令和6年7月の理事会における金子会長挨拶

【金子恭之 会長(衆議院議員) 挨拶】
皆さんお早うございます。理事会を開催いたしましたところ、大変お忙しい中、日頃、山村振興にご尽力いただいている市町村長の皆様、7月1日の人事異動で就任された方を含め省庁幹部の皆様にご参集いただきまして、ありがとうございます。また、国会は閉じましたが、能登半島地震被災地域の視察予定あるいはその他の予定があって出席いただけない先生がいますが、農林水産大臣を退任されて副会長に復帰いただいた宮下一郎先生にはご出席いただき、ありがとうございます。
まず、改めまして、本年元旦に発生した能登半島地震により亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げる次第であります。6月に入りましてからも地震がありましたが、このところ地震や台風、豪雨災害、火山など自然災害が激甚化、頻発化していく中で、我々としても防災・減災・国土強靱化をしっかり確保していくことが必要であると思います。
今年6月に国土強靱化基本法(略称)が改正されました。
これまで当初予算で「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(平成30~令和2年 おおむね7兆円程度)、その後「同5か年加速化対策」(令和3年~7年 おおむね15兆円程度)として予算措置されてきましたが、これは法律に基づいたものではありません。今回の改正により、政府は「国土強靱化基本計画」を策定し、同計画に計画期間、実施すべき施策の内容及び目標を定めることとされ、継続的・安定的に国土強靱化の取り組みを進めることとなりました。6月に閣議決定された「骨太方針2024」にもこのことが明記されました。
山村地域は災害が非常に多くて、災害に対して社会インフラが必ずしも整備されていない地域もあって非常に脆弱な中にありますが、我々国会議員も勉強をしながら、都道府県・市町村と連携して取り組んでいくことをお誓い申しあげます。
さて、来年3月に現行の山村振興法の期限を迎えるに当たり、本年は大変重要な年となりました。10年前の平成27年に山村振興法を改正・延長した際には、私は自民党山村振興特別委員会の委員長を務めておりましたが、それ以降のここ10年を振り返ってみますと、地球温暖化による災害の多発、長期間に及んだコロナ禍、更にはウクライナ・パレスチナでの戦争などに伴う物価高騰というように、地球規模で大きな情勢変化が生じ、山村もまた大きな影響を受けました。
地勢的に不利な条件下にある山村においては、全国に先駆ける形で高齢化・ 人口減少がますます進んでおりますが、 一方で若者の田園回帰の潮流は強まっておりますし、また、生成 AI、DX(デジタル・トランスフォーメーション)といった技術革新が進むことにより、 将来的には不利を克服できるようになることも期待されます。 過去の10年間を振り返りましても、山村活性化支援交付金、地域おこし協力隊、特定地域づくり事業協同組合、(都市)まちの木造化推進法、そして森林環境譲与税など新たな政策が次々と導入されてまいりました。本年4月には森林環境譲与税の譲与基準に改善が図られたところであります。それでもまだまだ不十分ですので、森林環境譲与税について今後ともさらに山元に配分されるよう努力をしてまいりたいというふうに考えています。
こうした政策の導入は、私たちが声を上げ要望してきた事項が実現したものであり、またこれらが実現しましたのは、本日ご出席の宮下先生や役員・会員である国会議員の先生方、また超党派の先生方のご尽力の賜物であると思います。
山村が直面する課題は地域によって様々でありますが、それぞれの地域が個別に声を上げるのではどうしても限界があります。山村が今後とも地域社会として持続的に発展していくためには、私たち関係者が一同に集まって、一致団結して声を上げていくことが重要です。 それによって山村振興法の延長を実現し、地方への人の流れを作り、そして山村振興に関する政策を充実させていくことが是非とも必要だと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
本日は議事として、①令和5年度の事業報告・収支決算、②令和7年度予算・施策要望及び山村振興法改正に関する特別要望、③山村振興法改正についての論点整理案を議題としておりますが、どうぞ忌憚のない意見をお聞かせいただき、充実した会議となりますようお願いいたします。
なお、理事会の後、12時から別室で「山村振興法改正に関する意見交換会」も予定しておりますので、この会議においても活発なご意見を頂戴することを期待しております 。
ありがとうございました。