全国山村振興連盟メールマガジンNO226

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2023.6.2

全国山村振興連盟事務局

 

  • 山村の特産品開発に関する各種サポート事業参加募集!

 

現在、山村の方達に向け、「山村活性化支援交付金」(山村地域の特産品やサービスの開発等を支援)の2つの事業の募集が開始されております。

2つの事業とは、各地域の取組の予算的支援である「山村活性化対策事業」と、そうした取組の前・後を専門家が支援する「山の恵みプロジェクト(PJ)」です。

このうち「山の恵みPJ」は、今後、商品・サービス開発に取り組んでみたいと考える山村の方向けの内容と、これまでに山村活性化対策事業に取り組んだ方向けの内容の各種プログラムで構成されています。

さらに11月には、都内SCで消費者向けの販売会(一次産品の出品も可)も行う予定です。

地域の皆様に直接ご活用いただく「山村活性化対策事業」の第二次募集が6月19日まで。

「山の恵みPJ」の各種プログラム(一部)への山村地域からの参加募集が6月23日までとなっております。

詳しい内容はそれぞれのサイトでご確認ください。

 

▼詳しくはこちら(農林水産省HP)

◇「山村活性化対策事業」第二次募集

・募集期間:令和5年5月31日(水)~6月19日(月)

https://www.maff.go.jp/j/nousin/tiiki/sanson/R5bosyu2.html

 

◇「山の恵みプロジェクト」参加募集

・参加募集期間:令和5年5月26日(金)~6月23日(金)等※

※参加募集の期間は、プログラム毎に異なります。

https://www.maff.go.jp/j/nousin/tiiki/sanson/projectb_r5.html

 

◇お問い合わせ先

農林水産省農村振興局地域振興課(担当:山之内、齊藤)

TEL:03-6744-2498(直通)

 

〇2023年5月の農林水産行政

 

2023年5月の農林水産行政の主な動向は、以下の通りでした。

 

1  G 7 広島 サミットで 食料安全保障 を盛り込み

5月19日から21日、広島市で先進7カ国首脳会議(G 7 広島 サミット)が開催され、20日に首脳宣言が発表された。宣言の中では食料安全保障について 取り上げ、①持続可能な形での生産性の向上を推進すること、②供給網の混乱の影響を軽減するため生産を多様化すること、③不当な貿易制限的措置の回避が重要であること、④現地生産を含む肥料バリューチェーンを支援すること、⑤幅広いイノベーションと技術を推進することなどが盛り込まれた。

また首脳宣言の付属文書として、「食料安全保障強化に向けた行動声明」が 合意された。これは、インド ・ブラジルなどグローバル・サウスの新興国・途上国を含む8カ国を交えた拡大会議の場での議論を踏まえ、発出されたものである。「食料安全保障強化に向けた行動声明」は8ページに及び、①ウクライナの農業復興への支援など緊急的対応を行うこと、②強靭で持続可能かつ生産性の高い農業と食料システムの達成へ協力すること、③世界貿易機関(WTO)ルールに沿った農業貿易を推進すること、④既存の国内農業資源を公正かつ適切に利用することなどが盛り込まれた。

 

2 食料・農業・農村基本法の見直しについて中間取りまとめ

5月29日、食料・農業・農村政策審議会基本法検証部会は、食料・農業・農村基本法の見直しに向けた中間取りまとめを行い、中嶋康博部会長から野村哲郎農相に手渡した。

基本法の主な見直し部事項としては、①食料分野では、食料安全保障の定義を 「不測時に限らず国民一人一人に十分な食料が将来にわたり入手可能な状態であること」とすること、全国民の円滑な食品アクセスを確保すること、適正な価格形成に向けた仕組みを構築すること、②農業分野では、環境等に配慮した持続可能な農業・食品産業に転換すること、個人経営の発展・農業法人の経営基盤を強化すること、農地保全などで一定の役割を果たす多様な農業人材を位置づけること、③農村分野では、移住・関係人口を増加し、地域コミュニティを集約的に維持すること、保全管理活動への農業者以外の参画を促すこと、農村でのビジネスを創出すること、④その他として、持続可能な農業を主流化すること、食料自給率目標以外の数値目標を設定すること、不測時の対応について法的根拠を検討することなどが盛り込まれた。

この中間取りまとめについては、7月以降に意見・要望を募集するとともに、全国10か所程度で地方意見交換会 を行う予定となっている。 野村農相は 5月23日の閣議後会見で、食料・農業・農村基本法の見直しに合わせて、食料をめぐる有事に備えた新たな法律を 制定すること、適正な価格形成に向けた仕組みづくりを検討することを表明した。

 

3 令和4年度の食料・農業・農村白書、森林・林業白書を閣議決定

5月26日、政府は令和4年度の食料・農業・農村 白書を閣議決定した。白書では「食料安全保障の強化に向けて」という特集を設け、「 将来にわたって食料を安定的に供給していく上でターニング・ポイントを迎えている」との認識を示した上で、①ウクライナ危機などで食料安全保障リスクが増大していること、②穀物や 肥料・飼料・燃料価格が高騰していること、③小麦や大豆の国内生産拡大や水田の畑地化推進が必要であること、④生産コスト 上昇に伴う価格転嫁が課題であること などを 記載した。

またトピックスとして6項目を掲げ、①農林水産物・ 食品の輸出額が過去最高を更新、②動き出した「みどりの食料システム戦略」、③スマート農業、 農業 DX による成長産業化の推進、④病原性鳥インフルエンザと豚熱への対応、⑤デジタル田園都市国家構想に基づく取り組みの推進、⑥生活困窮者や買い物困難者への食品 アクセスの確保を掲げた。

5月30日、政府は、令和4年度の森林・林業白書が閣議決定した。白書では、「治山対策」を特集し、発生頻度の高まる大雨などに伴う災害の形態・対応方針をまとめた。その中では、事前防災対策の重要性を指摘し、流域全体で水害を軽減する流域治水や、既存ダムの補修・強化等が必要だとした。

また、①ロシアからのチップ・丸太・単板の輸入禁止、②オフィスビルなどでの国産材の活用、③花粉症の発生源対策、④シイタケの原産地表示の変更などについても紹介している。

 

4 花粉症対策を閣議決定

5月30日、政府は「花粉症対策に関する関係閣僚会議」を開催し、花粉症対策をまとめた。目標として花粉の発生源となる杉人工林を10年後に2割減少すること、30年後に花粉発生量の半減を目指すこととした。

このため、①発生源対策として、杉人工林の伐採面積を10年後に7万haとすること、花粉の少ない杉苗木を9割以上とすること、②発症・暴露対策として、スギ花粉症緩和米の臨床研究を進めることを示した。ほかに、③住宅需要などでの杉材需要を拡大すること、④林業人材を確保することなども掲げた。

政府は、発生源対策を盛り込んだ「林業活性化・木材利用推進パッケージ」(仮称)を年内に取りまとめることとしている。

 

5 GX推進法が成立

5月12日、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案」(GX推進法)が衆議院本会議で可決・成立した。政府は脱炭素に向けて、今後10年間で150兆円を超える官民の GX 投資が必要であるとして、新たにGX経済移行債を20兆円発行するなどにより、脱炭素に向けた民間投資を後押しする こととした。

具体的には、①政府はGX推進戦略を策定・実行すること、②GX経済移行債として20兆円を調達し、2050年度までに償還すること、③二酸化炭素の排出に課金するカーボンプライシング制度として、2028年度から化石燃料の輸入事業者から賦課金を徴収、また2033年度からは発電事業者を対象に二酸化炭素排出量に応じて負担金を求め、これらは移行債の償還財源に充てること、④GX推進機構を設立し、民間企業のGX投資の支援や賦課金の徴収などを担うこととしている。

 

6 その他

 

  • EU保健担当委員に輸入規制撤廃を要請

5月15日野村哲郎農相は、EUで食品安全を所管するキリアキデス保健・食品安全担当員と会談した。キリアキデス委員は、5月13日・14日に長崎市で開催された G 7保険相会合への出席のため来日したもの。

会談では野村農相から、EU が続ける日本産食品への輸入規制を早期に撤廃するよう要請した。EU は、①福島・岩手・宮城 など9県産の野生きのこ、②福島・群馬・茨城など6県産のコシアブラ、③福島産の乾燥品の柿といった品目につき日本政府が発行する放射性物質検査証明書の添付を求めている。また他の都道府県で生産された場合も、規制対象地域外であることを示す産地証明書の提出を義務付けている。EUでは6月末にこれらの輸入規制の見直しの期限を迎えることもあり、農相側から強く要請したものである。

 

  • 能登地域で震度6強の地震が発生

5月5日、石川県 能登地方で震度6強の地震が発生し、農業関係では5月9日の時点で、石川県内の農業用ため池 265か所のうち9箇所で損傷を確認。またイチゴ高設栽培設備の倒壊、畜産施設での柱の損傷などが生じた。

5月15日、石川県の馳浩知事は、野村農相 に対し、昨年も震度6弱の地震が発生していること、 水田で植えた苗が抜ける被害があったことなどを報告し、局地激甚災害への早期指定や頻発する地震の調査研究の早期実施などについて要請した。

 

(3) JA 全中が食料・農業・地域政策推進全国大会を開催

5月12日、JA 全中・全国農政連は、令和5年度食料・農業・地域政策推進全国大会を都内で開催した。大会ではWEBも併用し、会場とWEBを合わせて4000名を超す参加者があった。

中谷徹全中会長は、「JAグループは持続可能な農業・地域づくりに向け、引き続き自己改革に取り組みながら、消費者等に対する国産国消を含む国民理解の醸成及び万全な政策の確立推進に取り組む必要がある」とした。また食料・農業・農村基本法の見直しに関して、①食料安全保障の強化、②再生産に配慮した適正な価格形成の仕組みの具体化、③農業の持続的な発展、④JA など関係団体の役割の強化などを政府・与党に対して要請した。

 

(4) シャインマスカットの開花異常が30県で発生

5月 19日、農林水産省は 4月に全都道府県に対して行ったアンケートの結果を発表し、ぶどうのシャインマスカットの開花異常(未開花症)が、作付けのあった46都道府県のうち30県で過去に発生していたと発表した。19県では品質の低下や収量の低下もあった。

ただし一部の園地など局所的な発生が多いと回答をした県18県を占めた。また花穂の先端・短梢の剪定、強勢の樹体、着果過多、施肥量の多い園地などで発生する傾向があるとの報告もあった。気温や着果負担、施肥料などが原因となっている可能性もあるとしている。