平成28年11月の通常総会における会長挨拶

【宮腰光寛 会長(衆議院議員) 挨拶】

皆さんお早うございます。全国山村振興連盟の会長を務めております宮腰でございます。

通常総会を開催するに当たり、一言ご挨拶申し上げます。まずは、熊本地震、鳥取県中部地震、阿蘇山の噴火、台風による豪雨災害等により被災された住民の皆様方に対して心からお見舞い申し上げたいと存じます。

本日は、お忙しい中、全国の山村地域から市町村長さん方をはじめ多数の方のご参加をいただき、ありがとうございます。また、金子 自民党山村振興特別委員長はじめ諸先生方には、政務お忙しい中、党派を越えてご出席賜リ、心強く、感謝に堪えません。

さらには、ご来賓として、藤原全国町村会長や友好団体の皆様、政府からは、本日はこの時間、参議院農林水産委員会が開かれているということで政務三役はご出席できないということでありますのでその代理として農林水産省農村振興局の技術トップの室本次長さんをはじめ、農林水産省、林野庁、総務省、国土交通省など関係省庁からもお越しいただき、かくも盛大に通常総会を開催することができました。皆様方に対し重ねて御礼申し上げます。

ご案内のように、山村を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いております。生活環境の整備水準は依然として都市との格差がみられ、耕作放棄地、鳥獣被害の増大、人口減少や高齢化による集落機能の衰え、いずれをとっても深刻な状況にあります。しかしながら先ほどの開会の辞にありましたとおり、山村は、水資源、エネルギー資源の宝庫であり、豊かな自然を背景として、都市住民に憩いの場を与え、若者の学習の場としても大切な地域であり、大切な国民共通の宝物・財産であります。この山村を全人口のわずか3パーセントの皆様方に守っていただいているわけであります。私どもは、この大切な山村に光を注ぎ、皆様方の生活が成り立つよう、大きな声で国民に訴えかけ、行政や政治にも働きかけていかねばなりません。今日、地方創生が叫ばれておりますが、その肝は、山村の活性化だといっても過言ではないと考えております。

私ども政治に携わるものといたしましては、昨年、議員立法で、山村活性化支援交付金という山村独自の予算制度を作る等、50年振りに山村振興法の大改正を超党派で行わせていただいた次第であります。また、今年の通常国会におきましては、森林法の大改正により、問題となっておりました境界が不明確な森林においても森林整備を円滑に進められるような措置ができたところであります。

また、本年度の第2次補正予算では、中山間地域対策として100億円の中山間地域所得向上支援事業も計上されております。

また、期限の来る鳥獣被害防止特措法の期限延長と内容充実に向けて準備を行っているところですが、これは議員提案の法案でありますが、お蔭様で、今日、参議院農林水産委員会で採決される見込みということになっておりまして、狩猟免許の更新に係る問題についてもなんとか超党派で今国会で改正ができるのではないかと思っております。さらには、空き家問題や耕作放棄地問題を解決するためのネックとなっている憲法上の財産権の問題も議論が始まっているところであります。また、年末の税制改正の検討では、長年の懸案事項であります森林環境税の実現に向けても頑張ってまいりたいというふうに考えております。

来年度に向けていろんな対策を打っていく必要があると思いますが、今回の総会は、そのような来年度に向けての山村活性化に向けての必要な対策を議論いただき、政府等に要請していく大切な場でございます。後ほど説明させますが、要望案には、山村の生活環境の整備、各種インフラ整備、鳥獣被害防止対策の充実、創設された山村活性化支援交付金や計画を実現するためのハード事業等の充実、森林資源の活用のための大幅な予算の拡充、森林環境税の創設などを盛り込んでおります。

また、当連盟副会長の北海道苫前町長さん、和歌山県紀美野町長さんからの事例報告もございます。どうぞ有意義な総会にしていただきたいと存じます。

最後に、ご参集の皆様方のご健勝と全国の山村の振興発展を祈念いたしまして、開会に当たりましてのご挨拶とさせていただきたいと思います。