第1056号(平成31年2月15日発行)
1.予算編成経過
平成30年7月10日に「平成31年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」が閣議了解され、これを踏まえて8月末日までに関係省庁から財務省に対し平成31年度予算概算要求が行われ、その後の折衝を経て、平成31年度予算政府案は、平成30年12月21日に閣議決定された。
平成31年度の政府予算案の歳出は、次のとおりとなっている。
国債費 23兆5,082億円(前年度比 2,062億円増)
一般歳出 61兆9,639億円(前年度比 3兆 680億円増)
地方交付税交付金等 15兆9,850億円(前年度比 4,701億円増)
合計 101兆4,571億円(前年度比 3兆7,443億円増)
また、平成31年度の地方財政計画の規模は、総額89兆2,500億円程度(前年度比2兆3,600億円程度増)、地方交付税は16兆1,809億円(前年度比1,724億円増)となっている。
平成31年度税制改正については、平成30年12月14日に「平成31年度税制改正大綱(自由民主党・公明党)」が決定され、12月21日に「平成31年度税制改正の大綱」が閣議決定された。
2.全国山村振興連盟の取組
全国山村振興連盟としては、平成31年度の予算編成及び税制改正に向けて、7月の理事会及び11月の通常総会の際に要望事項を決定し、国会及び関係省庁に対し要望活動を行った。
【平成31年度山村振興関係各省庁予算概算決定の概要】
注1. 詳細は別表のとおり。
注2. 予算額は、振興山村分として明確な区分ができないため、
全国分が一括計上されている。
【農林水産省(非公共)】
-
- 山村活性化支援交付金 7.84億円(100.6%)
- 中山間地域農業ルネッサンス事業 440億円(110.0%)
- 多面的機能支払交付金 487億円(100.5%)
- 中山間地域等直接支払交付金 263億円(100.0%)
- 農山漁村振興交付金 98億円 ( 97.4%)
- 鳥獣被害防止総合対策交付金 102億円 ( 98.8%)
- 農地耕作条件改善事業 300億円(100.4%)
- 強い農業・担い手づくり総合支援交付金のうち産地基幹施設等支援タイプ 230億円の内数
- 食料産業・6次産業化交付金のうち加工・直売施設整備 14億円の内数
- 1野菜価格安定対策事業のうち特定野菜等供給産地育成価格差補給事業 157億円の内数( 94.6%)
- 農業次世代人材投資事業 155億円( 88.2%)
- 農の雇用事業 50億円( 98.0%)
- 中山間地域活性化資金 ( 124億円)( 86.7%)
- 振興山村・過疎地域経営改善資金 ( 1.5億円)( 50.0%)
【農林水産省(公共)】
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- 農業農村整備事業 3,260億円(101.5%)
- 農山漁村地域整備交付金 927億円(101.2%)
【水産庁(非公共)】
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- 浜の活力再生交付金のうち水産業強化支援事業 52億円
【水産庁(公共)】
-
- 水産基盤整備事業 710億円(101.5%)
- 農山漁村地域整備交付金(再掲) 927億円(101.2%)
【林野庁(非公共)】
-
- 林業成長産業化総合対策
うち、林業・木材産業成長産業化促進対策 89億円( 72.3%)
うち、スマート林業構築推進事業 2.2億円( 95.0%)
うち、現場技能者キャリアアップ・林業労働安全対策 4億円 ( 99.1%) - 森林・山村多面的機能発揮対策 14億円( 88.3%)
- 「緑の人づくり」総合支援対策 47億円 ( 96.0%)
- シカによる森林被害緊急対策事業 1.4億円(86.1%)
- 山村活性化支援交付金(再掲) 7.84億円(100.6%)
- 林業成長産業化総合対策
【林野庁(公共)】
-
- 森林整備事業 1,221億円(101.5%)
- 治山事業 606億円(101.5%)
- 農山漁村地域整備交付金(再掲) 927億円(101.2%)
【総務省】
-
- 辺地対策事業債 510億円(105.2%)
- 過疎対策事業債 4,700億円(102.2%)
- 携帯電話等エリア整備事業 32億円 ( 94.2%)
- 高度無線環境整備推進事業 52億円
- ケーブルテレビ事業者の光ケーブル化に関する緊急対策事業(新規) 43億円
- 放送ネットワーク整備支援事業 3.7億円(113.1%)
- 公衆無線LAN環境整備支援事業 12億円(82.2%)
- 地域IoT実装総合支援 4.8億円 ( 81.9%)
- 地域おこし協力隊の推進 1.5億円 (110.9%)
【国土交通省】
1.道路事業 1兆7,858億(107.1%)※ ※※
2.治水事業等 1兆 556億円(131.0%)※ ※※
3.都市公園・緑地等事業 - ( - ) ※ ※※
4.下水道事業 156億円(290.4%)※ ※※
5.地域住宅計画に基づく事業 - ( - )※ ※※
6.地域公共交通確保維持改善事業 220億円(104.8%)
7.「小さな拠点」を核とした「ふるさと集落生活圏」形成推進事業 1.1億円( 96.4%)
※ この他に、社会資本整備総合交付金
30年度:8,886億円、31年度予算案:8,713億円)がある。
※※ この他に、防災・安全交付金
30年度:1兆1,117億円、31年度予算案:1兆3,173億円がある。
【文部科学省】
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- 公立文教施設整備費 1,608億円(235.8%)
- へき地児童生徒援助費等補助金 23億円(100.8%)
(1)スクールバス・ボート等購入費 6億円(100.8%)
(2)遠距離通学費 13億円(100.8%)
(3)寄宿舎居住費 0.3億円(100.8%)
(4)高度へき地修学旅行費 1.2億円(100.8%)
(5)保健管理費 0.5億円(100.2%)
(6)離島高校生修学支援事業 2.4億円(100.8%) - 健全育成のための体験活動推進事業
(学校を核とした地域力強化プランの一部として実施) 1億円(100.8%) - 少子化・人口減少社会に対応した活力ある学校教育推進事業 0.4億円(104.8%)
【文化庁】
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- 文化芸術による子供育成総合事業 53億円(100.4%)
- 国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金 279億円(100.2%)
【厚生労働省】
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- へき地保健医療対策費 75億円(103.6%)
- 医療施設等設備整備費 15億円(124.0%)
- 医療施設等施設整備費 4億円(100.0%)
- 都道府県における医師確保のための相談・支援機能の強化
地域医療介護総合確保基金(689億円)の内数 - ドクターヘリ導入促進事業
医療提供体制推進事業費補助金(230億円)の内数 67億円 - 保健衛生施設等施設整備費 40億円(181.4%)
- 水道施設整備費補助 218億円の内数
- 生活基盤施設耐震化等交付金 432億円の内数
- 地域医療介護総合確保基金(介護分) 549億円(113.8%)
- 社会福祉施設等施設整備費補助金 195億円(272.7%)
- 保育所等整備交付金 747億円(112.5%)
- 次世代育成支援対策施設整備交付金 157億円(220.7%)
- 農林漁業就職総合支援事業 7億円(102.8%)
【経済産業省】
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- 小規模事業対策推進事業のうち地域力活用新事業創出支援事業 50億円 (107.0%)
- 国内・海外販路開拓強化支援事業のうち
地域産業資源活用・農商工等連携事業 24億円(176.6%) - 地域で自立したバイオマスエネルギーの活用モデルを
確立するための実証事業 13億円( 54.3%)
【環境省】
-
- 再生可能エネルギーシェアリングモデルシステム構築事業 50億円( 92.6)
- 自然公園等事業等 86億円( 95.0%)
- 国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)事業 3億円(103.4%)
- 国立公園協働型管理運営体制強化事業 0.3億円(102.1%)
- エコツーリズムを通じた地域の魅力向上事業 0.3億円(101.6%)
- 生物多様性保全推進支援事業 1億円(143.7%)
- 鳥獣保護管理強化総合対策事業 8億円(103.0%)
- 指定管理鳥獣捕獲等事業 5億円( 60.2%)
- 廃棄物処理施設整備事業
(浄化槽設置事業及び浄化槽市町村整備推進事業を除く) 369億円(122.0%) - 浄化槽整備事業 100億円(111.9%)
【内閣府】
1.子どものための教育・保育給付費負担金 1兆1,609億円の内数(123.0%)
【平成31年度税制改正大綱の概要】
〇 山村振興税制特例措置の延長
振興山村において農林水産物加工施設等を取得した場合の割増償却
(機械・装置24%、建物等36%)の適用期限を2年延長する。(所得税・法人税)
○ 森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称)の創設
【森林環境税(仮称)】
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- 森林環境税(仮称)は、国内に住所を有する個人に対して課する国税。
- 税率は、年額1,000円とし、市町村が個人住民税と併せて賦課徴収。
- 市町村は、都道府県を経由して国の交付税及び譲与税配付金特別会計に払い込む。
- 森林環境税(仮称)は、平成36年度から課税。
【森林環境譲与税(仮称)】
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- 森林環境譲与税(仮称)は、森林環境税(仮称)の収入額に相当する額とし、市町村及び都道府県に対して譲与。
- 森林環境譲与税(仮称)の10 分の9に相当する額は、市町村に対し、当該額の10分の5の額を私有林人工林面積で、10 分の2の額を林業就業者数で、10 分の3の額を人口で按分して譲与。
- 森林環境譲与税(仮称)の10 分の1に相当する額は、都道府県に対し、市町村と同様の基準で按分して譲与。
- 市町村は、森林環境譲与税(仮称)を、間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てる。
- 都道府県は、森林環境譲与税(仮称)を、森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用に充てる。
- 市町村及び都道府県は使途等を公表しなければならない。
- 森林環境譲与税(仮称)は、平成31年度から譲与。
- 平成31 年度から平成35 年度までの間における森林環境譲与税(仮称)は、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金をもって充てることとし、各年度における借入金の額及び譲与額は、平成31年度~33年度は200億円、34年度~35年度は300億円とする。