【今泉裕治 林野庁森林利用課長 挨拶要旨】
森林環境税については、昨年末の「平成30年度税制改正大綱」において創設が決定されました。先生方の大変なご尽力、そして山村の市町村の皆様の長年にわたる地道な熱い運動がやっと実を結んだということで、この場をお借りして心から感謝申し上げたいと思います。
この長年の悲願であった森林環境税については、国民の共通財産である森林の公益的機能を十全に発揮し、負担をいただく国民の理解を得られるように活用していくことが非常に重要です。また、昨日の勉強会でも話が出たと聞いていますが、山村の自治体には当然配分されますが、都市部の森林のない自治体にも人口割で一定額配分されるということですので、我々も都市部の森林のない自治体にも是非川上の森林に向けて都市農村交流など様々な形で使っていただくことができるのではないかと考えており、働きかけたいと思います。山村の自治体からも都市部の自治体に働きかけていただければ有難いと思います。
森林環境税については、今年の通常国会に新たな森林管理システムの創設のための法案の提出を検討していますが、これとセットで取組んでいくものであります。
新たな森林管理システムの導入を見越して、平成30年度予算において林業成長産業化総合対策に235億円を計上しています。経済的に活用できる森林は、意欲と能力のある林業経営体に森林の経営・管理を集積・集約化し、効率化を図る一方で、経済的に活用できない条件不利な森林は、国民の皆さんの負担の下で、森林環境税の財源を充てながら地球温暖化防止や国土保全の観点で市町村が主体となって公的に管理していくというシステムを考えています。その運用に向けて、新たな森林管理システムの構築につながるような路網の整備、機械導入等を重点的に支援していきたいと考えています。
また、ICTを利用した先進的な取組みや木材加工流通施設、木造公共建築物の整備等についても、その中で支援していきたいと思っています。
こうした支援施策と31年度から始まります森林環境譲与税、新たな森林管理システムの仕組みをうまく組み合わせながら日本の林業の成長産業化と山村振興、国土の保全に努めていきたいと思います。
森林環境譲与税及び新たな森林管理システムについては、市町村、都道府県において円滑に執行できるよう、林野庁としても全力で取組んでいきたいと思います。
今後とも意見交換をさせていただきながらより良い制度になるよう努めていきたいと思いますので、引き続きご理解、ご指導いただきますようよろしくお願いします。