【江藤 拓 農林水産大臣 挨拶】
皆様こんにちは。農林水産大臣の江藤 拓でございます。
まずは、1月の能登半島地震、その後の線状降水帯による大雨など様々な災害によって失われた尊い命に対し哀悼の誠を捧げますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
衆議院議員選挙の後、様々なところを歩きました。宮崎県椎葉村松尾という地区では、一昨年の豪雨に加えて、今年の台風でも被害を受けるなど、大変なところでしたが、一生懸命山を守り、地域を守っておられました。その松尾地区の小学校が創立150年を迎え、私もお祝いに行きました。現在の生徒数は24名で、来年の新入生はゼロ。その次の年もゼロ。それでもこの地域を守るのだ、この山を守るのだという気持ちがあり、とても明るい感じがしました。そして一体感がありました。
国としても、こういう方々を応援すること、山村を応援することが大変重要なことだと思います。そして何とかしてそこに人が根付き、なりわいが成り立ち、子供達が育ち、そして次の世代に引き継がれていく。都会の方々は、山は勝手に木が生えていると思う人が大変多いようです。しかし、一度人の手が入った山は、人間が最後まで管理しなければ、必ず人間が損をすることは、皆様よくご存知のとおりです。
今、農林水産省の予算は3兆円ちょっとです。林野の予算は4,400億円くらいです。これが多いか少ないかについては、議論があるでしょうが、私はこの職に就く前から少なすぎると思っています。
山村は、面積で大体半分、そして森林面積では6割。これが日本の国土に占める割合です。それを金子会長のお話にもありましたように2.5%の人が守っている。その方々がそのまま残れば良いのですが、トレンドとしては必ず減っていく。国土が守れるか、日本の国の源が守れるのかの瀬戸際です。ですから、私としては、この山村振興法の改正に当たっても、ただの単純延長ではだめで、しっかり手当が充実するようにしなければならないと思っています。
今、補正予算が仕上がりつつありますが、しっかり予算を確保させていただきます。来年度予算についても同じです。今年の通常国会で食料農業農村基本法を改正しました。「食料」ですから、林野でいえば椎茸くらいしか関係ないかもしれません。しかし、そのように考えるのではなく、林業も水産業もこれを機会にしっかり予算を確保し、足腰を強くしていかなくては、次の世代に引き継いでいけない。そういった危機感を私たちは持っています。
今日は、日頃頑張っていただいている市町村長の方々、関係団体の方々が出席されています。そして議員の先生方も御出席されています。山村振興法は、議員立法ですから、今後の国会は大変です。国民民主党の玉木代表も出席されていますが、是非、ご協力をいただきたいと思います。そして、立憲民主党、日本維新の会の先生方にも熟議の国会にしていただきたいと思います。どの政党も目的は一緒だと思います。
山間地域を守らなければいけない。そこの暮らしを守らなければいけない。少子化に対抗していかなければいけない。そして国家のプロジェクトとして山村を守っていかなくてはいけない。同じ方向を向いて今回の国会は議論できるのではないかと思います。
それにつきましても、日頃からご努力されている皆様のそのご貢献に心から感謝致します。
山村とは何なのか、森林とは何なのか、その果たしている役割は何なのか、もしそれが駄目になかったら日本の未来はどうなってしまうのか。政治の場でも、真剣に議論しながら、皆様と連携してまいりたいと思います。
皆様の日頃のご活躍、そして私たちとの連携を心からお願い申し上げてご挨拶とさせていただきます。