1.政策・政府予算関連要望活動
(1)平成19年度山村振興関連施策・予算要望活動
①平成19年度予算編成の経過
平成19年度予算編成は、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月7日閣議決定)、「平成19年度予算の概算要求に当っての基本的な方針」(平成18年7月21日閣議決定)及び 「平成19年度予算編成の基本方針」(平成18年12月1日閣議決定)に基づいて行われた。
基本的考え方としては、「基本方針2006」に定められた歳出改革を確実に実施すること、新規公債発行の減額、交付税特別会計の健全化を進め、成長力強化・再チャレンジ支援・少子化対策・教育再生等に重点配分を行い、新成長経済に向けた改革を加速・深化させる。
行財政改革は、財政健全化に向けて、「基本方針2006」に沿って、歳出・歳入一体改革に正面から取り組むこととし、平成19年度予算において責任ある新たな第一歩を踏み出すこととする。
経済成長を維持しつつ、国民負担の最小化を第一の目標に、今後5年間に歳出削減を計画的に実施し、まずは平成23年度に国・地方の基礎的財政収支を確実に黒字化させる。そのため、簡素で効率的な政府を実現するため財政健全化の努力を継続し、平成19年度予算編成に当たっては歳出改革路線を強化する。
新規国債発行額は、前年度の水準(29兆9,730億円)より大幅に減額する。
予算の配分に当たり、「公共事業関係費」の総額は、前年度予算額から3%減額した額、「その他経費」の総額は、前年度予算額から原則として3%減算した額等の合計額の範囲内とすることを基本に厳しく抑制する。「義務的経費」は、自然増を放置することなく、制度・施策の抜本的見直しを行い歳出の抑制を図る。
予算配分の重点化・効率化に当たっては、「活力に満ちたオープンな経済社会の構築」及び「健全で安心できる社会の実現」に政策を集中する。各府省は、各政策について成果目標を提示し、厳格な事後評価を行う。政策評価等を活用し、歳出の効率化・合理化を進める。
このような予算編成方針に基づき、財務省原案が12月20日各省庁に内示され、復活折衝を経て、12月24日の閣議において政府案が決定された。
一般会計の総額は、82兆9,088億円(前年度比4.0%増)、このうち一般歳出は、46兆9,783億円(前年度比1.3%増)、国債発行額は、25兆4,320億円(前年度比15.2%減)、地方交付税等は14兆9,783億円(前年度比1.3%増)となった。
また、平成19年度地方財政対策の概要は、地方財政計画の規模は83兆1,300億円程度(前年度比0.0%減)、地方交付税は15兆2,000億円程度(前年度比4.4%減)となっている。
②平成19年度税制改正の経過
当連盟が要望活動を行ってきた「山村振興法に基づく認定法人が実施する保全事業等の用に供する機械・建物等に係る特別償却制度」の2年延長について、対象資産及び特別償却率を「建物及びその付属施設2,300万円以上:100分の6」、「機械及び装置の取得価格210万円以上:100分の11」とすることで、認定法人に対する課税特例措置が2年延長された。
(2)自由民主党山村振興委員会における取組
平成18年10月、自民党の山村振興委員会の役員の交代があり、新たに当連盟会長代行の二田孝治衆議院議員が委員長、山崎正昭参議院議員が委員長代理、吉野正芳 衆議院議員が事務局長にそれぞれ就任された。
新体制の山村振興委員会は、山村振興の課題について、11月21日から4回にわたって検討が行われ、当連盟の副会長あるいは会員市町村長が出席し、意見を述べた。その検討結果を取りまとめ、「今後の山村振興の推進についての決議」として関係省庁に申し入れが行われた。
また、財務省原案内示があった翌12月21日には、委員会が開催され、衆参国会議員20余名が出席し、吉野正芳事務局長の司会により内示、復活要求の概要を聴取するとともに復活要求重点事項として、次の3事項を決定し、復活に向けた取り組みが行われた。
①農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(34,088百万円)
②森林整備地域活動支援交付金 ( 7,453百万円)
③地域ICT利活用モデル構築事業 ( 1,300百万円)
平成19年3月1日に開催された委員会では、「鳥獣被害対策についての今後の取り組みについて」が検討され、その後、自由民主党の農林漁業有害鳥獣対策検討チームに引き継がれている。
(3)自由民主党農林水産合同会議及び農政推進協議会の取組
12月20日の自由民主党農林水産合同会議において農林水産省関係の予算内示
の概要について聴取が行われ、引き続いて開催された農政推進協議会(座長:谷津義男総合農政調査会長)において関係団体からの重点復活事項の要望が行われた。
全国山村振興連盟は、山村振興委員会の復活重点事項3項目及び「地域バイオマス発見促進事業」の復活要求を行った。
(4)全国山村振興連盟の取組
全国山村振興連盟としては、平成19年度の予算編成に向けて、7月の理事会及び12月の通常総会の際に政策・予算要望事項を決定し、国会及び関係省庁に対し要望活動を行った。また、通常総会後には各支部においても要請活動が行われた。
財務省原案内示後は、連盟事務局において関係省庁から情報収集するとともに、自由民主党の関係委員会、農政推進協議会、真の地方財政の確立と地方の活性化をはかる会等へ出席して情報の収集を行うとともに復活要望事項について要請を行った。
(5)平成19年度山村振興関連関係省庁予算概算額の決定
関係省庁の「平成19年度山村振興関連関係省庁予算概算決定額」別表を省略する。
また、平成19年度地方財政対策の概要が予算の内示に際し、総務省自治財政局から公表された。
(6)地球温暖化防止・森林吸収源対策推進へ「財政措置」の要請
国の森林整備予算の大幅拡充に対して、県等も財政措置を講ずることにより森林整備を推進し、山村における安全、安心な環境づくりに向け、各支部において要請活動を行った。
2.山村をめぐる諸問題についての情報の収集、調査、検討
①山村をめぐる諸情報を関係省庁をはじめ各方面から収集し整理を行った。
②町村長副会長・若干の理事及び監事等が出席して「森林・山村対策に関する懇談会」を平成19年2月22日(木)、都道府県会館において、次のテーマと講師により実施した。
テーマ「山村に係る地方自治財政措置について」
講師 総務省自治財政局調整課長 関 博之 氏
テーマ「都市と農山漁村の共生と対流について」
講師 農林水産省農村振興局都市農業・地域交流室長 下條龍二 氏
その内容については、冊子「森林・山村対策に関する懇談会報告(_]Ⅲ)」として取りまとめ会員に配布した。
③産官学の連携によって中山間地域の再生・振興に寄与することを目的として「中山間地域フォーラム」が平成18年7月1日に設立され、当連盟の7人の副会長他が発起人として参画し、髙橋副会長は理事に就任した。
3.山村振興を図るための啓蒙・普及活動の推進
①全国山村振興連盟のホームページに当連盟の紹介、全振興山村のリンク、山村からの提言、山村へのメッセージ、ふるさと山村フォトコンテスト、山村振興施策(山村振興法、山村振興関連予算、各種政策等)を掲載した。
②特定非営利活動法人「地球緑化センター」が実施する「緑のふるさと協力隊」(山村で1年間生活し、農林業や村おこしを手伝う)を後援するとともに、受け入れ市町村の募集に協力した。
また、この事業を幅広く支援するため11月18日に設立された「緑のふるさと協力隊推進協議会」の設立、事業運営に協力した。
③(社)日本森林技術協会主催の「山村力コンクール」(林野庁の補助事業)を後援した。 山村に人の流れが定着するような取組み活動に対し3月14日の表彰式において、個人及び団体に当連盟会長賞を授与した。
④「みどりの日」の4月29日に日比谷公園において開催された「第17回みどりの感謝祭」に協賛団体として参画した。
⑤「景観の日」である6月1日、砂防会館において良好な景観づくりを国民的な広がりのもとに持続的な運動として展開していくことを目的として設立された「日本の景観を良くする国民運動推進会議」の全国大会が開催され、当連盟もこの協賛団体として参画した。
4.「第15回ふるさと山村フォトコンテスト」の実施
農林水産省との共催により「第15回ふるさと山村フォトコンテスト」を実施し、9月15日から11月15日まで作品を募集し、1,697点の応募があった。平成19年1月15日の審査会において審査を行い、2月5日に農林水産大臣賞、全国山村振興 連盟会長賞等27点の受賞作品が農林水産省から発表された。その後、第15回ふるさ と山村フォトコンテスト入選作品の展示会を平成19年3月2日(金)から8日(木)までの間、東京銀座の富士フォトサロンにおいて開催した。なお、第14回ふるさと山 村フォトコンテスト入選作品の展示会を平成18年8月25日(金)から31日(木)まで の間、東京銀座の富士フォトサロンにおいて開催した。
5.山村振興対策の計画的推進
振興山村における山村振興対策を計画的・効果的に推進するため、国の山村振興対策等の事業を予定している市町村の山村振興担当者、都道府県の山村振興担当者及び連盟支部の山村振興担当者を対象に全国町村会館ホールにおいて平成18年6月8日(木)、 山村振興実務研修会を開催したところ120名余の参加があった
この研修会では、農林水産省農村政策課の担当者から山村振興法の解説や今後の山村振興の課題等について講演が行われた後、農林水産省農産振興課、企画評価課、林野庁計画課、総務省地域通信振興課及び国土交通省地方道・環境課の担当官から所管の事業 について講演が行われた。
6.会員等への情報の提供
①「山村振興情報」を年間14回、(毎月1回と9月及び1月の増刊号)発行した。また、ホームページにも掲載した。
②事業計画、収支予算、事業報告、収支決算等理事会での決定事項は、理事会終了後、直ちに会員に連絡した。
③山村振興に関連する各種情報は、ホームページに掲載し、会員に提供した。
7.山村振興全国連絡協議会への助成
各都道府県の山村振興担当課長で組織している山村振興全国連絡協議会に対し、助成を行った。また、5月18日に開催された総会に出席するとともに、各ブロックの会議に出席し、情報交換等を行った。
8.各種会議会合等は省略する。