全国山村振興連盟メールマガジンNO166

全国山村振興連盟メールマガジンNO166

 

2022.3.11

全国山村振興連盟事務局

 

○自由民主党山村振興特別委員会の結果概要

 

自由民主党山村振興特別委員会(委員長:奥野信亮 衆議院議員)が2月25日金曜日午前11時から自民党本部706号室において開催された。

全国山村振興連盟からは、竹﨑一成会長代行(熊本県芦北町長)、久慈修一副会長(青森県蓬田村長)、庵逧典章副会長(兵庫県佐用町長)の3名がオンラインで要請を行うとともに、菅原信男副会長(北海道浜頓別町長)、田中幹夫副会長(富山県南砺市長)もオンラインで参加した。副会長出身町村である栃木県茂木町と愛媛県久万高原町からは担当者がオンラインで視聴し、このほか、實重常務理事が出席した。

鈴木憲和 事務局長(衆議院議員)の司会により議事が進められ、最初に奥野信亮 委員長の挨拶があった後、議事に入った。

 

議事(1)令和4年度山村振興関係予算概算決定等について

「令和4年度山村振興関係予算概算要求について」の資料に基づき、関係省庁を代表して、農林水産省から説明があった。

 

議事(2)全国山村振興連盟からの要請等について(オンライン)

竹﨑会長代行から、「第1に、新型コロナウイルスの撲滅に向けての取組みである。感染が依然として猛威を振るっている中で、市町村では、ワクチン接種の推進に必死の努力を重ねているところである。 全国的にかなり体制が整ってきたところではあるが、山村地域においては医療従事者や事務局担当者などが不足している面があるので、医療や市町村の事務体制などについて、これまで以上に万全を期すことができるようお願いしたい。

第2に、令和4年度政府予算・令和3年度補正予算については、中山間地農業ルネッサンス事業、中山間地等直接支払い交付金、山村活性化支援交付金をはじめ、山村に関わる様々な面に配慮頂いたものとなっており、改めてお礼申し上げる。特に期待しているのは、「デジタル田園都市国家構想」に関する各種の施策である。人口減少の続く山村において、地域社会を支えていくためには、AI、ドローン、自動運転など技術革新による対応が欠かせないものと考える。そのためにも5 Gを含む情報通信網の整備について、力強く政府において推進していただきたい。加えて、それを使いこなす人材育成、また山村においては高齢者が多いこともあるので、使い勝手の良さの実現や、適切なガイダンスをお願いしたい。

第3に、昨今の災害が頻発する世界において、脱炭素社会への転換に向けて、森林を有する山村地域は、大きな役割を果たすものと考えている。あらゆる省庁において、森林・山村地域の重要性につき、これまで以上に着目して政策を集中し、官民挙げて脱炭素に取り組むようになることをお願い申し上げる。」旨の要望を行った。

久慈副会長から、「全国の山村地域で、人口減少に歯止めをかけるため、政策を集中しているところである。そうした中で森林環境譲与税の使い方について、 森林経営管理制度を進捗させるように指導いただいている。その事業計画は必要なものであるが、市町村が策定するためには所有権の確認や権利の調整が必要であり、それだけで森林環境譲与税の60%以上、ときには70%を使ってしまう。 調査をした上で所有者の所有権について調整していく必要があるが、行政としては人材育成や組織の見直しも必要であり、財源調整が必要となる。

当村では調査期間に20年を要するというので、私から少し使い途について検討するようにと指示し、森林環境税を積み立てておいた。青森県下でも約半分の市町村が方針をまだ決めていなくて、積立金を積む方針としている。この点を踏まえ、森林環境譲与税の使い方について、有効な事業展開ができるように指導いただければありがたい。」旨の要望を行った。

庵逧副会長から、「森林を維持していくことは、現在進行中の地球温暖化に大きな役割を果たすこととなり、地域産業としての再生が必要である。森林環境譲与税を活用して、町として本腰を入れて森林管理をしていきたい。市町村によって森林の所有のあり方が異なるが、佐用町では民有林で小規模な所有形態となっているものが多いため、多くの山林が放棄されて管理できない状態となっている。このため森林管理を所有者に頼ったのでは、今後長期的な効果がある管理は期待できない。そこで適切な管理ができない山林を町有林として管理すべきではないかという観点から、アンケート調査などを行った。その上で、令和4年度から所有者が管理できない山林を買い取ることにしたいと考えて取り組んでいる。町の8割は山林であり、このうち2割程度を町有林化したいと考えている。

この場合、森林環境譲与税の基準では私有林の面積が5割ということになっているが、今後は町有林であってもその基準に該当するように見直しを行っていただきたいと考える。林業就業人口で2割という基準もあるが、当町では林業だけの就業者は10数人しかいない。ほとんどの所有者が、林業就業者という形ではなく管理している。 森林環境譲与税の基準については、必要があれば見直しを行うこととなっているので、実態に合ったものとなるようにしていただきたい。佐用町のやり方は今後のモデルになるのではないかと考えているので、よろしくお願いしたい。」旨の要望を行った。

 

連盟からは、「令和4年度山村振興関連予算・施策に関する要望書」を配布した。

 

その後、議員から意見が提出され、次のようなテーマが取り上げられた。

 

・森林環境譲与税の有効活用事例を示しての普及について

・市町村において管理している山林の面積及び財源の調査について

・都市において山村と連携して森林環境譲与税を用いていることについて

・森林環境譲与税の基準 について

・山村活性化支援交付金を使った地域内循環する付加価値について

・所有者不明土地を活用するための利用方法について

・森の中で子育てする「森の幼稚園」の振興について

・山村留学の実態と政策について

 

 

  • 農業農村情報通信環境整備推進体制準備会によるサポート対象となる「モデル地区」の募集結果について

情報通信準備会事務局(農林水産本省地域整備課)より、農業農村情報通信環境整備推進体制準備会によるサポート対象となる「モデル地区」の募集結果について、農林水産省及び情報通信準備会HPについて、以下のとおり公表したとの連絡がありました。

 

・農林水産省HP【農業農村における情報通信環境整備の推進について】

https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/jouhoutsuushin/jouhou_tsuushin.html

・お知らせにて、モデル地区の決定を公表しています。(情報通信準備会HPへのリンクにより紹介)

・情報通信準備会HP(トップページ/新着情報)

https://tiiki.jp/nn_tsushin/index.html

・情報通信準備会HP(準備会からのお知らせにて公表)

https://tiiki.jp/nn_tsushin/subpage02.html