全国山村振興連盟メールマガジンNO107
2021.1.8
全国山村振興連盟事務局
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
昨年は、新型コロナ・ウイルスの感染拡大によって、日本にとっても世界にとって未曾有の危機と言える大変な年となり、危機は現在も続いておりますが、本年には感染が収束し平穏な日常が戻っていくこと、そうした中で山村地域が健全に維持・発展していくことを祈念しております。
1 事務局長会議の書面開催について
1月7日の緊急事態宣言の発令に伴い、1月28日に予定しておりました事務局長会議は書面開催とさせていただくこととしました。各事務局長の皆様方には、この旨、1月7日付けで既にご連絡したところですが、1月中旬に正式なご案内をさせていただく予定です。
なお、2月18日・19日に予定している森林・山村対策懇談会、副会長会議、理事会の開催につきましては、緊急事態宣言下の状況を踏まえて2月初旬に判断させていただきたいと考えております。
2 事務局の在宅勤務態勢について
緊急事態宣言下では、事務局職員も極力在宅勤務に切り替えたいと考えており、ご用の方で、事務室に電話しても出ない場合は、以下の電話又はメールアドレス宛にご連絡いただくようお願いします。
ご迷惑をおかけしますが、非常事態ですので、ご理解を賜りますようお願いします。
事務局長(實重)宛て 電話080-3604-0437
FAX03-3313-1721
メールアドレス kaijaku@allure-h.jp
事務局次長(千葉)宛て 電話090-5219-2811
メールアドレス yo89chi@kuh.biglobe.ne.jp
3 令和3年度全国山村振興連盟の主要行事予定
令和3年度全国山村振興連盟の主要行事予定につきましては、既に支部あて連絡させていただいたところですが、以下の通りとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
・実務研修会 令和3年6月4日金曜日 10時30分から17時 全国町村会館2階ホール
・副会長会議 7月1日木曜日 16時から17時 全国山村振興連盟事務局
・理事会 7月2日金曜日 10時30分から11時30分 全国町村会館2階ホール
・副会長会議 10月21日木曜日16時から17時 全国山村振興連盟事務局
・理事会 10月22日金曜日10時30分から11時30分 全国町村会館2階ホール
・通常総会 11月18日木曜日 10時30分から11時30分 グランドアーク半蔵門
・事務局長会議 令和4年1月28日金曜日13時から14時 全国町村会館2階ホール A
・森林・山村対策懇談会 2月24日木曜日13時15分から16時 全国町村会館第3会議室
・副会長会議2月24日木曜日16時から17時全国町村会館第3会議室
・理事会2月25日金曜日 10時30分から11時30分 全国町村会館2階ホール
○ 2020年12月の農林水産行政
2020年12月の農林水産行政の主な動向は、以下のとおりでした。
1 令和3年度農林水産予算は2.3兆円
令和 3年度予算の概算決定が12月21日 行われ、農林水産予算の総額は2兆3050億円と、前年度(2兆3109億円)とほぼ同水準となった。第3次補正予算1兆円余と合わせ15ヶ月予算として、3兆円を超える予算を執行することになる。
閣僚折衝として、農林水産物・食品の輸出拡大に関する予算 88億円が、前年度と同水準で確保された。
このほか主なものは、
① 水田活用直接支払交付金 3050億円(前年同額)
② 米穀周年供給・需要拡大支援事業 50億円(前年同額)
③ 農業農村整備事業 3333億円(69億円増)
④ 野菜・果樹等高収益作物の生産振興対策 150億円(8 億円増)
⑤ 強い農業・担い手づくり総合支援交付金 162億円(38億円減)
⑥ 担い手への農地集積・集約化 186億円(3億円増)
⑦ 農業人材力強化総合支援事業 205億円(8億円減)
⑧ 経営継承・経営発展の推進 20億円(9億円増)
⑨ 食料・農業への理解醸成に向けた国民運動の推進 4億円(3億円増)
⑩ 収入保険制度の実施 177億円(34億円減)
⑪ スマート農業総合推進対策事業 14億円(1億円減)
⑫ 中山間地農業ルネッサンス事業 406億円(36億円減)
⑬ 鳥獣被害防止総合対策交付金 122億円(20億円増)
⑭ 林業成長産業化総合対策 123億円(6億円減)
⑮ 水産資源調査・評価の実施 85億円(28億円増)
などとなっている。
2 令和2年度第3次補正予算として1兆519億円
政府は12月15日の臨時閣議で、令和2年度第3次補正予算を決定した。 一般会計の追加歳出が21.8兆円に上る補正予算であり、このうち農林水産関係は 1兆519億円(公共4549億円、非公5971億円)となっている。
農林水産関係の主な概要としては、
①「総合的な TPP 等関連政策大綱」に基づく施策の実施 3220億円
うち官民一体となった海外での販売力の強化 37億円
輸出先国の規制や需要に対応した加工施設等の整備 226億円
② ポストコロナに向けた地域・社会・雇用の好循環の実現 3533億円
うち農林漁業者の経営継続補助金 571億円
高収益作物次期作支援交付金 1343億円
国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業 250億円
「Go to eat」キャンペーンの延長 515億円
③ 防災・減災、国土強靭化と災害復旧の推進 3658億円
などとなっている。
3 農産物・食品の輸出強化等に向けて各種方針を策定
政府は11月30日「農林水産物・食品の輸出拡大のための関係閣僚会議」を開催し、2030年度輸出5兆円目標の達成に向けて、実行戦略を策定した。実行戦略では重点品目ごとに品目別の具体的な目標を設定するとともに、生産・流通・輸出事業者で連携した共同事業体を作り、販売戦略を検討し販路開拓を進めることとしている。
また、12月15日「農林水産業・地域の活力創造本部」を開催し、「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改定し、①輸出拡大実行戦略をプランに位置づけるとともに、② ポストコロナに向けた農林水産政策の強化、③2050年カーボンニュートラルの実現を図るための「緑の食料システム戦略」の策定などを盛り込んだ。
ポストコロナに向けた農林水産政策の強化については、今後有識者を交え食料安全保障につき検討し、本年6月までに取りまとめを行う予定である。また「緑の食料システム戦略」については、5月までに策定することとしている。更に、新しい農村政策のあり方、長期的な土地利用のあり方について6月までに取りまとめを行うこととしている。
4 米の過剰懸念に対処し手厚い支援策
2021年産米については、過去最大規模の 6.7万ha(36万トン分)の作付転換が必要となっていることを踏まえ、 第3次補正予算及び来年度予算により 次のような対策が措置された。
① 対策の予算総額3400億円
・水田リノベーション事業 第3次補正290億円
(輸出・加工用米、麦・大豆・野菜等への転換に 4万円/10 a)
・ 麦・大豆等収益性 ・生産性向上プロジェクト 第3次補正60億円
(団地化・ 先端技術の導入等の場合1.5万円/10 a)
・水田活用直接支払交付金 3年度予算3500億円
(野菜などの交付単価を引き上げ/台風で飼料用米の収穫減少の場合で8万円/10 a)
② 保管・販売促進
・販売多様化緊急対策事業 第3次補正250億円
(インターネットでの送付・キャンペーン食材に対する支援)
野上農相は、12月22日大臣談話を発表し、6.7万haの作付転換が必要であり、実現できないと需給・価格が崩れ危機的な状況に陥るおそれがあるとして、関係者が需要に応じた生産を行うことを強く呼びかけた。
5 鳥インフルエンザが西日本で続発、主産地千葉県でも発生
11月初旬香川県で発生した鳥インフルエンザは、その後11月中に福岡・兵庫 県で発生し、12月に入ってからは宮崎・奈良・広島・大分・和歌山・岡山・滋賀・ 高知・徳島各県での発生が見られた。12月24日、東日本で初めて千葉県いすみ市で発生し、32例目となった。このほか12月3日には、宮崎県小林市で33例目が発生している。
発生県は13県に及び、このほか埼玉県でもときがわ町でフクロウの死骸から鳥インフルエンザが発見されている。千葉県は採卵鶏の飼養戸数・羽数ともに全国2位に当たる主産県であり、全国どこで発生してもおかしくないとして、農林水産省は飼養衛生管理措置の徹底を呼びかけている。
(なお、年明け1月2日に岐阜県美濃加茂市で34例目が発生し、発生県は14県となった。)
6その他
(1) Go to eatキャンペーンを一時停止
新型コロナ・ウイルス感染症分科会が12月11日、年末年始を静かに過ごす よう国民に呼びかけたことを受けて、12月17日農林水産省は都道府県に対し Go to eat キャンペーンの実施について、感染状況を踏まえて検討することを要請した。これを受けて、北海道・東京・大阪など14県で食事券の販売を一時停止した。東京都など飲食店に営業時間の短縮を要請した県では、既に発行した食事券についても利用を控えるよう呼びかけた。
(2)種苗法・水産物流通適正化法が成立
登録品種の外国持ち出しや自家増殖を規制する種苗法改正法案は、 12月2日 自民・公明・維新・国民新党の賛成多数により参議院議員本会議で可決・成立した。これと併せて臨時国会に提出されていた水産物の海外持ち出しを規制する水産物流通適正化法についても、臨時国会で成立した。
(3)「グリーン成長戦略」に「食料・農林水産」を位置づけ
政府は12月25日、温暖化ガス排出量を2050年に実質ゼロにするための実行計画「グリーン成長戦略」をまとめた。その中では「温暖化対策を経済成長の制約やコストとする時代は終わり、国際的に成長の機会と捉える時代に入った」との認識が示されている。内容としては、「成長が期待される14分野」として、洋上風力発電、電気自動車、カーボンリサイクル等が主要な項目となっているが、14分野の中に「食料・農林水産」が明記され、2050年までに農林水産業の二酸化炭素排出をゼロにすることなどが掲げられている。
(4)国家戦略特区の拡大につき首相預かり
12月21日、国家戦略特区諮問会議と規制改革推進会議が合同で開催され、2021年8月に期限が到来する兵庫県養父市の特例の取り扱いにつき議論が行われた。養父市で行われている企業による農地取得の特例について、全国的に拡大すべきとする委員側に対して、農水省からは「養父市でも企業が取得している農地は少なく、リース方式で良い」と反対意見を述べ、今後の取扱いについては首相預かりとなった。