今年6月、吉野正芳先生の後任として会長を拝命した金子恭之です。これまでも副会長として皆様方には大変お世話になりましたが、引き続き会長として先頭に立って頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申しあげます。
本日は全国山村振興連盟通常総会を開催いたしましたところ、多数の方にご出席いただきまして、ありがとうございました。山村振興のために日夜奮闘しておられる市町村長の皆様方、故郷の山村をいつも念頭において国の発展のために尽力いただいている国会議員の皆様、ご多忙の中出席いただきました武村展英農林水産副大臣をはじめとする関係省庁の幹部の皆様、また全国町村会吉田隆行会長をはじめとする友好団体の皆様、日頃から山村の振興に対してご理解・ご支援を賜っておりますことに感謝を申し上げます。
さて、コロナ禍の長いトンネルをようやく抜けつつありますが、 ここへ来て世界はウクライナ問題、パレスチナ問題など緊迫の度合いを強めております。また地球温暖化・気候変動の進展により、本年はかつてない猛暑に見舞われたところでありますが、世界的にも異常気象がまるで常態化しているようであります。
このような諸情勢によって、山村も大きな影響を被っているところであり、高齢化・人口減少に悩む山村にとって、こうした動向は更なる痛手となっております。
こうした中、山村の振興にとって重要な時期が刻々と近づいてきております。まず、令和6年度からは森林環境税が導入される予定であります。森林環境譲与税につきましては、令和元年に導入されて以来、山村においても若干の試行錯誤がありましたが、現在では十二分に有効活用されるに至っております。脱炭素という人類社会の喫緊の課題に対応するためにも、来年度からの森林環境税の導入に併せて、森林環境譲与税の譲与基準につきまして、森林を多く有する山村への配分割合が高まるよう見直しを強く要望しているところであります。
また、令和7年3月末には、現行の山村振興法が期限を迎えることになります。現行の山村振興法がたどってきたここ8年を振り返ってみましても、災害の頻発、コロナ禍、物価高騰といった大きな変化が生じてきたところであります。こうした変化を十分に踏まえまして、山村振興法につきましては、内容を充実して延長することを要望していきたいと考えております。
我が国経済社会が大きな変化を遂げつつある中で、デジタル化や 都会に住まなくても農山村で仕事をすることができるテレワークの普及などに伴い、農山村に住みたい、農山村で働きたいという若い人たちも増えてきていると承知しております。こうした時代の動きを正面から受け止めながら、一方で山村の直面する困難な課題を克服していくため、各般の政策の更なる充実・強化を求めて、山村地域に係わる私たちが一致団結して声を上げていかなければならないと考えるものであります。
本日の総会では、政府に対する令和6年度予算・施策に向けての要望案、特別要望案及び決議案を審議いただく予定ですが、これら各般の政策について皆様と一緒に政府・国会に対して強く要請してまいりたいと考えております。
本日の総会へのご出席に重ねて感謝を申し上げ、ご参集の皆様方のご健勝と全国の山村の振興・発展を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。