全国山村振興連盟メールマガジンNO120
2021.4.9
全国山村振興連盟事務局
1 改正間伐等促進法が成立
「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」(間伐等促進法)の改正法案が、3月26日の参議院本会議において賛成多数で可決・成立しました。この法律は、改正前は令和2年度までの時限措置とされていましたので、延長することにつき当連盟としても要望していたものです。
間伐等促進法の現行法では、品種改良などで成長が早く二酸化炭素を多く吸収する木を植えることを促進し、森林の機能を維持することとしています。このため、自然環境に恵まれ、木の生育に適し、林道が近く整備がしやすい区域を届く都道府県知事が指定します。そして、この区域で林業者が「特に成長が早いとして国の指定を受けた木」から育成された植木を植える際に必要な機械を購入する場合には、都道府県などからの融資の返済期間を延長できるなどとなっています。この法律は4月1日から施行されました。
林野庁は今回の法改正などによって 年間の植栽面積を年間3万haから7万haに増加したいとしています。
2 新過疎法が成立
「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」は、3月26日参議院本会議において、全会一致で可決・成立しました。この法律は「過疎地域自立促進特別措置法」が3月末で期限を迎えたことを受けて、超党派の議員立法により提案された新法です。当連盟としても、新法の制定を要望していました。
この法律では、法の目的を「過疎地域の持続的発展」に見直すとともに、過疎地域の要件である「人口要件」「財政力要件」の見直しを行いました。具体的には、①長期の人口減少率の基準年を「昭和35年」から「昭和50年」に見直す、②財政力が低い市町村の長期の人口減少率要件について、「28%」から「23%」に緩和する、③平成の合併による合併市町村の「一部過疎」の要件について、財政力指数は「市町村平均(0.51)」以下ではなく、「市平均(0.64)」以下とする、などです。
要件見直しによる過疎地域については、従来法では817団体あったのに対し、卒業団体45団体、新規団体48団体の増減があり、当初公示団体は820団体となりました。対象市町村が全市町村の47.7%を占めています。また卒業団体に対する経過措置として、6年間(財政力が低い団体は7年間)特例措置が受けられることとなっています。
過疎対策の目標としては、「人材の確保・育成」、「情報通信技術の活用」、「再生可能エネルギーの利用促進等」が加えられました。
また支援措置としては、①国税の特例・地方税の減収補填措置の対象となる業種に「情報サービス業等」を追加、②基幹道路に関し、都道府県が市町村から負担金を徴収できることを明確化、③過疎対策事業債(地方債)を継続するなどとされています。対象市町村や経過措置市町村において発行できる過疎対策事業債の2021年度計画額は5000億円であり、20年度から300億円積み増しされました。
施行期日は令和3年4月1日から令和13年3月31日までの10年間とされました。詳細については、別添の法律概要をご覧ください。
20210407新過疎法概要