【箕輪富男 林野庁森林利用課長 挨拶要旨】
森林環境税及び森林環境譲与税が創設され、今年度から譲与が開始されることとなりました。創設にあたっては、本日ご列席の皆様方のご支援をいただいたことについて、改めてお礼を申し上げたいと思います。国民の皆様から新たな税をいただくということですので、しっかりと山の整備につなげていくことが大事だと思っています。来年度は譲与額が倍増されることになり、全額譲与される時期も2024年に前倒しされます。本税は譲与額が長期的に見通せる財源ですので、地域の山づくりをどうしていくかを考えていきながら、また、補助金と違い地域の実情に応じて、弾力的な取組ができるかと思いますので、有効に活用していただければと思います。
一方、林野庁予算では、林業の成長産業化を進めています。振興山村の面積の8割が山です。この山の資源が充実し、どう活かしていくかという時期にきていると思います。戦後植えた木が成長し、やっとお金になるというタイミングになっています。このタイミングを逃すことなくしっかりと成長産業化していくことが重要で、意欲ある経営者の方にしっかりとお任せをし、必要な道を作り、機械を導入して効率的に木材を出し、出した木材は川下で使っていただけるようにするといった川上から川下までをつなげた一連の施策をしっかり打って、その収益を山に戻していきたいと考えています。
災害についてですが、山を整備しないと下流にも大きな被害をもたらすことになるかと思います。そういう中で、重要インフラの周辺で倒木が発生したといった被害が昨年もありましたが、森林整備事業でそういうものにもしっかり対応できる予算措置をしています。治山事業についても、災害復旧の他に、既存の施設を嵩上げするといった機能強化に関する予算も新たに措置していますので、それらも活用して、地域の安全・安心につなげていただければと思います。
林野庁としては、守るべき山は守る、成長産業化という攻める部分は攻めるということで一体的に施策を打って、地域の活性化につなげていきたいと思っていますので、本日ご列席の皆様には、引き続きのご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。