方ならぬご支援を頂いたところであり、感謝申し上げる。1年4ヶ月経ち、応急復興はできたが、今後創造的復旧が必要であり、今年は復興元年だと考えている。国際的にも重要な課題となっている温室効果ガスの削減に向けて、あらゆる措置を講じていくことが必要となる中で、とりわけ山村は大きな二酸化炭素吸収源である森林を有しており、脱炭素に貢献するものと考えている。「森林環境譲与税」の導入には重ねてお礼申し上げるが、森林の整備や再生可能エネルギーの導入が山村地域で更に大きく進むよう積極的な政策をお願いする。

第3に、昨年は中谷前会長も尽力された「人口急減地域特定地域づくり推進法」が施行された。また、「改正木材利用促進法」が施行されたが、これは民間建築物も対象となる画期的な改正だった。議員立法により各般の施策が充実してきていることに感謝申し上げる。山村地域における人口減少を食い止め、コロナ後の移住や空き家利用といった地方分散を進めていくためには、こうした施策と相まって、5Gなど先端の情報技術の導入やドローン・ロボットといったAI革新技術を導入していくことが不可欠である。このような情報化や革新技術の導入が山村地域において大幅に進展し、都市と比べても遜色がなく、将来的には都市よりも進んだものとなるよう地域活性化に向けた各種の政策を進めていただくことをお願いする。」旨の要望を行った。

菅原副会長から「北海道に共通する課題として、1つは野生動物による被害が深刻化している。札幌市街地で熊が出没したり、利尻島など島にも出没する。保護も大事だが、住んでいる者としては共存が難しく、一定の個体数の管理が必要である。人を恐れなくなった熊を駆除することは有効であり、人が怖いという学習をさせる効果にもつながる。2つめに、携帯電話の不通地帯がある。町と町の距離が遠く、医療体制も脆弱であり、救急車が通る国道は一本であるが、途中に携帯電話の不通地域がある。大きな事故が起きたときに救急通報することができないし、救急車が駆けつけても病院に連絡できない。不通地帯は町の境界にあって取扱いが難しいが、解消をお願いしたい。」旨の要望を行った。

古口副会長から「森林環境譲与税の導入はありがたかったが、山村のない地域にも多額が交付されている。基金にしても良いということになっている。有効に使っているところもあるが、山村に交付されてこそ森林環境譲与税が生きると考える。5年後見直し規定があるので、今後2年の間に見直しを行って山村に手厚い配分をしていただきたい。また、国の書類には横文字が多いが、話してみると誰も分かっていないことがある。国民が高齢化してきているので、日本語で分かりやすい表現をしてもらいたい。」旨の要望を行った。

田中副会長から「合掌造り集落において移住者が水田を借りて有機農業をやりたいということで、少しずつ増えてきた。新規就農事業の対象となっているが、子育てしながら農業をするような人に対して上乗せの支援ができるようにしていただきたい。また、森林環境譲与税については森の大学校で人材を育成し、県外からも働く人が増えた。これら移住者のためにも、5Gを使った学校授業ができるように支援いただきたい。総務省でローカル5Gの実証事業があるので、これを適用していただきたい。更に、当市では林道が長いために整備が困難であり、どのように適切に整備をして行ったら良いか教示いただきたい。」旨の要望を行った。

 

連盟からは、「令和4年度農林山村振興関連予算・施策に関する要望書」を配布した。

 

その後、議員から意見が提出され、次のようなテーマが取り上げられた。

・中山間地域についての農地中間管理機構の活動について

・スクールバス、コミュニティバスなど各種交通機関の連携について

・新規就農人材の育成について

・山村活性化支援交付金のステップアップについて

・特定地域づくり事業協同組合・農村RMOの活用とPR について

・山村における5Gを含む情報通信基盤の整備について

・携帯電話不通地域の解消について

・ICT を活用した教育について

・移住者のための高校の存続について

・林道予算の増額について

・農作物の盗難被害について

・気候変動による災害対策について

・やりがいのある農業の育成について

 

なお、委員会で配布された「令和4年度山村振興関係予算概算要求について」を添付します。これは、山村振興連盟総会資料としてお届けした資料と概ね内容は同じですが、省庁別の編成(及びカラー印刷)となっています。

20211118山村振興特別委員会資料