全国山村振興連盟メールマガジンNO259

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2024.2.2

全国山村振興連盟事務局

◎本年も「山の恵みプロジェクト」特設コーナーが設置されます

 

「山の恵みプロジェクト」特設コーナー等のご案内(東京インターナショナルギフトショー春2024への出展)

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農林水産省農村振興局が支援している「山の恵みプロジェクト」の一環として、

2月6日(火)~8日(木)に東京ビックサイトで開催される展示会「東京インターナショナルギフトショー」内の「グルメ&ダイニングスタイルショー春2024」において、「山の恵みプロジェクト」特設コーナーが設置されます。

特設コーナーでは、これまでに山村活性化支援交付金により商品開発等に取り組んできた山村地域が出展するほか、山村やその振興の重要性・意義などもPRします。

(山村活性化支援交付金は、山村振興法に基づき指定された「振興山村」における、山村の地域資源を活用した山村地域ならではの特産品・サービスの開発・改良・販売のための取組(ソフト活動)を10割補助で支援する補助金です。)

展示会には、バイヤー以外の方もご入場いただけます。皆様のご来場をお待ちしています。

 

■開催日時:2024年2月6日(火)~8日(木)

(2月6日~7日10時~18時、8日10時~17時

■開催場所:東京ビッグサイト東展示場(東2・3ホール)

■費用:無料(要参加申込・事前登録制

■詳細・申込方法等

下記リンク先をご参照ください。

第35回グルメ&ダイニングスタイルショー春2024 | 株式会社ビジネスガイド社 (gourmetdiningstyleshow.com)

 

■出展予定地域

北海道新得町:チーズ、ヨーグルト、ミルクなどの商品・試食

奈良県東吉野村:ゆず、よもぎを使用したクッキー、胡椒等

北海道豊浦町、北海道新ひだか町、北海道積丹町、北海道蘭越町、山形県大蔵村、宮城県栗原市

静岡県静岡市、和歌山県白浜町、島根県江津市、島根県邑南町、宮崎県小林市、熊本県八代市、熊本県山江市 など

(令和6年度1月11日時点)

 

■ステージイベント

2月7日(水)16:30~17:30に山の恵みプロジェクト事業プランニング表彰式、表彰者によるパネルディスカッションを開催

詳しくは下記リンクをご参照ください。

プロが魅せるキッチンステージ | グルメ&ダイニングスタイルショー (gourmetdiningstyleshow.com)

 

  • なお、森林・林業関係では、産品だけなく、森林での体験プログラムの開発も支援対象になります。

詳しくは、林野庁ホームページ」森林サービス産業の創出・推進に活用可能な補助事業:林野庁 (maff.go.jp)をご覧ください。

 

◎長野県森林フォーラム実行委員会・令和5年度森林フォーラムについて

「Forest Style ネットワーク」事務局(林野庁森林利用課山村振興・緑化推進室)から、会員からの情報提供がありました。

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長野県森林フォーラム実行委員会「令和5年度森林フォーラム「森林の多面的な利活用の推進~森林がもたらす新たな価値の創出に向けて~」」

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長野県では、県と林業関係団体で実行委員会を組織し、その時代のテーマに応じた「森林フォーラム」を毎年開催しています。

今年度は、「森林の多面的な利活用の推進~森林がもたらす新たな価値の創出に向けて~」をテーマに、森林サービス産業や里山の利活用に焦点を当てています。

オンライン参加も可能ですので、ぜひご参加ください。

 

<開催概要>
■開催日時:2024年2月9日(金)13:00〜16:30
■開催場所:会場とオンラインの併用開催
(会場)長野県立長野図書館(長野市若里1丁目1―4)
■参加費用:無料(要参加申込み)

■主催:森林フォーラム実行委員会

■主な内容

①令和5年度長野県ふるさとの森林づくり賞、長野県きのこ料理コンクール表彰式

(表彰式主催:長野県)

②基調講演

テーマ:森林の利活用と山村地域の今後の期待と展望 ~地域での事業化の5つのポイント~

講演者:㈱さとゆめ代表取締役CEO 嶋田俊平氏

③各地域からの実践事例報告

㈱TRAIL CUTTER、なべくら高原・森の家、ふたえ里山整備協議会

④県等からの情報提供

・開かれた里山の安全管理等マニュアルの周知(仮)

・長野県における海外連携の取組について

・令和6年度当初予算案(森林サービス産業等)について

■お申込み

下記URLより、締切:2/6(火)17:00までにお申込みください。(会場50名、オンライン250名)

https://forms.office.com/r/K5nLpR0KWz

・定員に達した場合は調整となります。

・申込者には接続アドレス等の案内を2月7日(水)にメールで送付します。

 

◎2024年1月の農林水産行政の動向

 

2024年1月における農林水産行政の主な動向は、以下の通りでした。

 

1 能登半島地震で 甚大な被害が発生

1月1日 能登半島沖で発生した地震は、最大震度7、 マグニチュード7.6 を記録し、石川県能登半島地域を中心に北陸地方で死者238名、行方不明者19名、多数の家屋倒壊など、甚大な被害をもたらし、1月末時点でも14000人以上が避難生活を送っている。政府は1月11日、能登半島地震を激甚災害に指定し、農地農業用施設などの災害復旧事業の国庫補助率を9割程度に引き上げた。また1月 16日、2024年度予算案を再編成し、一般予備費を5000億円から1兆円に積み増すことにつき閣議決定した。

農林水産関係の被害状況は、1月30日現在で農地の被害は432カ所、水路・ため池などの農業用施設を加え3581カ所に上る。また、畜産農家での施設損壊 40件以上、山地災害・林道施設 ・木材加工流通施設などで 320カ所以上、漁船の転覆・沈没・座礁196隻以上、漁港の損壊71漁港などの被害が報告されている。(一部は1月18日現在)

食品産業に関しては、石川県・富山県・新潟県で、醤油工場 12カ所、味噌工場 3カ所、菓子工場 5カ所以上などの被害が報告されている。

坂本農林水産大臣は、1月21日 被災地をヘリで視察し、石川県輪島市において、漁港・千枚田・山腹崩壊の被害状況、珠洲市において林道・漁港の被害状況を上空から確認した。

漁港や海岸といった海岸における地盤隆起などの被害は前例がなく、また 世界農業遺産である白米千枚田の亀裂、大規模な山地災害などの状況を踏まえ、 専門家も含めて、短期的に支援していくこと、中期的に復旧していくこと、長期的に創造的復興に結びつけていくことを類型化しながら支援策の検討を進めていく必要があるとしている。

 

2 能登半島地震の被災者への総合支援策を取りまとめ

1月25日、政府は能登半島地震の被災者への総合支援策「被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージ」を取りまとめた。また1月26日には、令和5年度予算の予備費から1500億円規模の支出を閣議決定した。

農業関係では、施設の再建や修繕については畜舎・農機などで費用の1/2を補助する。ハウスについては園芸施設共済の国費相当額と合わせて1/2 相当を助成する。また営農再開に関しては、追加で必要な防除・施肥・種子種苗などの資材の確保、作業委託や農機レンタルなどの経費を助成する。

運転資金については、農林漁業セーフティネット資金において貸付限度額を2倍程度に引き上げる。災害関連資金は5年間実質無利子とする。農地や水路などの復旧では激甚災害指定を受けて国庫補助率が嵩上げされる。

また観光業については、石川・新潟・富山・福井4県を対象として、1泊2万円を上限に旅行代金を割り引く「北陸応援割」なども盛り込まれた。

 

3 通常国会へ農水省から6法案を提出予定

1月26日に招集された通常国会に、農林水産省は食料・農業・農村基本法改正案など6法案を提出する予定となっている。

  • 食料・農業・農村基本法改正案については、食料安全保障などを巡る理念を見直し、関連する施策を定める。
  • 食料供給困難事態対策法案では、不測時の対応を定めることとし、食料供給量が大幅に不足する兆候があった段階から首相を本部長とする対策本部を設置し、出荷・販売の調整や輸入・生産の拡大などを要請できるものとする。
  • 農地関連法改正案として、農業振興地域整備法・農地法・農業経営基盤強化促進法を改正する。農地面積目標の達成に向けた措置を強化し、転用手続きを厳格化する。農地所有適格法人について、農業関係者の出資割合を現行の過半から1/3 超に引き下げられるようにする。
  • スマート農業技術活用促進法案では、スマート技術の活用やそれに合わせた新たな生産方式の導入、技術開発、成果普及に関する計画を国が認定し、 認定を受けた農家や事業者に長期低利融資などの支援措置を講じる。
  • 特定農産加工業経営改善臨時措置法改正案では、6月30日の期限を5年間延長し、原料高騰で影響を受けている事業者への支援を盛り込む。
  • 漁業法など水産関係法を改正する。これについては、参議院先議とすることを農林水産省は希望している。

 

4  ベルリン農相会合で共同声明を発出

1月20日、ドイツ・ベルリンにおいて世界各国・地域の農相が集まり、ベルリン農相会合が開催された。この会合は、ドイツ政府の主催で2009年以降毎年開いており、今回は73カ国・地域の農相・政府幹部、国際機関の関係者が参加した。日本からは小川良介農林水産審議官が出席した。

会合では共同声明が採択され、戦争などで世界の食料安全保障が危機にある との認識に立ち、環境に配慮した農業の持続可能性や生産性の向上などを盛り込んだ。世界の食料安全保障を巡っては、戦争・紛争などにより依然としてかつてない危機の最中にあるとの認識で一致した。共同声明では、世界人口の増加などに対応するため、強靭で持続可能な農業慣行と技術を促進していくこととし、 有機農業や多様な地域での生産、育種研究などを促すとした。また、世界貿易機関(WTO)ルールに則さない輸出禁止のような不当な貿易措置を課さないものとした。

昨年4月の先進7カ国農相会合では、日本が議長国として、持続可能性と生産性向上を両立させ幅広いイノベーション・技術革新を推進していくという考え方を提起したが、この考え方が引き継がれた。

 

5 食料・農業・農村白書の柱立てを審議会に提示

1月24日、農林水産省は食料・農業・農村政策審議会企画部会において、2023年度の食料・農業・農村白書の柱建てについて示した。

柱立てでは、冒頭特集として「食料・農業・農村基本法の検証・見直し」が掲げられ、①見直しの経緯や制定経緯と基本理念、②制定後の情勢変化と今後20年を見据えた課題、③食料・農業・農村政策の新たな展開方向を掲げた。

また、トピックスとして、

  • 食料安全保障の強化に向けた構造転換
  • 物流2024年問題への対応
  • 農林水産物・食品の輸出
  • スマート農業の導入による生産性の高い農業
  • 農福連携
  • 農業分野でのカーボン・クレジット
  • 能登半島地震への対応

を掲げている。

農林水産省は、3月以降に白書の骨子、概要、本文の案を示すこととしている。

 

6 2023年農林水産物・食品の輸出額は過去最高の1兆4547億円

1月30日、農林水産省は2023年(1月から12月)の農林水産物・食品の輸出額が、前年比2.9%増で、過去最高の1兆4547億円となったと発表した。農産物は9064億円、林産物は 621億円、水産物は3901億円、少額貨物は961億円だった。

2023年は前年と異なり、アフターコロナの下で世界的に人々が外出して飲食する機会が増え、また円安も追い風となり、上半期の輸出実績は対前年同期比 プラス9.6%と比較的順調であった。一方、下半期においては、ALPS処理水 放出に伴い中国等が輸入規制を行ったため、中国等向け輸出が大幅に減少した。

国・地域別で見ると、米国向けが2062億円と6.4%の増、香港向けは13.4%増の2365億円だった一方、中国向けは前年比14.6%減の2376億円と、2011年以来の減少に転じた。

一次農産品の輸出額9064億円は全体から加工食品を除いて算出したものであり、牛肉は11%増の578億円、緑茶は欧米中心に市場が広がり33%増の292億円と大幅に伸びた。

 

7 その他

(1) 物流に関する官民合同タスクフォースの初会合を開催

1月18日、農林水産省は「農林水産品・食品の物流に関する官民合同タスクフォース」(タスクフォース長・宮浦浩司大臣官房総括審議官)の初会合を開いた。

これは昨年12月27日に坂本哲志農林水産大臣を本部長として設置した「農林水産省物流対策本部」の実働部隊として設置されたものであり、政府側・民間側の合同による会議となっている。

物流の2024年問題の解決に最優先で進めたトラックドライバーの負担軽減についての取りまとめが、政府として12月に行われたことを受けて、タスクフォースでは農林水産品・食品が国民一人一人のもとに届く物流を確保するため意見を交わし、今後生じる課題への対応を官民連携で進めることとしている。政府側は、本省だけでなく各地の農政局の地方農政局の幹部らもメンバーに名を連ねた。

初会合では①物流2024年問題に対応した先行事例、②農林水産省で把握した物流生産性向上を検討している産地卸売市場等の概要、③相談窓口に寄せられた要請等の状況等について説明があり、意見交換を行った。会議資料については本省のウェブサイトに公表され、議事録は後日公開されることとなっている。

 

(2) 山口県下で鳥インフルエンザが発生

1月27日、農林水産省は山口県防府市の採卵鶏農場で高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜を確認したと発表した。国内の農場では、今季7例目。山口県下では、2014年以来の発生となった。

山口県は同日、この農場で飼養する鶏、アヒル、アイガモ、ガチョウ計12羽の殺処分など防疫措置を終えた。移動制限の対象となる半径3キロ圏内には農場はない。

 

(3)農業生産資材価格が 過去最高

1月30日、農林水産省は2023年の年間の農業物価指数(概数)を発表した。2020年の価格を100とする指数であり、生産資材全体では 121.3となった。これは、統計が残る1951年以降で過去最高となり、2002年の116.6をさらに上回った。肥料は147、飼料は145.8、農薬は112.9、農機具は 105、種苗 は106.6 となっている。

他方、農産物全体の価格は107.8であり、農業生産資材に比べ上昇幅が小さい。生産コストの上昇分を農産物価格に十分転嫁できていない状況が明らかになった。