全国山村振興連盟メールマガジンNO377
2026.6.5
全国山村振興連盟事務局
◎2026年5月の農林水産行政
2026年5月の農林水産行政の主な動向は、以下の通りでした。
1中東情勢関係閣僚会議を2回開催
5月12日、政府は第7回中東情勢に関する関係閣僚会議を開き、中東情勢をめぐる状況等について関係省庁から報告を受けた。
農林水産省からは、①鈴木憲和農相が5月1日に、日本が尿素の74%を輸入するマレーシアを訪問し、農業生産に欠かせない肥料原料である尿素を供給する国家企業ペトロナス社の幹部と会談、先方から安定供給の確約を得るとともに、さらに長期間の契約について検討を依頼したこと、
②広瀬農林水産大臣政務官が4月24日にブルネイを訪問し、 ブルネイ 1次資源・観光大臣と会談しLNG の安定供給について協力を依頼したこと、
③農林水産業・農業・食品産業のサプライチェーンの上流から下流にわたり 利用されている多種多様な資材について、流通構造等の実態把握を順次実施中であることを報告した。
また 5月21日には、第8回の中東情勢関係閣僚会議が開催され、関係省庁から情勢や物価・供給への影響・対策についての報告が行われた。 特に石油 ( ナフサ )由来の製品の供給・流通の「 目詰まり 」 問題 について報告した。 高市総理からも、 物資は 「総量としては確保可能 」 だが、流通段階で偏り・混乱が発生しているという認識が示された。
農林水産省は、食品・農林水産分野の資材供給の影響、 食品容器包装 ( プラスチック、インク 等)、石油由来資材 ( フィルム、包装材など) の状況について報告した。
総理からは、①流通の「 目詰まり 」 解消を最優先し、ナフサ由来製品 ( 化学品・包装材等)の流通段階の混乱を解消すること、②その原因である過剰発注、情報不足、供給見通しの誤伝達などを改善すること、③小規模事業者(食品関係では、パン・菓子販売店など)に対する目詰まりを解消することを念頭に、 流通(川中から川下)の状況把握と改善に全力対応することが指示された。
これを受けて、 農林水産省では 5月27日、中東情勢悪化の影響について、食品関係企業・団体との情報交換会を開催し、 ナフサ を原料とする製品について、食品包装資材などの調達や流通の目詰まりについての状況を聴取した。
2 令和7年度食料・農業・農村白書を閣議決定
5月29日、 「令和7年度食料・農業・農村白書 」が閣議決定され、農林水産省から公表された。 同白書は食料・農業・農村基本法に基づき、政府が毎年 国会に報告しているものである。
特集のテーマとしては 「米の安定供給に向けた対応」を掲げ、
- 「米の価格高騰の要因や対応の検証 」として、令和6年夏に生産量が需要量に対し不足し、 民間在庫が減少傾向となる中、南海トラフ地震臨時情報の発表に伴う購買量の増加による品薄等をきっかけに、米の価格が高騰したこと、 輸入量が増加したこと、 令和7年8月に同省は高騰の要因や対応の検証を行ったこと、
- 「米の安定供給に向けた取組」として、流通の円滑化を図るため 令和6年度から政府備蓄米の一般競争入札による売り渡しを開始、令和7年5月から随意契約による売り渡しを始めるとともに、 ミニマムアクセス ( MA)米の買い入れ入札も 前倒しで実施したこと、 同年6月 同省は流通実態をより詳細に把握するため緊急調査を行ったこと、
- 「 米の価格高騰の要因と対応の検証を踏まえた対応策と今後に向けて」として、生産量に関する統計調査の公表内容を見直し 新たな算出方法による受給見通しを公表したこと、 令和8年6月末時点の民間在庫量は直近10年程度で最も高い水準に相当する見込みとなったこと、 食料システム法に基づく 米のコスト指標作成に向けて検討を進めたこと、国が流通実態をより正確に把握し 的確な対応を行えるよう 食糧法改正を検討していることなどを掲げた。
白書のトピックスとしては 「 地域農業の将来を描く地域計画の取り組み 」 「 特別企画・ 昭和100年を振り返って 」の2つのテーマを紹介した。
3鈴木農相が国内4県下に出張
鈴木憲一農林水産大臣は、4月28日から5月1日にかけて バングラデシュ・ マレーシアに海外出張したが、これに続いて 5月には、 国内 4県 下に出張した。
5月16日(土)には 愛媛県下に出張し、 魚類の養殖場・水産加工所、柑橘の園地を視察し、生産者と意見交換を行った。
5月17日(日)には、第76回全国植樹祭が愛媛県松山市で天皇皇后両陛下の隣席の下、「 育てるけん・ 伊予の国から・緑の宝」をテーマに開催され、鈴木農相も出席した。
5月18日(月)には岩手県下に出張し、 4月22日に 岩手県大槌町において発生した 林野火災の被害状況について、山下副大臣とともに現場の状況を確認し、 現場で取り組みを行っている関係者から話を聞いた。
5月25日(月)には千葉県下に出張し、大規模閉鎖循環式のトラウト・サーモンの陸上養殖工場を視察し、 事業者と意見交換を行った。陸上養殖は日本成長戦略会議の戦略分野であるフードテックの一つであるとしている。
5月26日(火)には、 埼玉県下で先進的な水稲の直播栽培に取り組む生産者を訪問し、播種の作業を視察した。
4 米生産は前年並み 733万トン、 在庫は過去最大規模に
5月20日、農林水産省は令和8年産の主食用米の生産量が733万トンと 令和7年産並みとなる見通しを発表した。国が示す 適正生産量を22万トン上回っている。4月末時点の各産地の作付け意向調査では、 主食用米は136. 3万ヘクタールで前年産並みとなった。
5月20日、農林水産省が示した 令和8年産米の作付け意向調査で、政府備蓄米を除いた主食用以外の用途の米は、需要に対して最大31万トンが足りない見込みとなった。令和7年産よりもさらに減り、不足量は19万トンから31万トンの見込みで、生産に必要な 作付けは3.2万から5.3万ヘクタールに相当する。
また 5月20日、農林水産省は 令和7年産米の4月の相対取引価格が前年より102円高い 3万3447円 ( 60kg 税込)になったと公表した。 価格が上がったのは 6ヶ月ぶりだが、ほぼ横ばい。 3月に大きく下がった一部の銘柄が値を戻した。
5月22日 農林水産省は、5月11日から17日時点の米の平均店頭価格を発表し、 前週比 26円 ( 0.7%) 高い 5kg 3768円となったとした。前年同月比では517円 ( 12.1% )低下した。
5 相次ぐクマ被害にクマ対策関係閣僚会議を開催
5月19日 政府は クマ被害対策等に関する関係閣僚会議を開き、各省から状況報告を受けるとともに、今後の取り組み事項を提示した。
環境省によれば、令和7年度の出没情報件数は、速報値で5万件を超え、 人身被害者数は238人、死亡者数は 13人と 過去最多となった。 令和8年1月から3月の出没状況を見ると、1月に486件、 2月に249件、 3月に307 件となり、令和6年・令和7年の同期間に比べ多くなっている。
令和8年4月の出没については、 東北6県と新潟・ 山梨・ 三重・ 岡山・ 広島・ 山口の計12 県が、昨年同時期と比較して多いと回答している。
同会議では、 今後 速やかに 取り組む事項として、以下の項目を示した。
① 「クマの捕獲強化」として、 市街地や農地への出没個体 及び管理強化エリアでの捕獲の強化を支援すること、
② 「住民等の安全確保」として、警察による都道府県・市町村等と連携した 出没時の安全確保等
- 「注意喚起・情報発信」として、全国紙及び地方紙を対象に、山菜狩り時の注意事項等を掲載すること等
- 「緊急対応体制の整備、出没防止対策の実施」として、緊急銃猟の実施体制の整備や実施の支援、 箱罠・クマ撃退スプレー等の資材の確保への支援、 ガバメントハンターの雇用の支援、警察官の装備資機材の整備等、電気柵の整備・緩衝帯の設置・放任果樹の伐採の支援、河川の樹木伐採や 草木の踏み倒し
- 「クマの調査」として、全国で統一的な手法によるクマの生息状況調査、個体数推定の実施などを掲げた。
内閣広報室からは 基本的な注意事項や対処法等を広く周知するため、情報発信を行うことが示された。
6 その他
(1) 南米メルコスールとの EPA交渉開始へ
5月28日、政府は 自民党 TPP・ 日EU・日米 TAG等経済協定対策本部 ( 江藤拓本部長)において、ブラジルなど南米諸国が加盟する南米南部共同市場(メルコスール)との経済連携協定 ( EPA ) 交渉入りを目指す方針を示した。
メルコスールには、 ブラジル、アルゼンチン、 パラグアイ、 ウルグアイ、 ボリビアの 5カ国が加盟しており、 チリ、 ペルーが準加盟国となっている。
6月15日から17日にブラジルのルラ大統領がフランスで開かれる先進国 7カ国首脳会議 ( G 7サミット )に招待される予定であり、その際に 高市首相が ルラ大統領と会談し、首脳会談で協議した上で交渉開始を発表する見通しとなっている。
政府は「農産物の重要5品目など慎重を要する分野については、十分な配慮が必要ということで 一致している」と説明した。
メルコスールの加盟国には、牛肉・ 豚肉・ 鶏肉・ 砂糖といった農産物の輸出大国が多い。 ブラジルの牛肉輸出量は世界最大であるものの、日本は 検疫問題から同国産の輸入を認めていない 。また、ブラジルは世界最大の砂糖輸出国でもある。
(2) 改正家畜伝染病予防法が一部施行
5月15日、 家畜伝染病予防法の一部改正法が成立し、 5月19日一部施行された。 農場で豚熱が発生した場合の全頭殺処分を見直し、 ワクチン接種済みで症状のない豚などは対象外にする。
施行に合わせ農林水産省は、豚熱発生時の対応方針などを定める防疫指針を改正した。 殺処分の範囲は、①ワクチン免疫が成立していない豚、②症状があり PCR 検査で陽性の豚、③その他家畜防疫院が必要と判断した豚とされる。
また、牛ランピースキン病の「 家畜伝染病 」への格上げ、 家畜防疫官の検査権限の拡充などの規定は、3ヶ月以内に施行されることとなっている。
(3) 岩手県大槌町で再び山林火災
岩手県大槌町では4月22日に大規模な山林火災が発生し、 損焼面積は1633ヘクタールに上った。 町は5月2日に、延焼のおそれがなくなったとして鎮圧を宣言した。 しかし 5月6日 午後1時25分頃、 岩手県大槌町の町役場付近、 城山公園体育館から北に 約150m 付近の山林で再び火災が発生し、 地上からの消火活動と防災ヘリによる放水を実施した。
この再度の火災も鎮圧されたものの、 2日に鎮圧した大規模森林火災とは距離があり関連はないと見られている。
◎「農山漁村」経済・生活環境プラットフォームからのお知らせ
「農山漁村」経済・生活環境創生プラットフォーム(事務局:農林水産省農村計画課 農村活性化推進室)から、以下のお知らせがありました。
──────────────────────────────
本プラットフォーム規約第7条の規定に基づいて設置された各専門部会においては、国土審議会推進部会移住・二地域居住等促進専門委員会において指摘された「中長期的課題」について事例の収集や検討を行い、国への提言や要望を行っていくことを目的に、議論を行ってまいりました。
この度、各部会長が議論の中間取りまとめとして資料を作成し、共同代表の承認を得ましたので、添付資料のとおり、事務局より皆様に共有いたします。
(各部会の部会長)
負担軽減部会:日本航空株式会社
担い手・人材部会:株式会社Another works
広域部会:ミテモ株式会社
- 各部専門部会において議論を重ね中間とりまとめをしたものを以下フォルダにて共有します。
https://drive.google.com/drive/folders/1vSpIMesT0dheOzEeTK3w4yN-9TQkHUj1?usp=drive_link
- 提言書について以下フォルダにて共有します。
https://drive.google.com/drive/folders/1GJHjO_qUHvSvDlhvXwcMgMINmVH8b4wg?usp=drive_link
次の日程で国土交通省副大臣、総務省政務官、自由民主党二地域居住推進議員連盟へ当PFからの提言書として手交しました。
・令和8年5月27日(水)
副大臣提言(国土交通省)
政務官提言(総務省)
・令和8年5月29日(金)
自由民主党二地域居住推進議員連盟提言
◎全国二地域居住等促進官民連携プラットフォームからのお知らせ
全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム(事務局:栃木県那須町ふるさと定住課)から、以下のお知らせがありました。
──────────────────────────────
① 会員からのお知らせ(2件)
〈1件目〉
・題名
転職なき居住者向けワーケーション・移住体験支援事業について
(北海道富良野市)
・内容
将来的に地方へ転職なき移住や二地域居住等を考える社員・フリーランスが、富良野市内の宿泊施設等に2週間以上滞在した場合、家賃(宿泊費)、レンタカー代の一部を助成します。
https://furano-workation.com/tenshoku-furano-workation/
〈2件目〉
・題名
自治体総合フェア 展示会企画情報が公開されました!
(一般社団法人日本経営協会)
・内容
官民連携促進の【自治体総合フェア】がいよいよ来月開催!
HPでは出展企業によるまちづくり、地域振興に関する最新のソリューションが公開!首長、有識者が多数登壇するセミナーも申込み受付中です!
ご来場もセミナー聴講も【無料】ですので、お気軽に会場まで
お越しください。
■会期 7/8~10 10~17時
■会場 東京ビッグサイト 西展示棟
HPでは最新情報を公開中。是非皆様のご来場、お待ちしております!
関連URL:https://www.noma-lgf.com/
② 事務局からのお知らせ(1件)
・題名
全国二地域居住等促進官民連携プラットフォーム提言書手交について
・内容
1.提言手交先
5月27日(水) 国土交通省佐々木紀副大臣、総務省梶原大介政務官
出席者:長野県企画振興部 次長兼参事 塩原昭夫氏
和歌山県田辺市 市長 真砂充敏氏
栃木県那須町 企画政策課長 高久祐一氏
日本航空株式会社 ソリューション営業本部
関係・つながり創造部 部長 関谷岳久氏
シェアリングエコノミー協会 代表理事 石山アンジュ氏
5月29日(金) 自由民主党二地域居住推進議員連盟(会長 鶴保庸介)
出席者:長野県企画振興部 次長兼参事 塩原昭夫氏
和歌山県田辺市 市長 真砂充敏氏
栃木県那須町 副町長 平山浩之氏
ANAホールディングス株式会社
上席執行役員 未来創造室 津田佳明氏
日本航空株式会社 ソリューション営業本部
関係・つながり創造部 部長 関谷岳久氏
シェアリングエコノミー協会 代表理事 石山アンジュ氏
2.提言書 以下URL参照
https://drive.google.com/file/d/1G1R0y6gve694_TxDwFutYKyRmnBZwIVG/view?usp=sharing
◎農業農村情報通信環境整備準備会からのお知らせ
農業農村情報通信環境整備準備会(事務局:農林水産省 地域整備課)から、以下のお知らせがありました。
──────────────────────────────
1.農林水産省からのお知らせ
情報通信環境の整備をご検討されている地区の皆様、個別地区支援へのご応募をぜひお待ちしております。
■個別地区支援の募集について【募集期間:令和8年5月18日(月)~6月19日(金)】
(関連ページ:https://nn-tsushin.jp/2026/04/28/3279/)
○募集期間:令和8年5月18日(月)~6月19日(金)
○農業農村情報通信環境整備準備会入会届 兼 個別地区支援申込書(Excelファイル)
リンク:https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/jouhoutsuushin/xls/jouhou_tsuushin100.xlsx
提出先:nntsushin_jyunbikai@maff.go.jp
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
2.準備会イベント情報
~今年度の準備会イベント予定について~
準備会では今年度も、地区での情報通信環境整備をサポートするためのさまざまなイベントを予定しております。
<予定イベント>
合同研修講習会(対面イベント)(3地区)
オンラインセミナー(計4回)
の開催を予定しております。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
3.サポート会員紹介
~第1回 フォーアイディールジャパン株式会社(東京都)~
フォーアイディールジャパン株式会社は、今年度「農業農村情報通信環境整備準備会」の共同運営者として、
会員の皆様と連携し、農業農村における情報通信環境整備の推進に取り組んでおります。
当社は、自治体・地域企業・スタートアップ・大学等、多様な主体をつなぐ共創支援を強みとしており、
地域課題解決や新たな価値創出に向けたプロジェクトの企画・運営を全国で実施しております。
準備会では、全国各地における情報通信環境整備の促進、また整備を通じたスマート農業の推進や
農業水利施設等の管理の省力化・高度化、地域課題解決につながる取り組みを支援するとともに、
会員同士の交流促進や先進事例の横展開、情報発信等を通じて、実践的なネットワーク形成に貢献してまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
▼メールマガジンで自社の紹介をご希望のサポート会員の皆様を募集します!!
サポート会員紹介コーナーでは
①入会の目的や準備会に期待すること
②連携希望地域・自治体
③会員に向けたおすすめの製品の紹介
を紹介いただけるサポート会員を募集しております。
掲載を希望される方は応募フォームより、事務局まで御連絡ください。
▼応募フォーム: https://forms.office.com/r/pk1sFCgd1y
ご応募後、事務局から詳細についてご連絡いたします。
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
4.事例紹介
【北海道岩見沢市】「積み上げたノウハウと通信規格のベストミックスにより地域一帯の水位監視体制を実現」
北海道岩見沢市では、農業水利施設の維持管理に係る負担が課題となっていましたが、LPWAなど複数の通信規格を
組み合わせることで、地域一帯の水位監視体制を構築し、農業用排水路の効率的な管理を実現しました。
地域課題や導入経緯、活用している通信技術、運用の工夫など、スマート農業・農業インフラ管理の参考となる先進事例です。
◇公開事例 資料版もぜひご参照ください。
https://nn-tsushin.jp/wp/wp-content/uploads/2026/02/nntsushin_jirei_260303-2.pdf
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
