全国山村振興連盟メールマガジンNO313
2024.3.7
全国山村振興連盟事務局
◎ 国民民主党舟山康江議員が理事に就任されました
全国山村振興連盟に参加していただいている国会議員のうち、国民民主党の会員議員が10名に達していることから、この度、金子恭之会長の任命により、3月3日付けで、舟山康江参議院議員に国民民主党を代表して全国山村振興連盟理事に就任いただきました。
舟山先生、よろしくお願い致します。
◎ 2025年2月の農林水産行政
2025年2月の農林水産行政の主な動向は、以下の通りでした。
1 政府備蓄米21万トン放出方針を発表
2月14日、江藤拓農林水産大臣は、農林水産省が政府備蓄米21万トンを放出する方針を発表した。初回は15万トンとし、2回目以降の量は流通状況を見極めて決めることとしている。
令和 6年産米の生産量は前年より18万トン増えた一方で、JA全農など主な 集荷業者に集まる米は12月末時点で前年同期を21万トン下回り、流通の停滞から、米の販売価格が上昇している。こうした状況を踏まえて、現時点で21万トンの放出を予定することとした。備蓄米の売り渡しは、買い戻しを前提としたものとし、令和6年産米を中心に、令和5年産米も加えて21万トンを販売する。
売り渡しの対象者は、①年間の玄米仕入量が5000トン以上の集荷業者であること、②卸売業者等への販売の計画・契約を有する者であることのいずれにも該当する者とし、入札の際に農林水産省に販売計画等を提出する。
初回の売り渡し量 15万トンのうち、10万トンは令和6年産米、5万トンは令和5年産米とする。入札広告は3月初めを予定しており、3月半ばには備蓄米の引き渡しが行われる。買い戻しについては、集荷業者に売り渡してから原則として1年以内とする。買い受け者は、販売数量・金額を隔週で農林水産省へ報告し、報告内容は 農林水産省ホームページで公表することとなっている。
2土地改良法改正案等3法案が閣議決定
2月14日、政府は土地改良法改正法案を閣議決定し、国会に提出した。老朽化が進む農業水利施設を計画的に更新するため、①国の発意で更新事業を実施できるようにする、②土地改良区が市町村や集落と話し合い、施設の将来的な保全計画を策定する、③土地改良区をはじめ、市町村、集落、JAなどが参加する協議会で、保全計画を策定し計画に基づく施設の整備を支援するといった仕組みを導入する。また、頻発化する激甚化する自然災害への対策も拡充し、「急施の事業」で改良復旧や損壊のおそれのある施設の補強工事ができるようにする。
更に、農家の費用負担なしで整備を行う農地中間管理機構関連農地整備事業の実施主体に市町村を加える。農林水産省は4月1日の 施行を目指すとともに、令和7年度予算案の土地改良施設維持管理適正化事業等の中に支援メニューを盛り込んでいる。
また、2月21日、漁業災害補償法の一部改正法案が閣議決定された。同法案では、①複数の漁業種類をまとめて契約する割引制度の導入、②ウニ・サザエなどこれまで対象外だった漁業種類もまとめることでカバーできる特約の追加などが盛り込まれている。
更に2月28日、森林経営管理法及び森林法の一部改正法案が閣議決定された。同法案は、森林資源の循環利用を図るため、再造林に取り組む林業経営体への森林の集積・集約化が進むよう、市町村が集約化構想を策定し、森林所有者から林業経営体に権利を迅速に移転・設定できる仕組みを創設するなどの内容となっている。
3 「『農山漁村』経済・生活環境創生プラックフォーム」の初回会合を開催
2月13日、農林水産省は、政府が掲げる「地方創生 2.0」の一環として立ち上げた「『農山漁村』経済・生活環境創成プラットフォーム」について、専門部会をオンライン併用により都内で開催した。食料安全保障の観点からも農山漁村のコミュニティ維持が不可欠であり、関係人口増加を目指すことを目的にしている。
このプラットフォームでは、具体的に専門部会を通じて、①通いによる農林水産業への参画、コミュニティ維持、②農山漁村を支える官民の副業促進、③市街地と農山漁村間における物流網の維持確保、④外部企業との案件形成に向けた 民間資金・人材の確保という4項目を議論する。第1回は、①と②について関係者の意見を求めた。
農林水産省は、政府が策定を目指す地方創生策の「基本構想」に合わせて、夏までに専門部会の考え方を取りまとめたいとしている。
4 次期食料・農業・農村基本計画に向け意見交換会を開催。
2月17日から21日、農林水産省は全国11ブロックで、オンライン形式による基本計画意見交換会を開催した。地域の農業者や自治体関係者から意見を聞き取り、次期食料・農業・農村基本計画の取りまとめの参考にするとしている。
次期基本計画については、農相の諮問機関である食料・農業・農村政策審議会企画部会が昨年8月から策定に向けての議論を重ねている。食料自給率をはじめ、食料安全保障に関する目標をどう設定するか、令和9年度以降の水田政策のあり方をどうするか、といった点が主な論点となっている。
地方意見交換会では、同部会の委員が農業者など出席者らと意見を交わした。 2月17日の沖縄を皮切りに、2月18日は北海道札幌・九州、2月19日は北陸、2月20日は 北海道帯広・東北・近畿・四国、2月21日は 関東・東海・中国と、計11回開催した。
5 江藤農相が福島県下に出張
2月24日、江藤拓農林水産大臣は、福島県白河市でスマート農業を導入する 生産現場を視察した。キャベツや米を栽培する農業法人「吉野家ファーム福島」を訪問するとともに、キャベツの収穫機や全自動苗作り機を活用し農作業効率化に取り組む生産者と意見交換した。
また農相はこの日、国、福島県、自治体などで作る「原子力災害からの福島復興再生協議会」にも出席し、被災地の農業復興に関して意見交換を行った。
6 農林中金、第3四半期純損失 1.4兆円、奥理事長 3月末退任と発表
2月7日、農林中央金庫は、令和7年3月期第3四半期連結決算を発表した。 低利回り資産の売却による損失を主な要因として純損失が拡大し、減収減益となった。経常収益は前年同期比30.4%減の1兆5610億7600万円、経常損失 1兆3798億1300万円、純損失1兆4,145億1600万円だった。
資本の増強については、令和7年3月末に新たに後配出資411億円の増資受け入れ、令和6年11月に1419億円を調達していた期限付き劣後ローンについて、5800億円を追加調達し6428億円に増額することを決議した。令和6年9月末には永久劣後ローン7169億円の償還と後配出資7360億円の調達を予定通り完了している。資本増強は、1兆4000億円規模となる。
これを受けて、2月20日、令和6年度通期の純損失は1兆9000億円規模、令和7年度通期では、300~700億円程度の黒字に回復するとの見通しを示した。
また2月20日、農林中央金庫は、奥和登理事長(65)が3月31日付で退任し、後任に北林太郎常務執行役員(54)が4月1日付けで昇格する人事を発表した。奥氏は「翌年度の黒字化の目処がついたタイミングで赤字の責任を明確化した」と辞任の理由を説明した。
また農林中金は同日、農水省検証会の提言を踏まえた経営管理体制の強化策も明らかにし、①新たに最高財務責任者を議長とする財務戦略委員会を設置するとともに、②同委員会に専門性を持つ外部有識者を招くなどとしている。
7 その他
(1) 熊対策のため市街地で銃猟を可能にする法案を閣議決定
2月21日、政府は熊による人的被害を防ぐため、一定の条件を満たせば自治体の判断で市街地での銃猟を可能にする鳥獣保護管理法改正案を閣議決定した。 熊による人的被害は、令和5年度に過去最多の219人(うち死者6人)に上った。
人の日常生活圏に現れ、危害を及ぼすおそれが大きい動物を「危険鳥獣」と規定し、市町村長が緊急的にハンターへ委託することとしている。 危険鳥獣は、政令でヒグマ、ツキノワグマ、イノシシを定めることが想定されている。
市町村長は、危害防止が緊急に必要等と判断した場合、市町村職員やハンターに「緊急銃猟」を実施させることが可能とする。警察と連携して通行制限や避難指示を行うほか、損失が生じた場合は自治体が補償する規定も盛り込んだ。環境省は熊の出没が増える秋までの施行を目指している。
(2) 移住相談が過去最高で初の6万件超え
2月25日ふるさと回帰支援センターは、令和6年の移住相談件数が、調査開始以来初の6万件を突破したことを明らかにした。4年続けて過去最高を更新した。コロナ禍があった令和2年には相談件数は落ち込んだが、令和3年以降順調に増加し、調査を始めた平成20年(2475件)に比べると、25倍となった。
同センターへの来場者は20代から40代が67%、移住の優先順位は複数回答で「就労の場がある」が53%、「自然環境が良い」が45%、「住居がある」が30%、 「 耕作農地がある 」が4.2%などとなっている。希望する就職先は、企業などが68%、テレワークと自営業の継続が11%ずつ、農業と創業・起業が10%ずつだった。
同センターは東京有楽町にあり、約650の自治体と連携して、移住相談などを行っている。
◎ Forest Style ネットワーク」からのお知らせ
「Forest Style ネットワーク」(事務局:林野庁 森林利用課 山村振興・緑化推進室)から、会員のイベントとして、次のようなお知らせがありました。
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(1) 3月19日(水)岐阜県主催「森林空間活用特別シンポジウム」のご案内
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岐阜県では、3月19日(水)に「森林空間活用特別シンポジウム」を開催いたします。
森林浴、森林レンタルサービス、広葉樹の価値化など先進的な森林空間活用の取組みの講演やパネルディスカッションを通じて、“森のある暮らしをみんなでモリアゲ”る方策を探る参加型のシンポジウムです。
ぜひご参加ください。
詳細は下記リンク先をご覧ください。
「森林空間活用特別シンポジウム」を開催します – 岐阜県公式ホームページ(森林活用推進課)
<概要>
日時:令和7年3月19日(水) 13:15~16:20(受付12:45~)
会場:岐阜県庁ミナモホール(岐阜市薮田南2-1-1)
主催:岐阜県
内容:第1部
基調講演「人と森の新たな関係を探る~健康を支える森林浴の魅力~」
一般社団法人 森と未来 代表理事 小野 なぎさ 氏
第2部
①森林空間活用の事例紹介
株式会社シシガミカンパニー 代表取締役 CEO 田口房国氏
株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役 COO 松本剛氏
②パネルディスカッション「森のある暮らしを、みんなでモリアゲ!」
モデレーター:株式会社モリアゲ 代表 長野麻子氏
パネリスト:小野なぎさ氏 田口房国氏 松本剛氏
③感想シェアタイム&質疑応答
申込フォーム:https://logoform.jp/form/T8mB/882880 (参加無料、定員150名)
◎全国二地域居住等促進官民連携プラットフォームからのお知らせ
全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム(事務局:栃木県那須町ふるさと定住課)から、以下のとおりお知らせがありました。
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①事務局からのお知らせ(1件)
● 題名
専門部会(第1回負担軽減部会)を開催しました【令和7年2月10日】
● 内容
二地域居住の更なる促進に向けて、「中長期的な観点から検討すべき課題」への具体的な対応方策を検討するとともに、予算的・制度的な政策提言を目指して立ち上がった専門部会のうち、二地域居住等に伴う諸費用の負担軽減のあり方を議論・検討する
「負担軽減部会」の第1回目が開催されました。
(議事概要、部会資料はこちら)
https://www.mlit.go.jp/2chiiki_pf/information.html#info250303
②国交省からのお知らせ(2件)
<1件目>
● 題名
特定居住支援法人の第1号が指定されました
● 内容
山形県新庄市において、一般社団法人温故知新が特定居住支援法人として指定されました。(2025年2月18日付)
国交省で把握している限り、第1号の指定となります。
また、現時点で国交省が把握している指定実績は以下のとおりです。
その他、指定されたものがあれば、国会答弁にも積極的に盛り込んでいきたいと考えておりますので、ぜひ御一報ください。
・2025年2月18日付 山形県新庄市長が一般社団法人温故知新を指定
・2025年2月25日付 北海道厚真町長が株式会社Anotherworksを指定
・2025年2月25日付 北海道厚真町長が株式会社さとゆめを指定
・2025年2月25日付 北海道厚真町長がミーツ株式会社を指定
・2025年2月27日付 山形県鮭川村長が一般社団法人温故知新を指定
<2件目>
● 題名
計画の策定・特定居住支援法人の申請受付開始・指定の際には、ぜひ御一報ください
● 内容
広域的地域活性化法に基づく計画策定や支援法人の指定については、国のKPIでもありますし、国会答弁にも積極的に盛り込んでいきたいと考えておりますので、以下の内容を実施した際には、直ちに国に御報告いただきたく存じます。
【都道府県の皆様】
・広域活性化計画(二地域居住)の策定(公表)
【市区町村の皆様】
・「特定居住促進計画」の策定(公表)
・「特定居住支援法人」の申請受付の開始
・「特定居住支援法人」の指定
※法人名や業務内容等、指定概要もあわせて御教示いただけますと幸いです。
<連絡先>国土交通省地方政策課
hqt-chihouseisaku@gxb.mlit.go.jp
③会員からのお知らせ(1件)
● 題名
国土交通省「移住等の促進に向けた実証調査」二地域居住調査を読み解く
「塩尻市スナバモデル」に見る、移住者を起点とした地域経済の好循環
● 団体・事業者名
ミテモ株式会社
● 内容
ミテモは、長野県塩尻市とシビック・イノベーション拠点スナバと協業し、国土交通省の令和6年度「移住等の促進に向けた実証調査」事業に採択された移住・二地域居住に関する調査を実施しました。
本イベントでは、調査で得られた知見を共有すると同時に、国土交通省、塩尻市、スナバからゲストをお招きし、二地域居住の今と今後について議論していきます。
移住・二地域居住による地域活性化の次の一手を模索しているという方はぜひご参加ください。
▼プログラム
1.日本の現状と国の二地域居住政策の紹介
2.塩尻市スナバの事例共有
3.スナバ実証調査結果の共有と得られた気づき
4.スナバで活動する移住者等とのパネルディスカッション
5.今後の展開のご紹介
▼登壇者
国土交通省 国土政策局 地方政策課 課長補佐 吉田正嗣氏
一般社団法人塩尻市振興公社 地方振興事業部 事業部長 三枝大祐氏
ミテモ株式会社 シニアプロデューサー 三井実
▼イベント概要
2025/3/12(水) 15:00-16:30
開催形式:オンライン(Zoom)
参加費:無料
▼詳細・申込は下記から!
https://www.mitemo.co.jp/event/duallife_250312/