全国山村振興連盟メールマガジンNO291

全国山村振興連盟メールマガジンNO291

 

                            2024.9.27

                          全国山村振興連盟事務局

 

北海道・東北六県山村振興ブロック会議の概要(詳細版)

 

令和6年度北海道・東北六県山村振興ブロック会議が、8月8日(木)~9日(金)の2日間にわたり全国山村振興連盟山形支部(支部長 鈴木浩幸 朝日町長)の主催により、山形県朝日町「Asahi自然館」において、各道県の支部長、事務局長、来賓等22名が参加して、以下のとおり開催されました。

会議の概要(詳細版)は、以下のとおりです。

 

1 開会及び主催者代表挨拶

開会に当たり、主催者代表として鈴木浩幸朝日町長から次のように挨拶があった。

「本日、令和6年度北海道・東北六県山村振興ブロック会議を、当山形県朝日町白倉の地で開催したところ、遠いところを参加いただき感謝する。全国山村振興連盟の實重常務理事、千葉事務局次長をはじめ、各道県支部長、事務局長には、公務極めて多端のところを臨席を賜り、感謝するとともに、心より歓迎する。

去る7月25日から26日にかけて、秋田県と本県の県境地域を中心として、非常に激しい雨が降り続いた。本県内においては、全域にわたって大雨・洪水・土砂災害等の気象警報等が発表され、河川の氾濫や土砂災害などが多くの地点で発生した。この災害に巻き込まれ、尊いお命を失われた方もあり、あらためて、被災なされた皆様にお見舞い申し上げる。発災から2週間余りが経過した現在においても、交通機関の乱れは未だ回復しておらず、被害の全容については未詳の部分もあるが、復旧・復興に向けて歩み出したところである。先日、山形県知事と山形県町村会で国に対して要望活動を行った。

幸い、本町においては、比較的小規模な被害で納まり、本日皆様をお迎えすることができた。住民の安全・安心な暮らしが守られるよう、力を尽くして参りたいとの思いを強くした。

さて、私たち、山村地域の町村長は、地域住民が郷土に愛着と誇りを持ち、安心して豊かに暮らせる地域社会を構築するため、山村振興法に基づく各種の支援策を活用し、これまで様々な施策を積極的に講じてきた。人口減少や高齢化が全国的に進行している中、これらの課題に早くから直面し、今、最先端で取り組んでいるのが、山村地域であると言える。

コロナ禍によりテレワークが急速に普及し、遠隔地で仕事をすることが容易になったこと、また、働き方や暮らし方に対する意識が大きく変化したことなどにより、地方移住への関心や、農業・農村の価値を再認識する気運が高まっている。

こうした潮流を的確に捉えつつ、私たちが守り育ててきた地域を次の世代につなげていくことが、日本全体の課題解決にもつながるものと考えている。

本日の会議では、山村地域が抱える諸課題の解決を目指して、皆様と意見交換をさせていただきたいと考えているので、よろしくお願いしたい。

 

その後、鈴木町長の司会のもとで議事が進められた。

 

2 全国山村振興連盟活動報告及び質疑応答

来賓である全国山村振興連盟常務理事兼事務局長實重重実から、挨拶の後、全国山村振興連盟活動状況について、7月理事会の議案であった要望書、特別要望書、論点整理案を中心に、以下のような説明があった。

「来年3月末の現行山村振興法の期限を控え、特別要望では山村振興法の期限の延長と政策内容の充実について要望している。また、令和7年度要望においては、これらのほか、移住政策・観光政策等による総合的な人口政策の充実、デジタル・トランスフォーメーションと革新技術の導入普及をはじめ、地域公共交通・道路と生活基盤の確保などを重点的な要望としている。

更に、論点整理案では 昨年から今年にかけて山村振興法改正について検討・議論をする中で提起された幅広い論点について、基本的にすべてを記載したものである。本日も更なる意見をいただき充実していきたい。

 

なお、全国山村振興連盟からは、来賓として事務局次長千葉善行も参加した。

質疑応答では、来年3月に期限を迎える山村振興法の改正を中心として、意見交換が行われた。

 

3 山村振興の現状と課題についての情報交換

2に引き続いて、鈴木町長の司会の下で、山村振興の現状と課題について、以下のような諸事項について、意見・情報交換が行われた。

 

・山村住民による国土保全についての国民への周知

・国策としての食料自給率の向上

・食料の生産基盤・農地確保のための農業者の所得の確保

・農業の生産者だけでなく消費者を巻き込む必要性

・農地農業用施設・道路・林道などの老朽化・維持対策

・鳥獣被害防止のための自衛隊員の特別休暇利用又は出動

・鳥獣被害額は作付け面積減少に伴い増加

・中山間直接支払い・多面的機能支払いの継続

・森林環境譲与税の更なる改善

・森林を皆伐した後の作業道の利活用

・ J クレジットを含む国有林の積極的活用

・林野行政における空間サービス産業の推進

・公共交通の確保のための大幅な規制緩和

・移住者のための水道普及と水道整備の補助率向上

・移住者に対する非課税、建築基準法の大幅規制緩和など多段階の優遇策

・山村における税制優遇の特区の設置

 

4 事例報告

事例報告として、朝日町早坂健一農林振興課長より、「樹園地の円滑な継承に向けた朝日町の取組み -次世代につなぐあさひりんごの郷-」の資料に基づき、次のような紹介があった。

りんごの樹園地について初期投資を抑えつつ第3者継承ができないかと考えて、令和4年4月「朝日りんごの里協議会」を発足させ、町長が会長に就任した。産地の存続を懸け、今やらなければならないと考えている。

朝日町の農業産出額は40億円であり、りんごが主な産品であるのに加えてぶどう生産も盛んで、町内産原料にこだわったワインを製造している。りんごは国内だけでなく、平成16年から輸出も行っている。現在は台湾、タイ、マレーシア、香港、フィリピンに輸出しており、平成27年には71.8トンの実績がある。

りんご栽培の歴史は130年に及ぶものの、平成27年に337ヘクタールの栽培面積、314経営体あったものが、令和20年には250ヘクタール、207 経営体になるものと推計される。そこで協議会では、移住就農・樹園地承継・活動計画策定という3つの部会を設け、意向調査アンケート、先進地視察、ワークショップ等を行いながら、樹園地の第三者継承に向けて取り組んでいる。

令和6年度から地域おこし協力隊の制度を活用し1名が 3経営体で1か月ずつ研修した上で、7月から3年間働くことが決まった。これは、「あさひ里親農家の会」による取組みである。

更に、「りんごの郷みらい塾」を設けて登録里親相互の農業知識向上と里親農家としてのスキルアップを図る。

今後は、インスタグラム等SNSで情報提供することで、地域おこし協力隊の制度等を活用した新たな担い手の確保、優良農地の確保に向けて前進させていく。また、樹園地情報の見える化として、10月から町のホームページに当該情報を掲載すること、樹園地の団地化等に取り組みたいと考えている。

 

5 次期開催地の選定

次期開催地として、福島県が選定された。

 

6 現地視察

8月9日(金)、朝日町内において現地視察を行った。

視察地は、①空気神社、②椹(くぬぎ)平(だいら)の棚田、③有限会社朝日町ワイン、④道の駅あさひまちであった。

「空気」が御神体となっている世界で唯一の神社「空気神社」は、地元住民により平成2年に創始。現在は、空調企業であるダイキンやパナソニックとの提携事業が展開されている。

「最上川上流にある椹平(くぬぎだいら)の棚田は、全体が扇形に見え「神が落とした扇田」と呼ばれている。元は桑畑であったが、食料事情の悪化により昭和10年代より一帯が田んぼとなった。大型機械などない時代で地域の人だけでは足らず「他地域の人や小学生の協力」「中学生は泊まり込みで工事を手伝った」と公園の看板に当時の苦労が書かれている。平成11年に「日本の棚田百選」に選ばれた。」

有限会社朝日町ワインは、昭和19年よりワイン造りを行っており、町が60%、地元JAさがえ西村山が40%出資した第三セクター。朝日町長が代表取締役を務めている。白ワインの原料ぶどうは町内、町外(県内)から確保している。赤ワインの主原料であるマスカットベリーAは、町内契約栽培で殆どを確保している。平成28年伊勢志摩サミットの昼食会(和食)に提供され、その関係で翌年の平成29年、当時の皇太子殿下の行啓を賜った。

道の駅あさひまちは、「りんごの森」の愛称で平成27年にオープン。当初は来場者7万5千人、目標売上1億円でのスタートとなった。町特産のりんごを中心に人気が高まり、令和5年の来場者35万人、売上2億6千万円と目標を大きく超えている。りんごの季節はオープン前から100人程が並ぶ日もあり盛況を見せている。朝日町産にこだわり、毎日出品される商品は道の駅会員が直接搬入。町内で生産物を販売できる環境が整い今後も維持向上が期待される。

 

◎農業農村情報通信環境整備準備会からのお知らせについて

農業農村情報通信環境整備準備会(事務局:農林水産省地域整備課)から、以下のお知らせがありました。

 

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1.『農業農村情報通信環境整備準備会 紹介動画』完成のお知らせ

 

この度、農業農村情報通信環境整備準備会の活動をまとめた動画を

制作しました。

普及・啓発活動や個別地区支援など、地域での情報通信環境整備の

取り組みをサポートする準備会の役割をお伝えしています。

短く簡潔にまとめたものになっておりますので、説明会や勉強会、

製品サービスの紹介などにあわせて、準備会の活動を地域の皆様に

ご理解いただく目的でぜひお使いください。

https://www.youtube.com/embed/URyFouV004M?rel=0

 

2.準備会イベント「 展示会出展情報 (CEATEC2024)」について

 

既報の通り、CEATEC2024に出展いたします。

企画出展エリアとなる「パートナーズパーク」(Soricety5.0の未来

社会を体現する「共創」エリア)での出展となります。

ブースとしては6m×6mの広さとなり、準備会の活動内容や事例の

紹介の他、サポート会員にご協力いただき、本事業で活用可能な製

品を多数展示することになりました。是非ご来場ください。

 

・日程:2024年10月15日(火)~18日(金)

・会場:幕張メッセ

・参考URL:

https://www.ceatec.com/ja/exhibition/exhibition02.html

また、パートナーズパークのトークステージにおいてスピーチセッ

ションを設けることになりました。

 

準備会としてのセッションは以下の予定となります。

日時:10月16日(水) 13:30-14:10

 

タイトル:農業農村におけるデジタルインフラ整備の取組 ~情報

通信環境整備に向けた農林水産省の取組~

 

参考URL:

https://www.ceatec.com/ja/conference/detail.html?id=2588

 

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◇第2回セミナー「スマート農業活用促進法について」接続先のご案内

 

農林水産省では令和6年5月に「食料・農業・農村基本法」が改正

され、その方向に即して同年6月「スマート農業技術活用促進法」

が成立・交付され、10月に施行が予定されています。

今後、同法に基づきスマート農業実装のための取組への支援措置が

講じられることとなります。

 

農山漁村振興交付金(情報通信環境整備対策)についても、同法に

基づく取組を行う地域の優先採択等の措置を講じていく予定です。

 

つきましては、本法律を所管する大臣官房技術政策室担当から、

法律の概要及び同法に基づき行うことができる取組内容及びその支

援措置等について紹介する場を準備会のオンラインセミナーとして

行うこととしましたのでご案内します。どなたでも参加可能です。

 

【スマート農業技術活用促進法について】

(大臣官房技術政策室より)

スマート農業技術活用促進法が10月に施行予定です。本法律は、農

業者の減少等に対応して、農業の生産性の向上を図るため、2つの

認定制度を設けるものであり、認定を受けた農業者や事業者が支援

措置を受けることができるものです。

 

【セミナー概要】

・テーマ:スマート農業技術活用促進法について

・日 時:10月25日(金) 13:30~15:00

・登壇者:大臣官房政策課技術政策室

・開催方式 オンラインTeams:下記リンクより5分前からご入室下

さい。

https://teams.microsoft.com/l/meetup-join/19%3ameeting_OGY2N

会議 ID: 410 802 782 197

パスコード: gCYgPL

・事前質問受付 アンケート: 10月15日(火)まで

https://forms.office.com/r/aNyh7Y9kQi

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◎京都日帰りツアーの案内について

「Forest Style ネットワーク」(事務局:林野庁森林利用課山村振興・緑化推進室)から、以下のとおり会員のイベントにつき案内がありました。

 

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1.京都の森と自然を満喫する日帰りツアー「片波川源流の巨木に出会う」

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片波自然観察インストラクターの皆さんの案内で、京都府自然環境保全地域の第1号に指定されている片波川伏条台杉群を観察しながら秋の森を歩きます。

同エリアは通常貴重な生態を守るため、一般の方は立ち入り禁止エリアとなっており、樹齢1,200年と言われる「平安杉」を見ることができる貴重な機会です。

 

〇日時:11月1日(金)(荒天時中止)9:15集合予定

京都市役所前発着・貸切バス利用

※詳細はご参加の方にご案内します。

〇参加費 一般13,800円(会員価格※ 9,800円)※友の会を含む

〇定員:18名程度(最少催行人員:8名)

○申込み期限:10月25日(金)

【詳細・お申し込み】下記ページのお申し込みフォームからお申し込みください。

京都の森と自然を満喫する日帰りツアー「片波川源流の巨木に出会う」 – 公益社団法人 京都モデルフォレスト協会:公益社団法人 京都モデルフォレスト協会 (kyoto-modelforest.jp)

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2.京都の森と人に出会う日帰りツアー「北山杉のふるさとを歩く」

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室町時代からの歴史を持ち、京都府の木である「北山杉」。

本ツアーでは、京都北山丸太生産協同組合の皆さんに北山杉のふるさと「中川」をご案内いただき、その魅力に迫ります。

 

〇日時:11月16日(土)(荒天時中止)9:15集合予定

京都市役所前発着・貸切バス利用

※詳細はご参加の方にご案内します。

〇参加費 一般13,800円(会員価格※ 9,800円)※友の会を含む

〇定員:25名程度(最少催行人員:15名)

○申込み期限:11月8日(金)

【詳細・お申し込み】下記ページのお申し込みフォームからお申し込みください。

京都の森と人に出会う日帰りツアー「北山杉のふるさとを歩く」 – 公益社団法人 京都モデルフォレスト協会:公益社団法人 京都モデルフォレスト協会 (kyoto-modelforest.jp)

 

※いずれも定員に達し次第受付を終了させていただきます

【旅行企画・実施】 公益社団法人京都モデルフォレスト協会

TEL・FAX 075-823-0170 京都府知事登録旅行業 第地域―853号

※この事業は一部 「国土緑化推進機構緑と水の森林ファンド」の助成を受け実施しています。