全国山村振興連盟メールマガジンNO317
2024.4.4
全国山村振興連盟事務局
◎ 新たに国会議員の先生に入会いただきました
この度、参議院議員 岡田直樹先生(自民党山村振興特別委員会委員長)に全国山村振興連盟に入会いただきました。
岡田先生、よろしくお願い致します。
◎ 2025年3月の農林水産行政
2025年3月の 農林水産行政の主な動向は、以下の通りでした。
1 政府備蓄米の放出を開始
3月10日、農林水産省は政府備蓄米の放出に向けた入札を開始した。予定している 21万トンのうち、第1回の入札では15万トンを販売した。このうち、 令和6年産米は10万トン、令和5年産米は5万トンであった。3月14日、入札結果を発表し、税込の平均落札価格は 60kg 当たり 2万2914 円 と、令和6年 産米の平均( 2万2000円) を 4%程度上回る水準となった。落札されたのは合計14万1796トンであり、スーパー店頭に並ぶ 5キロ入りに換算すると 約2800万 袋になる。 3月18日、JA 全農 は 落札した政府備蓄米の一部を流通業者に引き渡し、 政府備蓄米の放出が開始された。
一方 3月10日から16日までのスーパーでの米 5kg の平均価格は4172円であり、11週間連続で値上がりした。 1年前と比べ 2倍の価格となっている。
第2回の入札は、3月26日から28日にかけて、第1回入札の残分を合わせて、7万トンについて行った。
3月26日、農林水産省は 主食用米の需給動向を測る指標となる本年 6月末時点の民間在庫量が179万トンとなり、需給が適正状態になるとの見通しを示した。
また 3月31日、農林水産省は JA 全農 など 集荷業者を通さず生産者から販売業者や外食などに直接販売されていた米が前年よりも 44万トン 多かったと発表した。令和6年産米は前年より18万トン多い679万トンが収穫された 一方、集荷業者が集めた米は31万トン少ない 299万トンにとどまった。生産者が、外食・小売業者・消費者へ直接販売するルート向けに前年より44万トン 多い 237万トンを提供したことが分かった。小売・外食業者は、早めの手当に動いた結果、前年よりも 7万トン多い在庫が積まれていた。
今後の価格動向が焦点となる。
2 次期食料・農業・農村基本計画を答申
3月27日、食料・農業・農村政策審議会(会長:大橋弘東京大学副学長 ) は、今後5年間の国の農業政策の方向性を定める次期食料・農業・農村基本計画案を江藤拓農相に答申した。改正後の食料・農業・農村基本法に基づく初めての基本計画となり、今後5年間で農業の構造転換を集中的に進め食料安全保障の確立を目指す。
次期基本計画では、供給カロリーベースの食料自給率を45%にする従来の目標を維持する一方で、摂取カロリーベースの自給率を新設し、現状45%から53%への引き上げを目指す。生産額ベースの自給率は61%から69%、飼料自給率は27%から28%に引き上げる。
また農地は、令和12年で412万ヘクタールの確保を目指す。担い手の農地集積率は、現状の6割から7割に高める。49歳以下の担い手の数は、現状の 4.8万人を維持する。米の生産数量目標は 791万トンから 818万トンとするなど、 生産品目別の生産数量目標も掲げた。
農林水産物・食品の輸出額は、現行目標の5兆円を維持する。このほかインバウンド(訪日外国人)による食関連消費額を1.6兆円から4.5兆円にする。食品産業の海外展開による収益額を1.6兆円から3兆円にする。
これら数値目標のほか、令和9年度以降の水田政策について、「水田活用の直接支払い交付金」を水田を対象とする仕組みから田畑を問わず作物ごとに支援する仕組みに見直す。
このほか、農産物の価格形成など農業政策の方向性を盛り込んだ。
3 土地改良法改正案・棚田地域振興法改正案・山村振興法改正案が可決・成立
3月31日、参議院本会議において、土地改良法改正法案、棚田地域振興法改正法案、山村振興法改正法案の3法案が一括で審議・採決され、賛成多数により可決・成立した。
改正土地改良法では、ダムや頭首工など基礎的な農業水利施設を計画的に更新するため、国や都道府県の発意で更新事業を実施できるようにする。受益農家からの同意徴収などを国や県が代行し、現場の手続き負担を軽減する。施設の保全に向けては、土地改良区を中心に保全計画 「水土里ビジョン」を作る仕組みを創設する。
改正棚田地域振興法では、同法を5年延長するとともに、移住・二地域居住を呼び込む環境を整備し、人材を育成すること等としている。
改正山村地域振興法では、既報のとおり同法を10年延長するとともに、「山村地域の持続的発展」を法律の目的に加え、国・地方公共団体の責務や移住の促進等を含む各種の配慮規定を盛り込んだ。
4 全国各地で大規模な林野火災が発生
2月26日に岩手県大船渡市で発生した林野火災は、1人の死亡が確認された ほか、2900ha に及ぶ山林が消失するなど大きな被害が発生。発生から11日目の3月9日に鎮圧が宣言された。達増知事は、「東日本大震災の津波からの復旧 復興が続いている中で、度重なる自然災害による県民生活 県内経済への影響は非常に大きい」としている。
被害は広範囲に広がっているため、鎮圧後、林野庁は岩手県等と協力したヘリ調査を行うとともに、消防庁とも連携しながら現地調査を進め、被害状況の詳細を把握中である。
また3月23日、岡山県岡山市と愛媛県今治市で山林火災が発生し、岡山市では、南区・宮浦区の計 403 世帯 893人に避難指示が出された。岡山市では空き家や倉庫など計6棟が焼けた。火災の延焼範囲は玉野市に及び、546ヘクタールに拡大した。3月28日、岡山市と玉野市は両市内の火災を鎮圧したと明らかにした。
愛媛県今治市の火災では、今治市長沢地区、朝倉北地区、隣接する西条市の胃一部にも避難指示が出され、合計3848 所帯の7494人に避難指示が出された。焼損面積は417ヘクタールに拡大し、住宅 7棟、 倉庫 2棟が全焼した。
さらに3月25日宮崎県宮崎市の山林で火災が発生し、約50ヘクタール へと広がった。
3月26日、政府は官邸対策室を設置し、石破茂首相は関係省庁に対し、地方自治体などと連携して消火活動に全力を上げ、住民の避難支援や情報提供に万全を期するよう指示した。
5 食品等流通法及び卸売市場法改正法案を閣議決定。
3月7日、政府は農畜産物の生産コストを考慮した適正な価格形成に向けた食品等流通法及び卸売市場法改正法案を閣議決定し、国会に提出した。同法案では、売り手と買い手に価格交渉に誠実に臨むように努力義務を課し、対応が不適切な事業者には国が指導・勧告・公表を行うこととしている。勧告・公表があった場合には公正取引委員会へ通知する。また食品等取引実態調査で取引上の課題を把握し、Gメンを配置して監視する。
また同法案では、価格交渉の材料となる「コスト指標」を作成することとし、農相がコスト指標を作成する品目と団体を決定し、団体が品目・産地ごとの実態を踏まえて指標を作成することとしている。対象品目としては、米や野菜などを検討する。
3月21日、農林水産省は生産から消費までの関係者が参加する「 適正な価格形成に関する協議会」を開催し、価格形成の関連法案で掲げた努力義務に沿う行動かどうかを判断するための基準の議論に着手した。
6 その他
(1)「『農山漁村』経済・生活環境創生 プラットフォーム」 の専門部会を開催
3月4日、農林水産省は関係人口の増加を目指す 「『農山漁村』経済・生活環境創成プラットフォーム(PF) 」の専門部会を開き、通いや副業などで農繁期の作業を支える取り組みについて、有識者の意見を聞いた。外部人材が参加しやすくなる仕組みや、受け入れで生まれる農産漁村の負担を減らす方法などについて実践例の報告や工夫の提案があった。
なお、農林水産省は、若手官僚が地域の課題解決を応援する「地方応援隊」 を派遣することとしている。1市町村 あたり農林水産省と国土交通省から1人ずつ計2人を派遣する。活動期間は4月から2027年3月までの2年間を予定している。
(2)北太平洋漁業委員会で今年の漁獲枠を合意
3月24日から27日に大阪市で北太平洋漁業委員会(NPFC)第9回年次会合が開催され、サバやサンマの今年の漁獲枠について合意した。会議には、沿岸国の日本・ロシアと遠洋漁業の中国・韓国・台湾・バヌアツ・欧州連合( EU )、関心国の米国・カナダの9カ国・地域が参加した。
サンマの 2025年の漁獲上限は昨年の1割減とし、公海で12万 1500トン、日本とロシアの排他的経済水域(EEZ)内は 8万1000 トンとした。 資源状況が悪化しているサバについては、漁獲上限を昨年の 約3割減 となる 7万1000トンに決めた。
(3) 食料・農業・農村白書と森林・林業白書の概要案を提示
3月14日、農林水産省は令和6年度食料・農業・農村白書と森林・林業白書 の概要案を提示した。
食料・農業・農村白書概要案によれば、特集では①新たな食料・農業・農村基本計画の策定、②合理的な価格の形成のための取り組み、③スマート農業技術の活用と今後の展望を取り上げる。
また特徴的な動きを紹介する「トピックス」としては、① 農林水産物・食品の輸出促進、②みどりの食料システム戦略の進展と消費者の行動変容、③女性活躍の推進、④農福連携のさらなる推進、⑤令和6年能登半島地震等への対応を掲げた。
森林・林業白書では、「生物多様性を高める林業経営と木材利用 」を特集する。 トピックスとしては、①森林経営管理制度 5年間の取り組み成果、②「林業職種」の技能検定がスタート ―「林業技能士」の誕生、③木材自給率が近年で最も高い 43%まで回復、④中高層建築物等における木造化の広がり、⑤プラスチックを代替するバイオマス由来素材「改質リグニン」の今後の展開、⑥令和6年能登半島地震と大雨による山地災害等への対応、を掲げている。
(4) 1月の農林水産物・食品輸出額 過去最高
3月4日、農林水産省は本年1月の農林水産物・食品の輸出額が953億7500万円になったと公表した。 1月としてはデータがある 2000年以降で過去最高。日本食人気や健康志向の高まりで好調が続く米や緑茶が牽引した。 輸出額は前年同期比で10% 伸長した。
このうち、1次農産品は1%減の301億円、加工食品 が4%増の334億円であり、農産物全体で、8%増の672億円となった。主な品目を見ると、米が29%増の8億3000万円となった一方、輸出額の大きい牛肉は同1%減の42億700万円と伸び悩んだ。
◎二地域居住先導的プロジェクト実装事業】先導的プロジェクト実装事業(2次公募)事前説明会について
全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム(事務局:栃木県那須町ふるさと定住課)より、以下のとおり国土交通省からのお知らせの案内がありました。
—————————————————————-
◆【二地域居住先導的プロジェクト実装事業】先導的プロジェクト実装事業(2次公募)事前説明会を開催します
●日時 令和7年4月7日(月)13:30~(オンライン)
●説明者 国土交通省国土政策局地方政策課 二地域居住政策推進官 酒井達朗
● 内容 1次公募の結果及び2次公募に向けた事業内容の説明・質疑応答を実施致します。
(会議リンクはこちら)
参加: https://teams.microsoft.com/meet/452649021029?p=208qx3OAsqWvUwXrMz
会議 ID: 452 649 021 029
パスコード: 92Ng3DK2