山村振興法の改正・延長ー大幅な内容の充実が実現ー

平成27年3月31日に期限が到来する山村振興法の改正・延長の実現に向けて、全国山村振興連盟は要望活動等を行ってきたが、「山村振興法の一部を改正する法律案」が国会において3月31日に可決、成立し、3月31日に公布された。

Ⅰ 改正の内容

第一 目的規定の改正 (第一条関係)
山村の振興の目的として、山村の自立的発展を促進すること並びに地域間の交流の促進等による山村への移住の促進を含めた山村における定住の促進及び山村における人口の著しい減少の防止を図ることを追加すること。

第二 定義規定の改正 (第二条関係)
山村の定義中「産業の開発の程度が低く、かつ、住民の生活文化水準が劣っている」の文言を「産業基盤及び生活環境の整備等が他の地域に比較して十分に行われていない」に改めること。

第三 基本理念規定の新設 (第二条の二関係)
一 山村の振興は、山村の有する国土の保全、水源の涵(かん)養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等の多面にわたる機能が十分に発揮され、国民が将来にわたってそれらの恵沢を享受することができるよう、森林等の保全を図ることを旨として、行われなければならないこと。
二 山村の振興は、山村における産業基盤及び生活環境の整備等を図るとともに、地域の特性を生かした産業の育成による就業の機会の創出、住民の福祉の向上等を
通じた魅力ある地域社会の形成及び地域間交流の促進等による山村への移住の促進を含めた山村における定住の促進を図ることを旨として、行われなければならないこと。

第四 山村振興の目標及び山村振興基本方針に係る規定の改正(第三条及び第七条の二関係)
山村振興の目標及び山村振興基本方針におおむね定めるべき事項として、山村地域における情報化、地域間交流の促進、地域の特性を生かした農林水産物の加工業及び販売業の導入、地域資源の活用による特産物の生産の育成、再生可能エネルギーの利用の推進、木材の利用の推進、山村の振興に寄与する人材の育成及び確保、介護サービスの確保、高齢者の福祉その他の福祉の増進並びに教育環境の整備を追加すること。

第五 山村振興計画に係る規定の整備
一 山村振興計画の記載事項 (第八条第二項関係)
山村振興計画は、おおむね次に掲げる事項について定めるものとすること。

  1. 振興の基本方針
  2. 交通通信体系の整備、地域における情報化及び地域間交流の促進のための施策
    に関する事項
  3. 農業経営及び林業経営の近代化、観光の開発、地域の特性を生かした農林水産
    物の加工業及び農林水産物等販売業等の導入、地域資源の活用による特産物の生産の育成、再生可能エネルギーの利用の推進、木材の利用の促進、山村の振興に寄与する人材の育成及び確保等産業の振興のための施策に関する事項
  4. 医療の確保、介護サービスの確保、高齢者の福祉その他の福祉の増進、教育環
    境の整備、生活改善、労働条件の改善等のための施策に関する事項
  5. 施設の整備、農用地の造成及び集落の整備に関する事項

二 産業振興施策促進事項 (第八条第三項から第十三項まで関係)

  1. 山村振興計画には、一の3に掲げる事項に関し、当該振興山村の区域の特性に応じた農林水産業の振興、商工業の振興、観光の振興その他の産業の振興のための
    施策の促進に関する事項(以下「産業振興施策促進事項」という。)を記載することができること。
  2. 産業振興施策促進事項には、産業振興施策促進区域、地域資源を活用する製造
    業、農林水産物等販売業その他の当該産業振興施策促進区域において振興すべき業種、実施する事業の内容及び実施主体に関する事項並びに期間等を定めるものとすること。
  3. 産業振興施策促進事項には、森林資源活用型地域活性化事業又は補助金等交
    付財産活用事業に関する事項を記載することができること。
  4. 振興山村市町村は、山村振興計画に産業振興施策促進事項を記載しようとするときは、当該産業振興施策促進事項について、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、主務大臣に協議し、その同意を得なければならないこと。
  5. 1から4までのほか、山村振興計画に産業振興施策促進事項を記載する際の手続に関して所要の規定を設けること。

三 国等の援助 (第八条の二関係)
国及び都道府県は、振興山村市町村に対し、山村振興計画の作成に関し必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めるものとすること。

四 報告の徴収 (第八条の四関係)
主務大臣は、二の4の同意を得た産業振興施策促進事項が記載され、かつ、都道
府県の同意を得た山村振興計画に係る振興山村市町村(以下「特定振興山村市町
村」という。)に対し、産業振興施策促進事項の実施の状況について報告を求める
ことができること。

五 措置の要求 (第八条の五関係)

  1. 主務大臣等は、二の3の事業の適正な実施のため必要があると認めるときは、特定振興山村市町村に対し、当該事業の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができること。
  2. 主務大臣は、特定振興山村市町村の山村振興計画に記載された産業振興施策促進事項が二の4の同意の基準に適合しなくなったと認めるときは、当該特定振興山村市町村に対し、当該産業振興施策促進事項の変更その他の必要な措置を講ずることを求めることができること。

六 林業・木材産業改善資金助成法の特例 (第八条の六関係)
振興山村市町村が、森林資源活用型地域活性化事業に関する事項を記載した山村振興計画について、都道府県及び二の4の同意を得たときは、林業・木材産業改善資金助成法の林業・木材産業改善資金であって、当該森林資源活用型地域活性化事業
を実施しようとする者が当該森林資源活用型地域活性化事業を実施するのに必要な
ものの償還期間については、同法第五条第一項の規定にかかわらず、十二年を超え
ない範囲内で政令で定める期間とすること。

七 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の特例 (第八条の七関係)
振興山村市町村が、補助金等交付財産活用事業に関する事項を記載した山村振興計画について、都道府県及び二の4の同意を得たときは、都道府県の同意の日において、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十二条に規定する各省
各庁の長の承認を受けたものとみなすこと。

八 農地法等による処分についての配慮 (第八条の八関係)
国の行政機関の長又は地方公共団体の長は、特定振興山村市町村の山村振興計画に記載された産業振興施策促進区域内の土地を当該山村振興計画の産業振興施策促進事項に記載された事業の用に供するため農地法その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該産業振興施策促進区域における産業の振興に資するため、当該処分が迅速に行われるよう適切な配慮をするものとすること。

九 中小企業者に対する配慮 (第八条の九関係)
国及び地方公共団体は、特定振興山村市町村の山村振興計画に記載された産業振興施策促進区域において、中小企業者が当該山村振興計画の産業振興施策促進事項に基づいて事業活動を行う場合には、当該中小企業者に対して必要な情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう適切な配慮をするものとすること。

第六 産業の振興に係る取組を推進する事業に対する助成等 (第十条第二項関係)
国は、山村振興計画に基づく事業のうち、農林水産物等販売業の導入、地域資源の
活用による特産物の生産の育成、山村の振興に寄与する人材の育成及び確保等によ
る産業の振興に係る取組を推進する事業が効果的かつ安定的に実施されるよう、当該事業に主体的かつ積極的に取り組む振興山村市町村その他の者に対し、その実施に要する費用に対する助成その他の必要な措置を講ずるものとすること。

第七 配慮規定の追加
一 再生可能エネルギーの利用の推進 (第十八条の二関係)
国及び地方公共団体は、振興山村において、その自然的特性を生かしたエネルギー
を利用することが、その経済的社会的環境に応じたエネルギーの安定的かつ適切な
供給の確保及びエネルギーの供給に係る環境への負荷の低減を図る上で重要である
ことに鑑み、再生可能エネルギーの利用の推進について適切な配慮をするものとし、その利用の推進に当たっては、その利用が地域経済の発展に寄与することとなるよう適切な配慮をするものとすること。

二 介護給付等対象サービス等の確保等 (第十九条の二関係)
国及び地方公共団体は、振興山村における介護保険法第二十四条第二項に規定する介護給付等対象サービス及び老人福祉法に基づく福祉サービスの確保及び充実を図るため、介護給付等対象サービス等に従事する者の確保、介護施設の整備及び提供される介護給付等対象サービス等の内容の充実について適切な配慮をするものとすること。

三 教育環境の整備  (第二十一条の四関係)

  1. 国及び地方公共団体は、振興山村に居住する子どもの就学に係る負担の軽減に
    資するよう、通学に対する支援を行う等山村における教育環境の整備について適切な配慮をするものとすること。
  2. 国及び地方公共団体は、子どもの心身の健やかな成長に資するため、振興山村
    の区域外に居住する子どもが、豊かな自然環境や伝統文化等を有する山村の特性
    を生かした教育を受けられるよう、適切な配慮をするものとすること。

第八 期限の延長 (附則第二項関係)
山村振興法の有効期限を十年間(平成三十七年三月三十一日まで)延長すること。

第九 その他
一 施行期日
 (附則第一条関係)
この法律は、平成二十七年四月一日から施行すること。ただし、第八及びこれに
伴う規定の整備は、公布の日から施行すること。

二 所要の規定の整備
その他所要の規定の整備を行うこと。

Ⅱ 山村振興法改正までの経過

1.全国山村振興連盟における取組み

  • 平成25年7月4日(木) 「全国山村振興連盟副会長会議」
    副会長を構成員とする「山村振興法改正問題検討会」の設置を決定。
    「第1回山村振興法改正問題検討会」
  • 平成25年7月5日(金) 「平成25年度第1回理事会」
    山村振興法改正問題検討会の設置及び今後の段取りについて報告。
  • 平成25年9月
    「山村振興法改正に関するアンケート調査」を都道府県、市町村を対象に実施。
  • 平成25年10月23日(水) 「第2回山村振興法改正問題検討会」
  • 平成25年10月24日(木) 「平成25年度第2回理事会」
    総会に付議する「山村振興法の改正に関する特別要望書」を決定。
  • 平成25年11月15日(金)
    「自由民主党山村振興特別委員会(坂本剛二委員長)」に出席。
  • 平成25年11月21日(木)
    「自由民主党山村振興特別委員会(坂本剛二委員長)」に出席(副会長7人)し、
    山村振興法の改正及び内容の充実について要望を行い、質疑・意見交換。
  • 平成25年11月21日(木) 「平成25年度通常総会」
    「山村振興法の改正に関する特別要望書」を決定。
    関係省庁、国会議員に要請(支部を含めて行動)。
  • 平成26年2月20日(木) 「第3回山村振興法改正問題検討会」
  • 平成26年2月21日(金)
    「自由民主党山村振興特別委員会」に出席(副会長7人)し、山村振興法の改正及び内容の充実について要望を行い、質疑・意見交換。
  • 平成26年5月
    「山村振興法改正に関するアンケート調査」結果の概要を山村振興情報1022号
    (5月1日)に掲載。
  • 平成26年7月3日(木) 「第4回山村振興法改正問題検討会」
    「山村振興法改正問題検討会報告書」をとりまとめ。
  • 平成26年7月4日(金)「平成26年度第1回理事会」
    「山村振興法改正問題検討会報告書」を報告。
    「山村振興法の改正に関する特別要望書」を決定。関係省庁、国会議員に要請(副会長中心)
  • 平成26年10月22日(水) 「第5回山村振興法改正問題検討会」
    「山村振興法の延長及び内容に充実に関する要望書」をとりまとめ。
  • 平成26年10月23日(木)
    「自由民主党山村振興特別委員会(金子恭之委員長)」に出席(副会長7人)し、
    「山村振興法の延長及び内容の充実に関する要望書」を提出。
  • 平成26年10月23日(木) 「平成26年度第2回理事会」
    総会に付議する「山村振興法改正に関する特別要望書」を決定。
  • 平成26年11月20日(木)
    「自由民主党山村振興特別委員会」に出席(副会長7人)。
  • 平成26年11月20日(木)
    「山村振興法改正・延長実現総決起大会」
    「山村振興法の期限延長とその内容の充実に関する決議」を採択
    「平成26年度通常総会」
    「山村振興法改正に関する特別要望書」を決定、関係省庁、国会議員に要請(支部を含めて行動)
  • 平成27年1月9日(金)、1月22日(木)、23日(金)、1月30日(金)、2月4日(水)、2月18日(水)「自由民主党山村振興特別委員会」に出席(委員会、現地調査、合同部会)。

2.自由民主党山村振興特別委員会における取組み

  • 平成25年11月15日(金)
    新たに坂本剛二委員長が就任。山村振興法改正に向けての手順等に就いて質疑。
  • 平成25年11月21日(木)
    全国山村振興連盟からの意見聴取及び意見交換。
  • 平成26年2月21日(金)
    全国山村振興連盟からの意見聴取及び意見交換。
  • 平成26年10月23日(木)
    新たに金子恭之委員長が就任。全国山村振興連盟からの意見聴取及び意見交換。
  • 平成26年11月20日(木)
    「山村振興法の延長・改正に向けた主な意見要望について」を下に意見交換。
  • 平成27年1月9日(金)
    「山村振興法改正事項(案)」を了承。
  • 平成27年1月22日(木)、23日(金)
    熊本県、鹿児島県下を現地調査。
  • 平成27年1月30日(金)
    「山村振興法改正大綱(案)」を了承。
  • 平成27年2月4日(水)
    「山村振興特別委員会・農林水産戦略調査会・農林部会合同会議」
    「山村振興法改正大綱(案)」を了承。
  • 平成27年2月18日(水)
    「山村振興特別委員会・農林水産戦略調査会・農林部会合同会議」
    「山村振興法の一部を改正する法律案」を了承。
    その後、2月24日(火)の政調審議会及び総務会において了承。
    同日、与党政策責任者会議において了承。
    これに先立ち、公明党においては、2月12日(木)の山村振興対策PTで「山村振興法改正大綱」を了承」、2月19日(木)の農林水産部会との合同部会で「山村振興法の一部を改正する法律案」を了承。

3.国土審議会山村振興対策分科会での審議

  • 平成27年2月9日(月)
    「山村振興対策の推進について」をとりまとめ、関係大臣に意見具申

4.国会における審議経過

  • 平成27年3月19日(木)
    「(衆)農林水産委員会」
    「山村振興法の一部を改正する法律案」を委員長提案で可決。
    (3月11日(火)の民主党農林水産部門会議で、「山村振興法改正案」を了承。)
  • 平成27年3月24日(火)
    「(衆)本会議」
    「山村振興法の一部を改正する法律案」を可決。
  • 平成27年3月31日(火)
    「(参)農林水産委員会」
    「山村振興法の一部を改正する法律案」を可決。付帯決議。
    「(参)本会議」
    「山村振興法の一部を改正する法律案」を可決。成立。
  • 平成27年3月31日
    「山村振興法の一部を改正する法律」を公布。

Ⅲ 改正後の山村振興法

山村振興法(昭和四十年法律第六十四号)

(目的)
第一条 この法律は、国土の保全、水源の涵(かん)養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等に重要な役割を担っている山村の産業基盤及び生活環境の整備等の状況に鑑み、山村の振興に関し、基本理念を定め、その目標を明らかにするとともに、山村振興に関する計画の作成及びこれに基づく事業の円滑な実施に関し必要な措置を講ずることにより、山村の自立的発展を促進し、山村における経済力の培養住民の福祉の向上並びに地域間の交流の促進等による山村への移住の促進を含めた山村における定住の促進及び山村における人口の著しい減少の防止を図り、併せて地域格差の是正と国民経済の発展に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「山村」とは、林野面積の占める比率が高く、交通条件及び経済的、文化的諸条件に恵まれず、産業基盤及び生活環境の整備等が他の地域に比較して十分に行われていない山間地その他の地域で政令で定める要件に該当するものをいう。

(基本理念)
第二条の二 山村の振興は、山村の有する国土の保全、水源の涵養、自然環境の保
全、良好な景観の形成、文化の伝承等の多面にわたる機能が十分に発揮され、国民
が将来にわたってそれらの恵沢を享受することができるよう、森林等の保全を図ることを旨として、行われなければならない。

2 山村の振興は、山村における産業基盤及び生活環境の整備等を図るとともに、地域の特性を生かした産業の育成による就業の機会の創出、住民の福祉の向上等を通じた魅力ある地域社会の形成及び地域間交流の促進等による山村への移住の促進を含めた山村における定住の促進を図ることを旨として、行われなければならない。

(山村振興の目標)
第三条 山村の振興は、前条の基本理念(次条及び第五条において「基本理念」という。)にのっとり次に掲げる目標に従って推進されなければならない。

一  道路その他の交通施設、通信施設等の整備を図ることにより、山村とその他の地域及び山村内の交通通信連絡を確保するとともに、山村地域における情報化を図
り、及び地域間交流を促進すること。

二  農道、林道、牧道等の整備、農用地の造成、電力施設の整備等を図ることにより、土地、森林、水等の未利用資源を開発すること。

三  農業経営及び林業経営の近代化、観光の開発、地域の特性を生かした農林水産
物の加工業及び販売業等の導入、地域資源の活用による特産物の生産の育成、再生可能エネルギーの利用の推進、木材の利用の促進、山村の振興に寄与する人材の育成及び確保等を図ることにより、産業を振興し、併せて安定的な雇用を増大すること。

四  砂防設備、保安林、地すべり防止施設その他の国土保全施設の整備等を図ることにより、水害、風害、雪害、林野火災等の災害を防除すること。

五 学校、診療所、公民館等の教育、厚生及び文化に関する施設の整備、医療の確
保、介護サービスの確保、高齢者の福祉その他の福祉の増進、教育環境の整備、集落の整備、生活改善、労働条件の改善等を図ることにより、住民の福祉を向上させること。

(国の施策)
第四条 国は、基本理念にのっとり、前条の目標を達成するため、山村の振興のために必要な事業の実施に関し、国の負担又は補助に係る事業に対する負担又は補助についての条件の改善、地方公共団体の財源の確保、資金の融通の適正円滑化その他財政金融上の措置を講ずるよう配慮するとともに、国有林野の積極的活用その他適切な施策の確立及び拡充に努めなければならない。

(地方公共団体の施策)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、第三条の目標を達成するため、その地域の特性に応じて、山村の振興のために必要な事業が円滑に実施されるように努めなければならない。

(調査)
第六条 政府は、振興山村の指定及び振興山村の振興に関する基本的な指針の勧告のため必要な調査を行わなければならない。

2 前項の調査は、予算の範囲内において、振興の緊要度が高いと認められる山村から順次行うものとする。

(振興山村の指定)
第七条 主務大臣は、都道府県知事の申請に基づき、関係行政機関の長に協議し、かつ、国土審議会の意見を聴いて、山村振興に関する計画を作成しこれに基づいてその振興を図ることが必要かつ適当である山村を振興山村として指定することができる。

2 都道府県知事は、振興山村の指定を受けようとするときは、当該山村の区域を管轄する市町村長に協議し、政令で定めるところにより、主務大臣に申請書を提出しなければならない。

3 第一項の規定による振興山村の指定は、前条第一項の規定により行う調査の結果に基づいてしなければならない。

4 主務大臣は、第一項の規定により振興山村の指定をするときは、その旨及び当該振興山村の区域を官報で公示しなければならない。

(山村振興基本方針)
第七条の二  都道府県は、当該都道府県における振興山村の振興に関する基本方針(以下「山村振興基本方針」という。)を定めることができる。

2 山村振興基本方針は、おおむね次に掲げる事項について定めるものとする。

一  振興山村の振興の意義及び方向に関する事項

二  交通通信体系の整備、山村における情報化及び地域間交流の促進のための施策
に関する基本的な事項

三  農業経営及び林業経営の近代化、観光の開発、地域の特性を生かした農林水産
物の加工業及び販売業等の導入、地域資源の活用による特産物の生産の育成、再
生可能エネルギーの利用の推進、木材の利用の促進、山村の振興に寄与する人材
の育成及び確保等産業の振興のための施策に関する基本的な事項

四  医療の確保、介護サービスの確保、高齢者の福祉その他の福祉の増進、教育環
境の整備、生活改善、労働条件の改善等のための施策に関する基本的な事項

五  施設の整備、農用地の造成及び集落の整備に関する基本的な事項

3 山村振興基本方針は、国土形成計画法(昭和二十五年法律第二百五号)の規定
による国土形成計画その他法令の規定による地域振興に関する計画との調和につい
て適切な考慮が払われたものでなければならない。

4 都道府県は、山村振興基本方針を作成するに当たっては、振興山村を広域的な経済社会生活圏の整備の体系に組み入れるよう配慮しなければならない。

5 都道府県は、山村振興基本方針を定めたときは、直ちに、主務大臣にこれを提出しなければならない。

6 主務大臣は、前項の規定により山村振興基本方針の提出があつた場合において
は、直ちに、その内容を関係行政機関の長に通知しなければならない。

7 前二項の規定は、山村振興基本方針の変更について準用する。

(山村振興計画)
第八条 第七条第一項の規定により振興山村の指定があつたときは、当該振興山村の区域を管轄する市町村(以下「振興山村市町村」という。)は、山村振興基本方針に基づき、当該振興山村に係る山村振興に関する計画(以下「山村振興計画」という。)を作成することができる。この場合においては、あらかじめ、都道府県に協議し、その同意を得なければならない。

2 山村振興計画は、おおむね次に掲げる事項について定めるものとする。

一 振興の基本方針

二 交通通信体系の整備、地域における情報化及び地域間交流の促進のための施
策に関する事項

三 農業経営及び林業経営の近代化、観光の開発、地域の特性を生かした農林水
産物の加工業及び農林水産物等販売業(振興山村において生産された農林水産
物又は当該農林水産物を原料若しくは材料として製造、加工若しくは調理をしたも
のを店舗において主に他の地域の者に販売することを目的とする事業をいう。以下
同じ。)等の導入、地域資源の活用による特産物の生産の育成、再生可能エネル
ギーの利用の推進、木材の利用の促進、山村の振興に寄与する人材の育成及び
確保等産業の振興のための施策に関する事項

四 医療の確保、介護サービスの確保、高齢者の福祉その他の福祉の増進、教育
環境の整備、生活改善、労働条件の改善等のための施策に関する事項

五 施設の整備、農用地の造成及び集落の整備に関する事項

3 山村振興計画には、前項第三号に掲げる事項に関し、当該振興山村の区域の特
性に応じた農林水産業の振興、商工業の振興、観光の振興その他の産業の振興のための施策の促進に関する事項(以下「産業振興施策促進事項」という。)を記載することができる。

4 産業振興施策促進事項は、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 産業の振興のための施策を促進する区域(以下「産業振興施策促進区域」とい
う。)

二 地域資源を活用する製造業(振興山村において生産されたものを原料又は材料
とする製造又は加工の事業をいう。第十四条において同じ。)、農林水産物等販売
業その他の当該産業振興施策促進区域において振興すべき業種

三 前号の業種の振興を促進するために行う事業の内容及び実施主体に関する事項

四 産業の振興のための施策の促進に係る期間

5 前項各号に掲げるもののほか、山村振興計画に産業振興施策促進事項を記載す
る場合には、次に掲げる事項を記載するよう努めるものとする。

一 産業振興施策促進事項の目標

二 その他主務省令で定める事項

6 第四項第三号に掲げる事項には、次に掲げる事項を記載することができる。

一 森林資源活用型地域活性化事業(産業振興施策促進区域において、林業者若しくは木材製造業を営む者(林業若しくは木材製造業を営もうとする者又は林業若しくは木材製造業を営む法人を設立しようとする者を含む。)又はこれらの者の組織する団体が、未利用又は利用の程度の低い森林資源を活用することにより、産業振興施策促進区域における産業の振興を図る事業をいう。以下この条及び第八条の六において同じ。)に関する事項

二 補助金等交付財産活用事業(補助金等交付財産(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第二十二条に規定する財産をいう。)を当該補助金等交付財産に充てられた補助金等(同法第二条第一項に規定する補助金等をいう。)の交付の目的以外の目的に使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供することにより行う事業をいう。第八条の七において同じ。)に関する事項

7 振興山村市町村は、山村振興計画に産業振興施策促進事項を記載しようとするときは、当該産業振興施策促進事項について、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、主務大臣に協議し、その同意を得なければならない。

8 振興山村市町村は、山村振興計画に産業振興施策促進事項として第四項第三号
に掲げる事項を記載しようとするときは、あらかじめ、同号の実施主体として定めようとする者の同意を得なければならない。

9 次に掲げる者は、振興山村市町村に対して、第一項の同意を得た当該振興山村
市町村の山村振興計画に産業振興施策促進事項を記載することを提案することができる。この場合においては、当該山村振興計画に即して、当該提案に係る産業振興施策促進事項の素案を作成して、これを提示しなければならない。

一 当該提案に係る産業振興施策促進事項として記載しようとする第四項第三号に
規定する事業を実施しようとする者

二 前号に掲げる者のほか、同号の産業振興施策促進事項に関し密接な関係を有
する者

10 前項の規定による提案を受けた振興山村市町村は、当該提案に基づき山村振興
計画に産業振興施策促進事項を記載するか否かについて、遅滞なく、当該提案をし
た者に通知しなければならない。この場合において、産業振興施策促進事項を記載
しないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。

11 主務大臣は、第七項の規定による協議があつた場合において、産業振興施策促
進事項が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、同項の同意をするものとす
る。

一 山村振興基本方針に適合するものであること。

二 産業振興施策促進事項の実施が産業振興施策促進区域における産業の振興
及び雇用機会の拡充に相当程度寄与するものであると認められること。

三 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

四 森林資源活用型地域活性化事業に関する事項を記載した産業振興施策促進事
項については、当該森林資源活用型地域活性化事業を実施しようとする者の当該
森林資源活用型地域活性化事業に係る次に掲げる事項が記載されており、かつ、
その事項が当該森林資源活用型地域活性化事業を確実に遂行するため適切なも
のであると認められること。
イ 森林資源活用型地域活性化事業の目標
ロ 森林資源活用型地域活性化事業の内容及び実施期間
ハ 森林資源活用型地域活性化事業の用に供する施設を整備しようとする場合に
あっては、当該施設の種類及び規模
ニ 森林資源活用型地域活性化事業を実施するために必要な資金の額及びその
調達方法

12 主務大臣は、山村振興計画に産業振興施策促進事項として第六項各号に掲げる
事項が記載されている場合において、第七項の同意をしようとするときは、当該事項に係る関係行政機関の長の同意を得なければならない。

13 主務大臣は、産業振興施策促進事項について第七項の同意をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

14  振興山村市町村は、山村振興計画を定めたときは、直ちに、主務大臣にこれを
提出しなければならない。

15  主務大臣は、前項の規定により山村振興計画の提出があつた場合においては、
直ちに、その内容を関係行政機関の長に通知しなければならない。この場合におい
て、関係行政機関の長は、当該山村振興計画(産業振興施策促進事項に係る部分
を除く。)についてその意見を主務大臣に申し出ることができる。

(国等の援助)
第八条の二 国及び都道府県は、振興山村市町村に対し、山村振興計画の作成に関し必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めるものとする。

(山村振興計画の変更)
第八条の三 振興山村市町村は、第八条第一項の同意を得た山村振興計画の変更
(主務省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、都道府県に協議し、その同意を得なければならない。

2 第八条第十四項及び第十五項の規定は、前項の山村振興計画の変更について準
用する。

3 第一項の場合において、当該変更が第八条第七項の同意を得た産業振興施策促進事項の変更(主務省令で定める軽微な変更を除く。)を含むものであるときは、振興山村市町村は、当該産業振興施策促進事項の変更について、あらかじめ、主務大臣に協議し、その同意を得なければならない。

4 第八条第八項から第十三項までの規定は、前項の産業振興施策促進事項の変更について準用する。

(報告の徴収)
第八条の四 主務大臣は、第八条第七項の同意を得た産業振興施策促進事項が記載され、かつ、同条第一項の同意を得た山村振興計画に係る振興山村市町村(以下「特定振興山村市町村」という。)に対し、産業振興施策促進事項(産業振興施策促進事項の変更があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)の実施の状況について報告を求めることができる。

2 第八条第十二項に規定する関係行政機関の長は、特定振興山村市町村の山村振
興計画に同条第六項各号に掲げる事項が記載されている場合には、当該特定振興山
村市町村に対し、同項各号に規定する事業の実施の状況について報告を求めることができる。

(措置の要求)
第八条の五 主務大臣又は第八条第十二項に規定する関係行政機関の長は、特定振
興山村市町村の山村振興計画に同条第六項各号に掲げる事項が記載されている場合
において、同項各号に規定する事業の適正な実施のため必要があると認めるときは、当該特定振興山村市町村に対し、当該事業の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。

2 主務大臣は、特定振興山村市町村の山村振興計画に記載された産業振興施策促
進事項が第八条第十一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該特定振興山村市町村に対し、当該産業振興施策促進事項の変更その他の必要な措置を講ずることを求めることができる。

(林業・木材産業改善資金助成法の特例)
第八条の六 振興山村市町村が、第八条第四項第三号に掲げる事項に森林資源活用
型地域活性化事業に関する事項を記載した山村振興計画について、同条第一項及び
第七項の同意(第八条の三第一項及び第三項の変更の同意を含む。次条において同
じ。)を 得たときは、林業・木材産業改善資金助成法(昭和五十一年法律第四十二号)

第二条第一項の林業・木材産業改善資金であって、当該森林資源活用型地域活性化
事業を実施しようとする者が当該森林資源活用型地域活性化事業を実施するのに必要なものの償還期間(据置期間を含む。)については、同法第五条第一項の規定にかかわらず、十二年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。

2 前項に規定する資金の据置期間は、林業・木材産業改善資金助成法第五条第二項の規定にかかわらず、五年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の特例)

第八条の七 振興山村市町村が、第八条第四項第三号に掲げる事項に補助金等交付
財産活用事業に関する事項を記載した山村振興計画について、同条第一項及び第七
項の同意を得たときは、同条第一項の同意の日(補助金等交付財産活用事業に関する事項の 変更を含む山村振興計画の変更の場合にあっては、第八条の三第一項の変更の同意の日)において、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第十二条に規定する各省各庁の長の承認を受けたものとみなす。

(農地法等による処分についての配慮)
第八条の八 国の行政機関の長又は地方公共団体の長は、特定振興山村市町村の山
村振興計画に記載された産業振興施策促進区域内の土地を当該山村振興計画の産業
振興施策促進事項に記載された事業の用に供するため農地法(昭和二十七年法律第
二百二十 九号)その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該産業振興施策促進区域における産業の振興に資するため、当該処分が迅速に行われるよう適切な配慮をするものとする。

(中小企業者に対する配慮)
第八条の九 国及び地方公共団体は、特定振興山村市町村の山村振興計画に記載された産業振興施策促進区域において、中小企業者(中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号)第二条第一項に規定する中小企業者をいう。)が当該山村振興計画の産業振興施策促進事項に基づいて事業活動を行う場合には、当該中小企業者に対して必要な情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう適切な配慮をするものとする。

(山村振興指針の勧告)
第九条  主務大臣は、山村振興基本方針の作成に関し必要があると認めるときは、関係行政機関の長に協議し、第三条の目標を達成するための当該都道府県における振興山村の振興に関する基本的な指針を定め、これを都道府県に勧告することができる。

2  第七条第三項の規定は、前項の基本的な指針の勧告について準用する。

(山村振興計画に基づく事業の助成等)
第十条  国は、山村振興計画に基づく事業が円滑に実施されるように、関係地方公共団体の財政事情等につき配慮して、助成その他必要な措置を講じなければならない。

2 国は、山村振興計画に基づく事業のうち、農林水産物等販売業の導入、地域資源の活用による特産物の生産の育成、山村の振興に寄与する人材の育成及び確保等による産業の振興に係る取組を推進する事業が効果的かつ安定的に実施されるよう、当該事業に主体的かつ積極的に取り組む振興山村市町村その他の者に対し、その実施に要する費用に対する助成その他の必要な措置を講ずるものとする。

3  国は、振興山村のうち自然的、経済的、社会的諸条件に特に恵まれず、かつ、産業基盤及び生活環境の整備の程度が著しく低いため振興の緊要度が高い振興山村に係る山村振興計画に基づく事業であって当該振興山村の振興のために特に重要と認められるものについては、その円滑な実施が促進されるよう配慮するものとする。

(地方債についての配慮)
第十条の二  地方公共団体が山村振興計画に基づいて行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。

(基幹道路の整備)
第十一条  振興山村における基幹的な市町村道並びに市町村が管理する基幹的な農
道、林道及び漁港関連道(振興山村とその他の地域を連絡する基幹的な市町村道並びに市町村が管理する基幹的な農道、林道及び漁港関連道を含む。)で政令で定める関係行政機関の長がその整備を図ることが特に緊要であると認めて指定するもの(以下この条において「基幹道路」という。)の新設及び改築については、他の法令の規定にかかわらず、山村振興基本方針及び山村振興計画に基づいて、都道府県が行うことができる。

2 都道府県は、前項の規定により市町村道の新設又は改築を行う場合においては、政令で定めるところにより、当該市町村道の道路管理者(道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)第十八条第一項 に規定する道路管理者をいう。)に代わつてその権限を行うものとする。
3 第一項の規定により都道府県が行う基幹道路の新設及び改築に係る事業(以下この条において「基幹道路整備事業」という。)に要する経費については、当該都道府県が負担する。

4 基幹道路整備事業に要する経費に係る国の負担又は補助については、基幹道路を都道府県道又は都道府県が管理する農道、林道若しくは漁港関連道とみなす。

5 第三項の規定により基幹道路整備事業に要する経費を負担する都道府県が後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律 (昭和三十六年法律第百十二号。以下この条において「負担特例法」という。)第二条第一項 に規定する適用団体である場合においては、基幹道路整備事業(北海道及び奄美群島の区域における基幹道路整備事業で当該事業に係る経費に対する国の負担又は補助の割合(以下この条において「国の負担割合」という。)がこれらの区域以外の区域における当該事業に相当する事業に係る経費に対する通常の国の負担割合と異なるものを除く。)を同条第二項に規定する開発指定事業とみなして、負担特例法 の規定を適用する。

6 北海道及び奄美群島の区域における基幹道路整備事業で当該事業に係る経費に
対する国の負担割合がこれらの区域以外の区域における当該事業に相当する事業に
係る経費に対する通常の国の負担割合と異なるものについては、第三項の規定により当該基幹道路整備事業に要する経費を負担する道県が負担特例法第二条第一項に
規定する適用団体である場合においては、国は、第一号に掲げる国の負担割合が第二号に掲げる国の負担割合を超えるものにあつては第一号に掲げる国の負担割合により算定した額に相当する額を、第一号に掲げる国の負担割合が第二号に掲げる国の負担割合を超えないものにあつては第二号に掲げる国の負担割合により算定した額に相当する額を負担し、又は補助するものとする。

一 北海道及び奄美群島の区域以外の区域における当該基幹道路整備事業に相当す
る事業に係る経費に対する通常の国の負担割合をこれらの区域における当該基幹道
路整備事業に係る経費に対する国の負担割合として負担特例法第三条第一項 及び

第二項 の規定により算定した国の負担割合

二 北海道及び奄美群島の区域における当該基幹道路整備事業に係る経費に対する
国の負担割合

第十二条  削除

(課税の特例)
第十三条  国は、租税特別措置法 (昭和三十二年法律第二十六号)の定めるところにより、山村の振興に必要な措置を講ずるものとする。

(地方税の不均一課税に伴う措置)
第十四条 地方税法 (昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項 の規定に
より、総務省令で定める地方公共団体が、特定振興山村市町村の山村振興計画に記
載された産業振興施策促進区域内において当該山村振興計画に定められた地域資源
を活用する製造業又は農林水産物等販売業の用に供する施設又は設備を新設し、又
は増設した者について、その事業に係る建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税又はその事業に係る機械及び装置若しくはその事業に係る建物若しくはその敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条 の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条 の規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあつては、これらの措置がなされた最初の年度以降三箇年度におけるものに限る。)のうち総務省令で定めるところにより算定した額を同条 の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が総務省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。

第十五条及び第十六条  削除

(株式会社日本政策金融公庫からの資金の貸付け)
第十七条  株式会社日本政策金融公庫は、振興山村において農業(畜産業を含む。)、林業若しくは漁業を営む者又はこれらの者の組織する法人に対し、その者又はその法人が農林水産省令で定めるところにより作成した農林漁業の経営改善又は振興のための計画であって農林水産省令で定める基準に適合する旨の都道府県知事の認定を受けたものを実施するために必要な資金の貸付けを行うものとする

(情報の流通の円滑化及び通信体系の充実)
第十八条 国及び地方公共団体は、振興山村における住民の生活の利便性の向上、産業の振興、都市等との地域間交流の促進等を図るため、情報の流通の円滑化及び高度情報通信ネットワークその他の通信体系の充実について適切な配慮をするものとする。

(再生可能エネルギーの利用の推進)
第十八条の二 国及び地方公共団体は、振興山村において、その自然的特性を生かしたエネルギーを利用することが、その経済的社会的環境に応じたエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保及びエネルギーの供給に係る環境への負荷の低減を図る上で重要であることに鑑み、再生可能エネルギーの利用の推進について適切な配慮をするものとする。

2 国及び地方公共団体は、前項の再生可能エネルギーの利用の推進に当たつては、その利用が地域経済の発展に寄与することとなるよう適切な配慮をするものとする。

(医療の確保)
第十九条  国及び地方公共団体は、振興山村における医療を確保するため、無医地区に関し、診療所の設置、定期的な巡回診療、保健師の配置、医療機関の協力体制(救急医療用の機器を装備したヘリコプター等により患者を輸送し、かつ、患者の輸送中に医療を行う体制を含む。)の整備等の事業が実施されるよう努めなければならない。

(介護給付等対象サービス等の確保等)
第十九条の二 国及び地方公共団体は、振興山村における介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第二十四条第二項に規定する介護給付等対象サービス及び老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)に基づく福祉サービス(以下この条において「介護給付等対象サービス等」という。)の確保及び充実を図るため、介護給付等対象サービス等に従事する者の確保、介護施設の整備及び提供される介護給付等対象サービス等の内容の充実について適切な配慮をするものとする。

(高齢者の居住用施設の整備等)
第二十条  国及び地方公共団体は、振興山村における高齢者の福祉の増進を図るた
め、高齢者の居住の用に供するための施設の整備等及び高齢者がその能力を発揮す
るための就業の機会の確保等について適切な配慮をするものとする。

(地域文化の振興等)
第二十一条  国及び地方公共団体は、山村において伝承されてきた演劇、音楽、工芸技術その他の文化的所産の保存及び活用について適切な措置が講ぜられるよう努めるとともに、山村における文化の振興について適切な配慮をするものとする。

(都市と山村の交流等)
第二十一条の二  国及び地方公共団体は、山村における森林及び農林水産業に対す
る国民の理解と関心が深まるよう努めるとともに、健康的でゆとりのある生活に資するため、都市と山村との間の交流の促進、公衆の保健又は教育のための森林の利用の促進等について適切な配慮をするものとする。

(鳥獣被害の防止)
第二十一条の三  国及び地方公共団体は、振興山村における生活環境の保全、農林
水産業の振興等を図るため、鳥獣による被害の防止について適切な配慮をするものとす。

(教育環境の整備)
第二十一条の四  国及び地方公共団体は、振興山村に居住する子どもの就学に係る
負担の軽減に資するよう、通学に対する支援を行う等山村における教育環境の整備について適切な配慮をするものとする。

2 国及び地方公共団体は、子どもの心身の健やかな成長に資するため、振興山村の区域外に居住する子どもが、豊かな自然環境や伝統文化等を有する山村の特性を生かした教育を受けられるよう、適切な配慮をするものとする。

(国土審議会の調査審議等)
第二十二条  国土審議会は、主務大臣又は主務大臣以外の関係各大臣の諮問に応
じ、この法律の施行に関する重要事項を調査審議する。

2  国土審議会は、前項に規定する事項に関し国土交通大臣、総務大臣若しくは農林水産大臣又はこれらの大臣以外の関係各大臣に意見を述べることができる。

(主務大臣等)
第二十三条  この法律における主務大臣は、国土交通大臣、総務大臣及び農林水産大臣とする。

2  この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。

附 則 (抄)

1  この法律は、公布の日から施行する。

2  この法律は、平成三十七年三月三十一日限りその効力を失う。

附 則

(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十七年四月一日から施行する。ただし、附則第二項の改正規定並びに附則第三条及び第四条の規定は、公布の日から施行する。