全国山村振興連盟メールマガジンNO397

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                                    2026.10.30

全国山村振興連盟事務局

 

◎自民党山村振興特別委員会の概要について

10月16日金曜日、午前9時から、自民党本部702号室において、自由民主党山村振興特別委員会(委員長:岡田直樹参議院議員)が開催されました。司会進行は、同委員会事務局長 山下雄平参議院議員が務められました。

岡田委員長と谷公一顧問(当連盟会長)の挨拶の後、農林水産省より「令和9年度山村振興関係予算概算要求等」についての説明がありました。

続いて、当連盟から、保科副会長、平野副会長、陶山副会長による要請の発言があり、その後、出席の国会議員等による意見交換が行われました。

当連盟からの要望の発言は、以下のとおりでした。

 

○保科郷雄副会長(宮城県丸森町長)

宮城県丸森町長の保科でございます。本日は、山村振興特別委員会に出席させていただき、また発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。熊本県芦北町の竹崎会長代行が震災復旧・復興の業務のため欠席となりましたので、私から全国的な見地の要望をさせていただきます。

まず 7月の熊本地震をはじめ、本年は全国各地で大雨による冠水・洪水などの甚大な被害が生じました。被災された地域の皆様方にお見舞いを申し上げます。

山村地域は、国土面積の約半分を占め、国土保全に重要な役割を果たしてきましたが、地球温暖化の進展によって、従来なかったような山崩れや河川の溢水などが頻発しております。その一方で、道路・河川・水路をはじめ、公共施設の老朽化が進んでおります。さらに昨今は、クマが頻繁に出没するようになり、住民被害が多発しております。

こうした状況に対処し、被災地域の復旧・復興を急ぐとともに、防災・減災、国土強靭化、そして野生鳥獣による被害防止に、さらなる政策的な努力をお願い申し上げます。

次に、本年の予算編成は、従来と編成方法を異にし、従来の当初予算と補正予算を一本化して、当初予算に計上されるものと承知しております。この場合、ただ従来の額を足し上げるというのではなく、山村振興に関する予算につきまして、ぜひ増額となるようお願いしたいと思います。

また従来の地方財政措置は、当初予算よりも補正予算が条件的に優遇されたものとなっておりますので、このままですと、地方自治体にとっては、不利な条件となることが懸念されます。地方財政措置につきましても、従来の補正予算並みの措置となりますようお願いいたします。

さらに、税制の議論も進められておりますが、税制の東京一極集中を是正していただき、税が従来以上に地方に流れるよう、見直しをお願いします。

山村の高齢化・人口減少に対しましては、市町村としても移住・定住政策など、努力をしてきたところでありますし、地域おこし協力隊、二地域居住政策、山村活性化支援交付金など各般の施策を講じていただいてまいりました。

こうした中で、現在「 ふるさと住民登録制度 」の検討が進められており、我が丸森町も、そのモデル市町村として実証を行っているところです。二地域居住や関係人口の増加にとって、画期的な政策になることが期待されますので、「ふるさと住民登録制度」が迅速に実施されるよう制度設計を進めていただき、また利用者に交通費支援など十分なメリット措置が講じられるようお願いいたします。

昨年には、先生方のお力によりまして、山村振興法を改正していただいたところですが、これに加え、近年、森林環境譲与税をはじめ各般の政策を力強く進めてきていただいたことに感謝を申し上げます。多面的・公益的機能を担う山村地域が維持・発展できますよう、先生方の更なるご尽力をお願い申し上げまして、私の要望とさせていただきます。

ありがとうございました。

 

○平野嘉也副会長(和歌山県高野町長)

おはようございます。貴重なお時間をいただきまして発表させていただきます。本当にありがとうございます。

私は弘法大師・空海の町である高野山を中心とする高野町でございます。今日は選挙区の石田先生も来ていただいておりますので、非常に心強く思っておるところでございます。先生方には見えないオーバーツーリズム、見えにくいオーバーツーリズム・インフラ負荷が多くかかっているというようなお話、住民と町は持続可能な形で町を維持していけるかというお話をさせていただければというふうに思います。

本町では年間150万人のお客様、延べで言いますとだいたい500万人のお客様を迎えている町でございます。人口は2500人でありますから、年間で言いますとだいたい600倍のお客様、延べで言いますと2000倍のお客様をお迎えしているということになっておりまして、インフラを当然お客様はお使いになられます。当然ですがお客様は、上下水道、ソフト面で言えば救急車、また医療機関等も利用されますが、救急においては利用率の約半数が町外からのお客様であり、お客様が利用することによって町民が使えないというような状況も出てきているところでございます。

世界的なオーバーツーリズム対策で有名なイタリアのベネチア、ここは人口の約600倍のお客様が来て大変なことになっているということですから、我が町の600倍、または延べで言うと2000倍のお客様を迎えるということは、オーバーツーリズムとして非常に危機的な状況にあるというようなことでございます。そのような中、数多くのお客様を迎える中での全ての行政需要、インフラ費用は我々住民が全部支えているというような状況でございます。

そこで先生方にお願いしたいのは、基準財政需要額の算定についてでございます。山村自治体が人口割合に比べて広い面積を有して国土保全、また地球温暖化防止に重要な役割を果たしているということ、面積要素、そして多くの流入人口、関係人口、交流人口など、山村地域の実情に即したものにしていただきたいということでございます。

本町で言いますと、歴史的遺産の保全、また文化財の防火、そして多数の来訪者対応など、わずかな人口で広域・多面的な財政需要を抱える山村特有の需要、事情をですね、基準財政需要額の算定に的確に反映していただきたいという願いでございます。ぜひ先生方にも、高野山に視察に来ていただいて実情を見ていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

○陶山清孝副会長(鳥取県南部町長)

鳥取県南部町長の陶山でございます。本町からお聞きいただきまして、本当にありがとうございます。

南部町は全国で3箇所、同じ南部町という名前があります。山梨県と青森県の南部町は南部藩の関係ですが、私ども鳥取県の南部町は米子市の南側に位置する地域でございまして、昔から南部地域と呼ばれたのが町名になったといったところでございます。

私は、変容する家族の在り方が、私ども山村地域、また市町村にどんな影響を与えているのかということを皆様にご提案しながら、今後、将来の国家の在り方というものを共に考えていただきたいと思っています。

まず、家族の形の変容です。平成の30年間で3世代世帯は約4割から1割、4分の1に3世代世帯が減っております。日頃のちょっとした手助けが得られず生活の支えが必要と思われる世帯は、過去25年間で3.6倍となり、今後25年間でさらに1.4倍に増加する見込みです。2040年には230万世帯と言われています。そして、世帯構造の変化がさらに進み、2040年には単独世帯は国家全体で約4割に達するとまで言われています。これは厚生労働省の白書がそのように物語っています。

その中で、今ちょうど介護保険制度が今度10期目を迎えるとしています。 2000年から約4分の1世紀経ったわけでございます。介護の社会化という面で大変大きな成果を受けた一方の反面、この家族の在り方の変化に、介護保険が付いていっていない、それはやはり地方の私どもの実態の中で顕著だということが見えてまいりました。

まず、介護保険をこの間払い続けても、実際に介護保険サービスを提供する企業がどんどん逃げていく。それは利益の上がる都市部の方に流れていき、地方部から去っていく。今度、来年4月から介護保険サービスが法改正によりまして、人員配置の基準の弾力化であったり、デジタル化を推進すること、さらには移動経費の手当と、これはサービスの上乗せをすることが決定をしています。しかし、地方の私たちが懸念しますのは、全国一律に高水準のサービスを目指すその意味合いで始まった介護保険制度が、地域によってサービスの質までも低下させる要因となるということです。より良いサービスを目指す改革ではなくて、サービスが低下するのを何とか食い止める次善の策にほかならないと思っています。

このようなことは、今、介護保険をテーマに挙げましたけれども、全ての公共インフラと呼ばれる、例えば医療であり、さらには教育であり、交通であり、このような社会的な共通資本が今、地方部で非常に厳しい環境に置かれています。

将来の目指す国家像、そして国民をどう守っていくのかという問題については、ぜひとも国家の責任を持って、均等ある発展となるようお願いしたいと思っています。私ども山村部のこの問題は、間違いなくこれから地方の都市部、そして国家全体を覆っていくということが想像されます。ぜひこの問題を国家の問題として取り上げていただきたいということをお願いいたしまして、私からも提案させていただきます。本日はありがとうございました。

 

国会議員の先生方からは、

  • 介護保険制度の見直しの必要性
  • 空き家特別措置法の実施状況
  • 各省予算の山村に該当する内訳と実績値
  • 林地開発の手続き
  • 地方業者のための入札の在り方
  • オーバーツーリズム対策
  • 中山間地域等直接支払いの充実
  • 郵便局による地域活性化策
  • ふるさと住民登録制度のメリット措置及び災害対策とも絡めた在り方

などについて、意見が出されました。

 

◎「Forest Style ネットワーク」からのお知らせ

 

「Forest Style ネットワーク」(事務局:林野庁森林利用課山村振興・緑化推進室)から、以下のお知らせがありました。

 

  •  森業アワードの受賞者が決定しました!

森業アワード2026受賞者決定!:林野庁

(受賞者一覧)

 

[グランプリ(農林水産大臣賞)]

・ 谷林業株式会社
(共同応募者:一般社団法人大和森林管理協会、一般社団法人さすてなら、株式会社青春)

[準グランプリ(林野庁長官賞)]※五十音順

・ 十山株式会社
(共同応募者:静銀経営コンサルティング株式会社)

・ 根羽村
(共同応募者:安城市、根羽村森林組合、一般社団法人ねばのもり)

・ ホンダモビリティランド株式会社 モビリティリゾートもてぎ

・ 山のダイゴミ・プロジェクト

・ 株式会社BASE TRES

・ ReNeW津軽

・ 株式会社T-FORESTRY

・ Wans Laugh ワンコの森あそび