全国山村振興連盟メールマガジンNO356

全国山村振興連盟メールマガジンNO356

 

                        2026.1.9

全国山村振興連盟事務局

 皆様、あけまして、おめでとうございます。

昨年は、山村振興法の改正・施行があり、画期的な年となりました。一方で、秋頃からクマの被害が拡大し、山村にとって深刻な被害を及ぼしました。

本年も年初から先行き不透明な状況となっておりますが、山村の価値を国民全体で共有し、支援していくこととなるよう活動して参りますので、本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

◎2025年12月の農林水産行政

2025年12月の農林水産行政の主な動向は、以下の通りでした。

 

1 令和7年度補正予算が成立、農林水産関係は9602億円

12月16日、参議院本会議で令和7年度補正予算が自民党・日本維新の会・国民民主党・公明党などの賛成多数で可決・成立した。農林水産関係は9602億円で前年度比 10.6%増となった。

このうち政府・与党が掲げる農業の構造転換に向けた対策には、2410億円を計上し、①農地の大区画化、②共同利用施設の再編集約、③スマート農業技術・ 新品種の開発、④輸出産地の育成、の4本柱で既存予算とは別枠の予算を確保した。

共同利用施設の再編集約を進める事業には811億円を計上し 、国による補助率は5割を基本とした上で、地方自治体が独自で助成すれば同額を国が追加で補助する仕組とし、最大66.6%の補助が受けられる。また、農林漁業の物価高騰対策には 686億円を計上した。

補正予算の一般会計歳出は18兆3034億円。地方自治体が使い道を選択できる「重点支援地方交付金」に2兆円を計上し、うち 4000億円は「お米券」などを使った食料品の高騰対策への活用を促すこととしている。

 

2 令和8年度予算概算決定、農林水産予算は増額して 2兆2,956億円

12月26日、政府は閣議で2026年度予算案を決定した。一般会計総額は122 兆3092億円で前年度当初を 7兆円あまり上回った。農林水産関係予算は総額2兆2956億円で、前年度に対し1% (250億円)の増加となった。増額は3年連続。

農業の構造転換を進めるための予算は、前年度から倍増となる494億円を計上した。政府・与党が「農業構造転換集中対策期間」とする令和7年度から令和 11年度の4年間、農業構造の転換を進めるための財源として、所管する日本中央競馬会(JRA)から 毎年250億円の拠出を受ける方針とした。

令和8年度の農林水産予算は、令和7年度予算( 2兆2706億円)にJRAから拠出を受ける 250億円が加わり、増額された形となっている。前年度からの増額幅は、令和7年度(20億円増額)、 令和6年度(3億円増額)を大きく上回った。

農業構造転換集中対策は494億円のうち、農地の大区画などに166億円、共前年度利用施設の再編集約に238億円、スマート農業技術の開発などに54億円、輸出産地の育成に37億円となっている。

このほかの主な予算は、米穀等安定生産・需要開拓総合対策事業 15億円(新規)、米穀周年供給・需要拡大支援事業 50億円(前年度50億円)、水田活用の直接支払い交付金 2752億円(前年度2870億円)、持続的生産強化対策事業 140億円( 前年度142億円)、畜産クラスター事業等 591億円(所要額 )、 輸出産地事業者の展開・育成 75億円( 前年度 68億円 )、地域計画の実現に向けた支援 527億円、農地中間管理機構を活用した農地集約化の推進 46億円 (前年度43億円 )、スマート農業技術・サービス事業の導入の加速化 25億円( 前年度 0.3億円)、 農業農村整備事業(公共) 3365億円( 前年度 3331億円 )、収入保険制度の実施 290億円(前年度 399億円)、農山漁村振興交付金 70億円(前年度 74億円)、中山間地農業ルネッサンス事業(一部公共)413億円(前年度412億円)、鳥獣被害防止対策とジビエ利活用推進100億円(前年度 100億円)などとなっている。

日本型直接支払いについては、多面的機能支払交付金 500億円(前年度 500億円 )、中山間地域等直接支払交付金 285億円(前年度 285億円 )、環境保全型農業直接支払交付金 28億円( 前年度 28億円 )と計813億円を維持した。

森林・林業関係では、森林・林業・木材産業 グリーン 成長総合対策 154億円 ( 前年度149億円)、 森林整備事業 ( 公共) 1271億円 ( 前年度1256億円)などとなっている。

 

3 「地方創生総合戦略」を閣議決定

12月23日、政府は令和11年度までに取り組む地方創生の基本的な方向性や政策をまとめた「地方創生総合戦略」を閣議決定した。総合戦略では、①強い経済、②豊かな生活環境、③選ばれる地方の3つの目標を設定した。

「強い経済」に向けては、「令和11年度までに1人当たりの労働生産率の伸び率や地方の国内総生産( GDP )成長率を東京圏以上とする」というKPI ( 数値目標 )を設定した。

「豊かな生活環境」については、KPI は「地方での生活をこれから良くなると思う人の割合の向上」、 「選ばれる地方」としては、 KPI は「地方で暮らす若者や女性の人数や割合の向上」とした。

「ふるさと住民登録票」などを推進し、関係人口の創出・拡大に取り組む地方自治体を令和 9年度に1,200とする。

政府は総合戦略を踏まえた上で、来年夏をめどに地域経済の活性化を軸にした「地方未来戦略」を策定する方針である。

 

4米の在庫は高水準、コスト指標作成の本格議論を開始

12月12日、農林水産省は令和7年産主食用米の収穫量の最終見通しを公表した。生産量は 前年産比 1割増の746万8000トンとなった。多くの地域で夏の日照時間が長かったことなどから10アール当たり収量は547kgとデータのある1883年以降で最も多かった。米の作付面積は前年産比9% (10万8000ヘクタール)増の136万7000ヘクタールだった。

これらを踏まえて需給バランスの目安となる来年6月末の民間在庫量は、214万から228万トンとなる見込みとしている。価格の下がった平成27年の民間在庫水準226万トンに 匹敵する高い水準となった。

12月16日、農林水産省は集荷業者が卸売業者に販売する令和7年産米の相対取引価格を公表した。11月は玄米60kg当たり3万6493円(全銘柄平均、税・諸経費を含む)となり、前月比で 565円(2%)低下した。価格低下は4ヶ月ぶりとなった。しかし前年同月(2万3961円)比では、まだ52% 高い。

小売業者の店頭では、5kg 5000円を超える米も多く、消費者の買い控えが広がったことにより、流通市場では在庫が膨らんでいる。

12月22日、米穀機構は米の価格形成をめぐるコスト指標の作成に向け、「 コスト指標作成等委員会 」の初会合を開き、議長に茨城大学の西川邦夫教授を選出した。

指標は令和 8年4月に全面施行される食料システム法に基づき、国の指定品目について作成・公表する。農林水産省は、米のほか、野菜、飲料牛乳、豆腐、 納豆を指定する方針としている。農業者らが価格交渉に使うことのできる客観的なデータとなるよう各品目の関係者が検討を進めている。

米穀機構での初会合は非公開で行われた。今後、1月にも指標案を打ち出し、2月にも案について合意形成し、4月にも指標を公表するという方針を確認した。 指標の計算方法は、資材費などコストを積み上げ、生産などの費用の変動を示す形とすることが想定されている。

 

5 クマ被害、最多の230人を記録

12月5日、環境省は4月から11月のクマによる人的被害が、速報値で230人に上ったと発表した。4月から11月に被害者数が最も多かったのは、秋田の66人であり、岩手 37人、福島 24人、新潟 17人がこれに続いた。11月の全国の被害者数は、犠牲者 1人を含む計 33人で、このうち秋田が10人と最も多かった。

4月以降の全国の犠牲者数は、過去最多の13人となった。4月から10月のクマの出没件数は計 3万6814件、捕獲数は計9867頭だった。

環境省は補正予算において、クマ被害対策として過去最大規模の34億円を計上した。また令和8年度当初予算案では、クマ対策に過去最大の62億円を計上しており、補正予算と合わせると 96億円規模となった。前年(6年度補正予算及び7年度当初予算)に比べ90億円と大きく増額した形となった。

対策としては、狩猟免許を持つ自治体職員「ガバメントハンター」の配置や捕獲の経費を支援する交付金事業を大幅に増額した。また国の個体数管理による情報通信技術( ICT )を活用する研究開発なども盛り込んでいる。

 

  • その他

(1)森林取得の実態把握へ国籍申告を義務化

12月16日、農林水産省は「森林の土地の取得時において国籍を把握する仕組み」について、森林法に基づく告示を改正し、「森林の土地の所有者届出書」の届出事項に国籍を追加すると発表した。また法人が届出を行う場合には、法人代表者の国籍に加えて、役員や議決権保有者について、同一国籍の者が過半を占める場合、その国名を記載事項に追加する。さらに届出者の住所が国外である場合には、国内の連絡先も記載事項とし、連絡を取りやすくする。

また森林法に基づく省令を改正し、市町村が管理する「林地台帳」の記載事項に国籍等の情報を追加することとした。

これらについては、パブリックコメントを行った上で、必要となる告示や省令の改正を行う。届出書の改正は令和8年4月、林地台帳の記載事項の改正は令和9年4月に施行する予定としている。

 

  • 令和6年度の農業総産出額は10兆円超

12月23日、農林水産省は令和6年の農業総産出額が前年比13.5% ( 1兆2849億円増)の10兆7801億円だったと発表した。 10兆円を超えたのは28年ぶりとなる。農業総算出額は 農産物の生産量や 販売価格などをもとに算出する。米の価格上昇が産出額を大幅に押し上げた。令和6年の総産出額の増加率 13.5%のうち10.9%は米が押し上げた。農業者の所得に相当する「生産農業所得」も20.4% ( 6728億円)増の3兆9,649億円となった。

総産出額は 平成13年に8兆円台に落ち込んでから 平成28年に9兆円台に回復し、 その後 概ね横ばい傾向で推移してきた。

 

  • カキへい死政策パッケージを公表

12月11日、鈴木憲和農林水産大臣は臨時の記者会見を開き、瀬戸内海で広範な影響が出ているカキの大量へい死被害について、「高水温等によるカキへい死被害への政策パッケージ 」を公表した。

短期的な対策としては「カキ養殖業者等の経営継続支援」のための資金繰り支援、損害・収入の補填等、中長期的な対策としては、「徹底した原因の究明」、「行状環境の整備に向けた支援」「環境変化に対応した新たな種苗や養殖方法の開発」などとなっている。

 

  • スペインでアフリカ豚熱が発生、豚肉・豚肉製品の輸入を停止

11月28日、スペイン当局は、野生イノシシにおけるアフリカ豚熱の感染事例を確認したと公表した。これを受けて、農林水産省は11月28日以降のスペインから輸入される豚肉や生ハム等の豚肉製品について輸入を停止している。

スペイン産豚肉は、輸入量の約2割、国内供給の約1割を占めており、そのほとんどが冷凍品となっている。また、輸入生ハムの7割弱をスペイン産が占めている。スペイン産の豚肉は主にベーコン等の加工原料に仕向けられているほか、外食・中食・小売にも仕向けられている。農林水産省は、他国産への切替えの状況など需給と価格の動向を注視したいとしている。

 

 

◎「農山漁村」経済・生活環境プラットフォームからのお知らせ 

 

「農山漁村」経済・生活環境プラットフォーム(事務局:農林水産省 農村振興局農村計画課 農村活性化推進室)から、以下のお知らせがありました。

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1【イベント開催のご案内】1/29開催、「農山漁村」経済・生活環境創生プラットフォーム第2回情報発信会について

農林水産省は、2026年1月29日(木)に「農山漁村」経済・生活環境創生プラットフォーム第2回情報発信会を開催します。

 

情報発信会は、プラットフォーム内での取組により明らかとなった農山漁村の持つ課題や可能性、現在行われている先駆的な取組等をより多くの関係者に共有し、農山漁村に関わる人材の増加や農山漁村コミュニティの生活・経済面の基盤構築に向けた機運を醸成することを目的としております。

去る11月13日には、農山漁村の地域課題解決における地域金融機関の役割をテーマに、第1回情報発信会を開催したところでございます。

(当日資料・アーカイブ動画等はこちら:https://www.maff.go.jp/j/nousin/kanmin_kyousou/platform/jouhou_hassin.html

 

第2回の本会では、「デジ活」中山間地域セミナーとして、中山間地域におけるデジタル技術・スマート農業の活用事例を共有し、「デジ活」中山間地域の取組への理解を深めるとともに、地域主導のデジタル活用・獣害対策支援・関係人口創出等の取組を推進させることを目的とします。

「デジ活」中山間地域に登録されていない地域や民間企業・個人等の皆様にも役立つ内容ですので、ぜひご参加ください。

 

本会を通して、デジタル技術を活用した農山漁村の地域課題解決における知見を深めていただき、既存の取組に活かす機会や新たな取組を開始するきっかけになればと考えております。

「デジ活」中山間地域HPはこちら(過年度のデジ活セミナーのアーカイブ動画も掲載しております。):https://www.maff.go.jp/j/nousin/digikatsu/index.html

 

1.開催日時及び場所

日時:2026年1月29日(木)13:30~15:30

開催形式:オンライン配信(zoomのウェビナー開催を予定)

主催:農林水産省(運営:株式会社Ridilover)

参加対象:自治体、地域団体、一般企業、農山漁村の課題に関心ある個人等

定員:300名

参加費用:無料

 

【当日タイムテーブル】

13:30 開会の挨拶

13:35 「デジ活」中山間地域制度の説明

13:40 先進事例① 秋田県藤里町  NPO法人ふじさと元気塾

14:00 先進事例② 岐阜県飛騨市  ヒダスケ!事務局

14:20 休憩

14:30 企業と地域の協業事例 株式会社エアーアシストジャパン

14:50 政策紹介①総務省

15:00 政策紹介②農林水産省

15:10 政策紹介③環境省

15:20 閉会の挨拶

 

2.参加申込方法

(1)申込方法

参加を希望される場合は、以下申込フォームよりお申し込みください。

<申込フォーム>

https://business.form-mailer.jp/fms/29078719321861

 

(2)申込締切日

2026年1月28 日(水)まで

※定員を超過した場合、締切日より前に受付を締め切らせていただく場合がございます。

 

2.リマインド【参加者募集】1/15開催、地域未来戦略を企業・自治体・国で共に考える集合型・参加型イベント(一般社団法人 企業×ふるさと推進機構)

一般社団法人 企業×ふるさと推進機構において、地方創生の推進に資する官民連携イベントが開催されますので、再度ご案内いたします。

東京会場については販売終了しておりますが、仙台及び札幌会場のほかオンラインについては申し込み可能となっております。

 

(以下、一般社団法人 企業×ふるさと推進機構によるご案内)

本イベントは、企業・自治体・国が一体となって地方創生の新たな可能性を探る場として、5回目の開催となります。

今回は、農林水産省、内閣官房、国土交通省、環境省の担当官にもご登壇いただき、政府の方針について勉強させていただける機会となっております。

特別対談として、エプソン販売株式会社 代表取締役 栗林氏、株式会社ユーメディア 代表取締役 今野氏、ファシリテータとして現役の農林水産省審議官 西氏による「民間の協創スペースから始める地方創生」をテーマにパネルディスカッションを行っていただきます。

勉強会、グループワークのあとには、登壇者の方もご参加いただける懇親会もございます。

 

皆さまにおかれましても、地域活性化や地方創生に関する取組みの参考として、また新たな連携機会の創出の場として、ぜひご活用いただければ幸いです。

 

【イベント詳細】

■イベント名

地域未来戦略を企業・自治体・国で共に考える集合型・参加型イベント

■主催

一般社団法人 企業×ふるさと推進機構

■協力

株式会社river、エプソン販売株式会社、株式会社ユーメディア

■開催日時

2026年1月15日(木)16:00~20:30(開場15:30)

■会場

東京会場:エプソン販売株式会社 本社ショールーム(新宿)

仙台会場:株式会社ユーメディア MEDIUM

札幌会場:エア・ウォーター北海道株式会社 エア・ウォーターの森

■参加形式

・リアル参加:東京会場100名、仙台会場100名、札幌会場100名

・オンライン参加:200名

■参加費

無料(懇親会参加の場合は3,000円)

■プログラム内容(予定)

・国の政策紹介セミナー

・特別対談「民間の協創スペースから始める地方創生」

・企ふるの先輩から学ぼう!パネルディスカッション

・ネットワーキング(懇親会)

■申込方法

下記URLよりお申込みください。

※東京会場は販売終了

https://kifuru.peatix.com/

 

■過去の開催実績

2024年11月21日(第1回)

2025年2月10日(第2回)

2025年4月25日(第3回)https://ri-ver.com/info/event/20250416161.html

2025年9月30日(第4回)https://ri-ver.com/info/event/20251001.html

 

【本イベントの意義】

政府が推進する地域未来戦略の実現に向けて、

官民が連携し地方創生の具体的な取組みを共有・発展させる重要な機会となります。

特に以下のような企業様にとって有益な情報交換の場となることが期待されます。

 

・地方展開を検討されている企業

・自治体との連携を模索されている企業

・地域課題解決型ビジネスに関心のある企業

・DX・GX等を通じた地域貢献を目指す企業

 

  • お問合せ先

株式会社river代表取締役/一般社団法人企業Xふるさと推進機構 専務理事 小坪 拓也

mail:event@ki-furu.org

web:https://ki-furu.org/

 

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