平成19年度事業報告

1.山村振興施策に関する提言及び政府予算対策

(1) 平成20年度山村振興関連予算要望

  1. 7月の理事会において要望事項を決定し、副会長を中心に関係省庁に対し要請活動を実施した。
  2. 8月30日に開催された自民党の山村振興委員会(委員長:二田孝治衆議院議員)において関係省庁から山村振興関連予算の概算要求の内容の説明及び質疑が行われた。当連盟からは尾﨑光雄(兵庫県市川町長)副会長が出席し山村振興対策の充実強化を要望した。
  3. 12月の通常総会において、要望事項を決定し、副会長を中心として要請活動を行うとともに、各支部において要請活動が行われた。
  4. 12月21日(予算内示の翌日)に開催された自民党の山村振興委員会において関係省庁から内示の概要及び復活要求の方針について説明が行われた。当連盟からは、脇本哲也(北海道知内町長)及び加藤和年(愛知県設楽町長)の両副会長が出席した。
    復活要求重点事項として次の5項目が決定され、復活に向けた取り組みが行われた。
    ①農山漁村地域力発掘支援モデル事業 (1,110百万円)
    ②鳥獣害防止総合対策事業 (2,800百万円)
    ③山村再生総合対策事業  (300百万円)
    ④森林資源活用型ニュービジネス創造対策事業 (1,200百万円)
    ⑤農商工連携 (3,000百万円)
  5. 12月20日の自由民主党農林水産合同会議において農林水産省関係
    の内示の概要について聴取が行われ、引き続いて開催された農政推進協議会(座長:保利耕輔 総合農政調査会長)において関係団体からの重点復活事項の要望が行われ、全国山村振興連盟は、復活重点事項として「農山漁村地域力発掘支援モデル事業」、「鳥獣害防止総合対策事業」、「森林資源活用型ニュービジネス創造対策事業」及び「山村再生総合対策事業」について要請を行った。

(2) 鳥獣被害防止対策の充実強化に向けた取り組み

① 「自民党農林漁業有害鳥獣対策検討チーム」での検討への参画

ア. 「自民党農林漁業有害鳥獣対策検討チーム」が自民党山村振興委員会及び農林漁業有害鳥獣対策議員連盟の合同会議により平成19年3月設置された(座長:宮路和明衆議院議員、事務局長:吉野正芳衆議院議員)。

イ. 検討チームは十数回に及ぶ検討会、現地調査を行い、8月に「農林漁業有害鳥獣対策の抜本強化に関する緊急提言」をとりまとめ、11月の合同会議において「有害鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律(案)」が了承され、国会に提出された。
検討チーム及び合同会議における検討、現地調査には全国山村振興連盟として積極的に参画した。

② 「鳥獣被害対策の抜本強化」及び「鳥獣被害対策に係る特別措置法の早期制定」に関する要望活動

ア. 自民党の検討チームにおける取組み状況等を踏まえ、平成19年6月、当連盟から支部を通じて会員市町村に対し国会、政府等へ意見書を提出する等の運動を行っていただくよう呼びかけた。 会員市町村においては、地方自治法第99条に基づき「鳥獣被害対策の抜本強化に関する意見書」を議会で採択し、衆・参両院の議長、総理大臣、農林水産大臣、環境大臣等に対し提出する等の活動が行われた。

イ. 平成19年7月の理事会において「有害鳥獣対策の抜本的強化に関する特別要望」を決定し、副会長を中心に関係省庁に対し要請活動を行った。

ウ. 平成19年10月以降 支部において町村会と協力して「鳥獣被害対策に係る特別措置法」の早期制定に向けて地元選出国会議員に対する要請活動が行われた。

エ. 平成19年11月7日 自民党の合同会議に全国町村会の役員とともに連盟の市町村長役員(20名)が出席し、「鳥獣被害対策に係る特別措置法の早期制定」について山口博續(福島県西会津町長)副会長が要望を行うとともに、副会長が中心となって関係省庁、国会議員に対し要望活動を行った。

オ. 平成19年11月の総会において「有害鳥獣対策の抜本的強化に関する特別要望」及び「鳥獣被害対策に係る特別措置法の早期制定に関する特別要望」を決定し、副会長を中心に関係省庁及び国会議員に対し要望活動を行った。

カ. 平成19年6月、振興山村に指定されている752市町村を対象に「鳥獣被害に係る緊急アンケート」を実施し、その結果を平成19年11月7日開催の自民党の合同会議に報告した。

③ 鳥獣被害防止特措法の成立及び予算の拡充の実現

ア. 「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」が、12月14日に可決成立し、平成20年2月21日から施行された。この法律には、農林水産大臣による基本方針の策定、市町村による被害防止計画の策定、市町村に対する権限の委譲、鳥獣被害対策実施隊の設置、地方交付税制度の拡充その他の必要な財政上の措置による支援等が盛り込まれている。

イ. 新たに鳥獣害防止総合対策事業 (2,800百万円)が政府予算案に盛り込まれ、また、鳥獣被害対策に係る特別交付税措置の充実強化が図られた。

2.山村をめぐる諸問題についての情報の収集、調査、検討

(1) 山村をめぐる諸情報を関係省庁をはじめ各方面から収集し整理を行った。

(2) 「森林・山村対策に関する懇談会」を平成20年2月20日(水)、都道府県会館において、次のテーマと講師により実施した。町村長副会長及び理事等15名が出席した。

テーマ「山村に係る地方財政措置について」
講師 総務省自治財政局調整課長        稲山博司 氏
テーマ「鳥獣被害防止対策について」
講師 農林水産省生産局環境保全型農業対策室長 福田英明 氏

その内容については、冊子「森林・山村対策に関する懇談会報告(ⅩⅣ)」として取りまとめ会員に配布した。

(3) 「鳥獣被害に係る緊急アンケート調査」の実施

平成19年6月、振興山村に指定されている市町村を対象に「鳥獣被害に係る緊急アンケート」を実施し、その結果を自由民主党の山村振興委員会と農林漁業有害鳥獣対策議員連盟との合同会議に報告するとともに山村振興情報平成19年12月1日号に掲載した。

3.山村振興を図るための啓発・普及活動の推進

(1)全国山村振興連盟のホームページに当連盟の紹介、全振興山村のリンク、山村からの提言、山村へのメッセージ、ふるさと山村フォトコンテスト、山村振興施策(山村振興法、山村振興関連予算、各種政策等)を掲載した。

(2)特定非営利活動法人「地球緑化センター」が実施する「緑のふるさと協力隊」(山村で1年間生活し、農林業や村おこしを手伝う)を後援するとともに、受け入れ市町村の募集に協力した。

(2)(社)都市農山漁村交流活性化機構主催の「山村力コンクール」(林野庁の補助事業)を後援した。山村に人の流れが定着するような取組み活動に対し3月14日の表彰式において、個人及び団体に当連盟会長賞を授与した。

(4)5月12日に日比谷公園において開催された「第18回みどりの感謝祭」に協賛団体として参画した。

(5)「景観の日」である6月1日、ニッショーホールにおいて、「日本の景観を良くする国民運動推進会議」の全国大会が開催され、当連盟もこの協賛団体として参画した。

4.「第16回ふるさと山村フォトコンテスト」の実施

農林水産省との共催により「第16回ふるさと山村フォトコンテスト」を実施した。平成20年1月21日の審査会において審査が行われ、2月18日に農林水産大臣賞、全国山村振興連盟会長賞等27点の受賞作品が農林水産省から発表された。その後、3月3日から7日まで入選作品の展示会が農林水産省消費者の部屋において開催された。

5.山村振興対策の計画的推進

振興山村における山村振興対策を計画的・効果的に推進するため、国の山村振興対策等の事業を予定している市町村の山村振興担当者、都道府県の山村振興担当者及び連盟支部の山村振興担当者を対象に全国町村会館ホールにおいて平成19年6月6日(水)、山村振興実務研修会を開催し、120名余の参加があった。
この研修会では、農林水産省農村政策課の担当官から山村振興法の解説や今後の山村振興の課題等について講演が行われた後、農林水産省農産振興課、企画評価課、林野庁計画課、総務省地域通信振興課及び国土交通省地方道・環境課の担当官から 所管の事業について講演が行われた。

6.会員等への情報の提供

(1)「山村振興情報」を年間14回(毎月1回と9月及び1月の増刊号)発行した。また、ホームページにも掲載した。

(2)事業計画、収支予算、事業報告、収支決算等理事会での決定事項は、理事会終了後、直ちに会員に連絡した。

(3)山村振興に関連する各種情報は、ホームページに掲載し、会員に提供した。

7.山村振興全国連絡協議会への助成

各都道府県の山村振興担当課長で組織している山村振興全国連絡協議会に対し、助成を行った。また、5月21日に開催された総会に出席するとともに、各ブロックの会議に出席し、情報交換等を行った。

8.各種会合等

省略