平成30年10月の理事会における佐々木理事挨拶要旨

【佐々木隆博 理事(衆議院議員)挨拶要旨】

全国山村振興連盟は中谷会長のお人柄もあり、与野党を通じて活発に活動をされていますが、私も山村に住む人間として皆様方と思いを共有させていただいて、しっかり取組んでいきたいと思います。

中谷会長からお話しがありましたのであまり重複しないようお話しをしたいと思います。長年取組んできました森林環境税並びに森林環境譲与税の創設が決まりました。
満額になるまでには少し時間がありますので、その間にやっておかなくてはならないことはいくつかあると思います。都道府県の力も借りながら、人材の育成や体制の整備などが必要です。本日の議案の要望書(案)で森林環境税の問題は「多面的機能・公益的機能の持続的発展」の項目の中に整理されていますが、まさにこれは林業振興ではなく地域振興のために使うものであるというのが主旨ですので、ただの林業予算にならないようにしていただきたいし、私共もお手伝いをさせていただきたいと思っています。
立憲民主党では現在全国8カ所くらいでタウンミーティングを開催しています。できるだけ山村地域にお邪魔をさせていただいてそれぞれの地域のご要望を聞き、政策をどう作り上げるかといったことを行っています。その中で地域づくりについて皆様大変熱心なご意見をいただき我々も大変参考になっています。今の政策は残念ながら経済政策がかなり優先されて地域政策は少し、私からすれば相当後退しているのではないかと思っていまして憂慮しています。

地域に関する二つの事例についてお話しします。

一つは、今問題になっているTPPに代わる実質FTAではないかと思われるTAGというものをアメリカとの間で行うことになったことです。わざわざ名前を変えたのは物品だけを先にやるという話でありますが。我々北海道は農業県でありますので、物品だけが切り離されることは大変迷惑です。物品だけ切り離されると当然ながら農産物が対象となるわけでありますので、全体の交渉をしていただくことの方がはるかに重要だと思っていて、そういった意味ではFTAとしての覚悟を示す時がきているのではないかと思っています。今度の臨時国会の大きなテーマになると思いますので、議論させていただきたいと思っています。

もう一つは、これも今度の臨時国会のテーマになる予定ですが、日欧のEPAに関連して地理的表示の法律を整備しようということになっています。TPPではさほど問題にならなかったのですが、ヨーロッパは地理的表示について大変神経質というか進んでいます。そういった意味でも法律の整備が必要になってくるということでありますが、この地理的表示は言うまでもなく地域で育んできた文化というものをどうややって製品として担保するかという仕組みでありますので、まさに、地域の文化をその中でしっかり位置付けるということがブランド名とイコールで考えるという話です。

二つとも地域というものが大きなテーマになるということで地域を預かる首長の皆様でありますので、いろんなご意見をいただければと思います。