令和3年11月の通常総会における荒木会長挨拶

ただ今、ご紹介頂きました全国町村会長の荒木でございます。 全国町村会を代表して一言ご挨拶申し上げます。
本日ここに全国山村振興連盟の令和3年度通常総会が、関係者多数のご出席のもと盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。
また、皆様方には、日頃より全国町村会の活動に格別なご支援を頂いており、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
はじめに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は医療関係者をはじめとする多くの皆様の懸命な取組により、減少に転じており、今後は皆様方とともに、感染再拡大の防止と日常生活の回復の両立を図り、早期に地域経済を回復・再生させなければなりません。
また、毎年のように災害が続いておりますが、本年8月の豪雨災害では西日本をはじめ全国各地で甚大な被害が発生しました。引き続き国土強靱化と全国的な防災・減災対策を推進し、安全・安心な地域社会を作っていかなければなりません。
山村は常に自然との関わりの最前線に立ち続けてきた地域であり、広大な森林と豊かな自然環境を有し、国土の保全、水源のかん養等の多面的機能の持続的な発揮に重要な役割を果たしています。
しかしながら、過疎化・高齢化の進行、適切な管理が行われない森林の増加、生活環境の整備が依然として低い水準にあるなど、その現状は厳しいものです。
そのような中、本年6月には新たな「森林・林業基本計画」の閣議決定、10月には公共建築物等木材利用促進法の改正が行われ、森林の適正な管理・利用や国産木材の民間建築物への利用促進などが示され、多くの山村地域の基幹産業である林業のさらなる発展に光が差し始めたところでございます。私どももこのような動きを受け止め、自らの役割を果たしてまいりたいと存じます。 近年は若者や都市住民が都会から地方をめざす「田園回帰」の潮流の強まりや、農山村地域と多様な関わりを持つ「関係人口」の増加といった、農山村への国民の関心の高まりとも繋がる動きも活発化しつつあります。特に、昨年来のコロナ禍により地方におけるリモートワークやワーケーション、二地域居住等が一層注目されている中で、山村の活性化に向けた関係人口の創出・拡大のため、「森林サービス産業」や、デジタル分野の一環である「スマート林業」について、さらに活用しやすい環境の整備に期待をしております。
全国町村会といたしましても、この流れをこれまで以上に加速させ、都市と農山村が共生する社会の実現をめざし、皆様と力を合わせて努力を重ねていく所存です。
結びに、貴連盟のますますのご発展と、ご参集の皆様方のご活躍を祈念いたしまして、お祝いのご挨拶といたします。