全国山村振興連盟メールマガジンNO296

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                                 2024.11.1

                                 全国山村振興連盟事務局

◎2024年10月の農林水産行政

2024年10月の農林水産行政の主な動向は、以下の通りでした。

 

1石破新内閣で小里農相、庄司政務官が新任、農相は総選挙で敗北

10月1日、石破茂内閣が発足し、小里康弘氏が農林水産大臣に就任した。小里農相は、衆議院当選 6回(比例九州)、無派閥で66歳。 慶応大学出身。 過去に首相補佐官、農林水産副大臣を務めた農政通である。

また、 鈴木憲和副大臣( 衆議院 山形2区 当選 4回 42歳)と武村展英副大臣( 衆議院 滋賀 3区 当選 4回 52歳 )は、岸田前内閣から留任となった。 政務官としては、舞立昇治政務官 (参議院 鳥取・島根選挙区 当選2回 自民党)は 留任。 新たに公明党の庄司賢一政務官( 衆議院 比例 東北ブロック 当選 1回)が就任した。(当選回数は就任時点)

10月27日、衆議院総選挙が行われ、自民党・公明党の与党で過半数割れとなる選挙結果となった。 小里康弘農相は 選挙区( 鹿児島3区)で敗北し、 比例復活もなかったため、落選となった。 衆議院議員である他の副大臣・政務官は当選した。

小里農相は29日、「議員の身分を失う以上、大臣としての役割を果たすことはできない」と述べ、辞任する意向を示した。

 

2 小里農相が能登半島の被災地を視察

10月10日小里 農林水産大臣は 、1月1日の震災、9月20日からの大雨と2度にわたる大きな災害を受けた奥能登の被災地を視察した。 現地では 輪島市における農地、林地、漁港の被災状況などを視察し、 石川県の馳知事と意見交換を行ったほか、 農業者や漁業関係者と様々な観点から意見交換を行った。

漁港では 復旧・復興が進捗しつつあり、7月に海女漁が 実験的に再開され、 9月に刺し網漁、 10月に底引き網漁が再開、 11月には ズワイガニ漁も解禁の予定となっている。 一方で 給油施設、 製氷施設、 荷捌き場の復旧をさらに急いで欲しいという声があった。

また農業関係者からは、2度続いた大災害によって地震で失った農業用機械を 新しく整えたところで再び被害にあったこと、その資金繰りや国からの補助がどうなるのだろうかなどといった不安の声が寄せられ、 農相からは能登半島の支援パッケージに基づく支援内容を説明した。

翌10月11日、能登半島被災地を支援するため、 政府は令和6年度予備費から509億 3154万円の追加支出を決定した。 能登半島地震に対応した予備費などの支出決定は7回目で、合計7150億円となった。 なお、石破首相も 10月5日に能登半島を視察していた。

 

3 米の作況「やや良」で収穫量は 6年ぶりに増加

10月11日、 農林水産省は 令和6年産水稲作付面積及び9月25日現在の予想収穫量を公表した。 全国の作況指数は102の「やや良 」 となり 北海道・ 東北 が 103、 関東・東山が102 となった 。一方 新潟県は98、 東北でも 山形県は97で「やや不良 」となるなど地域差が見られた。

全国の10アールあたりの予想収穫量は544kg の見込みとなり、平和6年産の米の収穫量は 令和5年産と比べて 3.4%増えて683万3000トンとなる見通しとなった。実績ベースとの比較で6年ぶりのプラスとなる。

主食用米の作付け面積は125万9000ヘクタールで前年に比べ 1.4%増となった。 これは米価格が上昇したことにより、飼料用米などの作付けを減らして主食用米を増産する動きがあったためなどによる。

 

4  9月の米の相対取引価格は昨年の5割高で過去最高

10月18日、 農林水産省は 令和6年産米の相対取引価格・数量(令和6年9月)について、全銘柄平均価格で2万2700円となったことなどを公表した。 これは過去最高の水準であり、 前年同月比では 48% 高い。 需給が逼迫する中で集荷競争が加熱し、 概算金などが大幅に上昇したことが要因だとしている。

この調査は JA や JA 全農など出荷団体と米卸売業者との間の取引価格を 調べたもので、米の代表的な指標価格となっている。全銘柄平均が2万2,000円を超えるのは大冷害で生産量が落ち込んだ 1993年の前後や 2003年産米以来となる。

銘柄別には 北海道 ななつぼしが前年同月比 64%高の2万5198円、 宮城ひとめぼれが同 52% 高の2万2968円、 新潟 一般コシヒカリが同23%高の2万858円などとなった。

 

5 4道県で鳥インフルエンザが発生

10月17日、 農林水産省は 北海道厚真町の肉用鶏農場で、抗病原性鳥インフルエンザの疑似患畜を確認したと発表した。 農場での同病発生は今季初で、 過去最も早い時期での発生となった。同日、北海道は農場で飼育する 約1万9000羽の殺処分を開始した。

この農場は発生が過去最大だった令和4年度シーズンの初発農場と同じである。 令和4年度には 10月28日に発生し、当時も過去最も早い時期の発生だった。 今期、野鳥では北海道乙部町で9月30日に回収された鳥から同病が初めて確認され、警戒を強めていた。

また 10月23日、 農林水産省は 千葉県香取市の採卵鶏農場で抗病原性鳥インフルエンザの疑似患畜を確認したと発表した。北海道厚真町に次ぎ今季 2例目であり、千葉県は同農場で使用する約3万8000羽の殺処分を開始した。 千葉県内の採卵鶏の飼養羽数は約1400万羽で、全国1位となっている。17日の厚真町の肉用鶏農場に続き、過去2番目に早い発生となった。

その後も、10月26日には新潟県上越市の採卵鶏農場(188羽)、10月31日には島根県太田市の採卵鶏農場(約40万羽)で、発生が確認され、10月中の発生は4件となった。

 

6 その他

  • 食料・農業・農村基本計画の見直しに向けた議論が本格化

10月2日、 農林水産省は食料・農業・農村政策審議会企画部会を開催し、食料・農業・農村基本計画の見直しに向けた議論を本格化させた。 6月に施行された改正食料・農業・農村基本法の理念を具体化すべく、農業などを取り巻く課題の整理に着手し、来年3月の基本計画改定を目指している。

農産物の生産コストが高止まりする中、 政府は食品の適正な価格形成に向けた 仕組みの法制化を目指す。 また、改正基本法では食料安全保障の定義を拡充し、買い物困難者や 経済困窮者が増える中にあって、一人一人が食料を確保できるようにする重要性を位置づけたが、その具体化も課題である。

10月16日、農林水産省は食料・農業・農村政策審議会企画部会を開催し、基本計画の策定に向けて、環境保全や農村振興の課題などを巡って議論した。 農林水産省は、令和 9年度から個人を対象とした新たな環境直接支払い制度を設ける方針であり、また中山間地域等直接支払いを巡って集落協定のネットワーク化を進めることが必要だと提起した。

次回は11月6日に食料供給をテーマとして企画部会を開催する予定である。

 

  • 適正な価格形成に関する協議会を開催

10月24日、 農林水産省は「適正な価格形成に関する協議会」を開き、 今後の議論の進め方に関し、米や野菜についてそれぞれ ワーキンググループを立ち上げて検討していく方針を示した。

同協議会は持続可能な食料供給の実現に向けて、課題の分析を行いつつフードチェーンの各段階でのコストを把握、それを共有し、 生産から消費に至る食料システム全体で適正取引が推進される仕組みの構築を検討するための協議の場として設置されたもの。

農林水産省は令和7年の通常国会に

法案を提出する予定であり、それに向けて品目ごとのコスト構造や特徴を検証しながら、実効性のある制度を構築していくことが必要であるとしている。

 

 

◎「Forest Style ネットワーク」事務局からのお知らせについて

「Forest Style ネットワーク」事務局(林野庁森林利用課山村振興・緑化推進室)から、以下のとおりイベントのお知らせがありました。

 

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  • 全国森林レクリエーション協会等主催 令和6年度「山の日」記念行事「森林空間利用による多角経営の都市近郊林を訪ねる」一般参加者募集

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全国森林レクリエーション協会等では、都市近郊林の森林空間を活用し、森林内の空中をジップラインで移動するフォレストアドベンチャーや森林内のマウンテンバイク専用コースなど

新しいアクティビティを導入した森林の多角経営を行っている辻村山林を訪ねるイベントを開催します。

辻村山林の森林や施設の見学とともに、辻村氏による講演をご覧いただけます。ご参加をお待ちしています。

 

令和6年度「山の日」記念行事 森林空間利用による多角経営の都市近郊林を訪ねる 一般参加者の募集 協会からのお知らせ 一般社団法人全国森林レクリエーション協会 (shinrinreku.jp)

 

■開催概要
開催日:令和6年11月13日(水)9:30~16時頃

散策・見学:辻村山林(フォレストバイク小田原・フォレストアドベンチャー小田原etc.)
講演:「新たな森林空間利用と森林の多角経営の現状と課題」
講師:辻村百樹氏(T‐FORESTRY 代表取締役)
会場:小田原市いこいの森 多目的ホール
参加費:2,000円(昼食代、保険料等)(※昼食は主催者が準備)
持ち物・服装:滑り難い靴、飲み物、帽子、防寒着、雨具
主催:「山の日」記念行事実行委員会

(一般財団法人 日本森林林業振興会、一般社団法人 全国森林レクリエーション協会、一般社団法人 日本森林インストラクター協会)

参加申込方法:参加希望の方は、下記の申込フォームからお申し込みください。
https://forms.gle/Lq9iSnMxHJEXkGiJ6

※募集人数40名(定員に達し次第募集終了)

 

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2.日本自然保育学会第9回研究大会 無料公開シンポジウム 自然保育と森林ESD~農林漁業とその恵を活かす~

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東北地方では、地域の農林業や里山の恵みを活かし、自然と共生する暮らしの知恵を学び、持続可能な地域づくりにつなげる保育実践が多く見られます。

また、森林環境が豊かで農林業も盛んであることなどから、保育・幼児教育分野と森林・林業分野が連携し、産官学が連携して「自然保育」を促進する取組が芽生えています。

そこで、日本自然保育学会では、これらの東北地方の特色を活かした「自然保育」の保育実践や行政の支援策等に学び、保育の質の向上とともに

森林整備の促進、移住促進に繋ぐ可能性を探るため、学会第9回研究大会の開催を記念して、2つの無料公開シンポジウムを開催します。

研究大会とともに、多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

 

内容の詳細は、以下の特設サイトをご参照ください。

https://sites.google.com/view/shizenhoiku9th/

 

■開催概要

日程:2024年11⽉9⽇(土) 13:30~17:45

場所:「青森大学」(青森県青森市幸畑 2-3-1)

主催:⽇本⾃然保育学会・⽇本⾃然保育学会第9回⼤会実⾏委員会

テーマ:(1).「農林業や⾥⼭の恵みとつながる

東北の⾃然保育・森のようちえんの知恵」

(2).「産官学連携で拓く、東北の自然保育の可能性」

参加費:無料

締切:10/31木

(※研究大会にもご参加の場合は参加費や締切が異なりますので、

上記特設サイトよりご確認ください。)