全国山村振興連盟メールマガジンNO215

全国山村振興連盟メールマガジンNO215

 

2023.3.10

全国山村振興連盟事務局

  • 自由民主党山村振興特別委員会の概要

 

自由民主党山村振興特別委員会(委員長:奥野信亮 衆議院議員)が2月22日水曜日午前8時30分から自民党本部 706号室において開催されました。

全国山村振興連盟からは、竹﨑一成 会長代行など6名の副会長及び實重常務理事が出席しました。その概要は、以下のとおりです。

 

今枝宗一郎 事務局次長(衆議院議員)の司会により議事が進められ、最初に奥野信亮 委員長の挨拶があった後、議事に入った。

 

議事(1)令和5年度山村振興関係予算概算決定について

関係省庁を代表して農林水産省農村振興局佐藤一絵農村政策部長から、「令和5年度山村振興関係予算概算決定等について」の資料に基づき説明があった。

 

議事(2)全国山村振興連盟からの要請等について

竹﨑会長代行から「第1に、疫病・災害・戦争と世界全体が大きく揺れ動く中、令和5年度の予算及び令和4年度の補正予算において、これらの影響を緩和し、また将来に向かって対処するための各種の政策を充実・強化いただいていることに感謝申し上げる。また、デジタル田園都市国家構想の推進をはじめ、山村活性化支援交付金(7.8億円)、中山間地農業ルネッサンス事業(407億円)、特定地域づくり事業協同組合(5.6億円)などの予算につき充実していただいていることにお礼を申し上げる。

特に森林環境税・森林環境譲与税に関して、昨年末の税制改革大綱で、令和6年度に向けて、「森林整備を含む必要な施策につながる方策を検討する」と定められたことは、山村地域への手厚い配分を求めてきた私たち山村の市町村にとって、明るい希望を感じさせるものである。ぜひこの方向で、本年の議論を進めていただき、年末には決定していただくようお願いする。

第2に、芦北町では、「すべては次代を担う子どもたちのために」をテーマに、子ども中心の施策に取り組んでおり、令和5年度からは、学校給食の無償化など新たな施策にも取り組んでおり、学校施設の耐震化は完了しているものの、エアコン設置、LED化など、学習環境の充実を図るために、多額の財政支出を要している。公立学校施設整備補助金について、増加と要件緩和をお願いしたいと考えており、先ほどの説明で令和5年度においては改善されているとのことであり、感謝申し上げたい。他省庁の補助金に比べ文部科学省の補助金には差があったが、配慮いただき、更に要件も充実していただいた。

第3に、本町では統廃合によって廃校となった学校施設をサテライトオフィスとして活用するため、IT企業の誘致を行っており、熊本県下でも最も集積が進んでいる。企業も、町や地域と一体となって地域課題の解決に取り組んでいる。一方、公立学校施設整備費補助金等に係る財産処分では、教室毎に入居者が異なる場合は、個別に処分手続きを行う必要があり、煩雑な面がある。校舎単位で一括して処分し、入居に関しては自治体の裁量に委ね、運用できるよう願いたい。」旨の要望を行った。

櫛引副会長から「山村地域や過疎地域などの市町村を取りまく環境は、人口の減少や、少子高齢化の進行に加え、新型コロナウイルス感染症、為替相場の大幅な円安、ロシアのウクライナ侵攻、原油価格の高騰などの影響を受け、生活や暮らし、そして、農林漁業を基幹産業とする地域経済に係るありとあらゆる生産資材が高騰をしており、今までかって経験したことの無い、極めて厳しい環境下に置かれている。

特に農業においては、肥料や濃厚飼料の価格は、一昨年の2倍を超えており、トラクターの燃油代も値上がりが激しい。農業への影響が大きいが、特に酪農にあっては、牛乳の消費が低迷し、個体価格が暴落するなどにより、ほとんど収支が合わず、離農を余儀なくされる危機的な状況が目の前に迫っている。地方・山村地域が存続の危機に立たされている。国においては、こうした地域を守り、食食料自給率を確保するためにも、強力な支援策を講じていただきたい。山村・過疎地域の存続なくして都会だけ生き残ることはありえない。すべての地域の生き残りをかけ、私たちも頑張るので、引き続き指導・支援を賜りたい。」旨の要望を行った。

久慈副会長から「人口減少社会への対策が急浮上してきたのは、今から9年前の平成26(2014)年5月公表のいわゆる「増田レポート」によるが、これを受けて、政府の指導により、全国の自治体は、第1期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定、実施し、引き続き、現在、第2期「総合戦略」を策定して人口減少対策に取り組んでいる。特色ある政策を展開して成果を上げている自治体があり、岡山県奈義町、福井県池田町などを成功例として参考にしているが、全体として人口減少が続いていることを考えれば、大部分は、人口減少を止めることができないでいるものと判断され、今後とも「総合戦略」などの継続実施が望まれるところである。

懸案事項として、1つは、令和5年度の全国の自治体の予算編成情報を見ると、独自の給付や助成事業による「子育て支援事業」の計画は、東京都下の市区が際立っており、地域間競争が激化することが予想される。山村地域は、ひと・もの・財源といった行政資源が乏しく、独自の給付や助成事業による子育て支援事業を展開しても限界があり、地域間格差が広がるのではないかと危惧している。

2つめは、山村地域の多くは農林水産業を基幹産業としている地域が多く、水田活用ビジョンの新たな展開、いわゆる水田の5年ルールの実施は理解できるものの、その後に不耕作地が増加するのでないかと心配している。また、ドローンなどによるスマート農業の展開や農業の工場化の推進が、果たして「人口減少対策」に資するものなのか危惧している。さらには、社会経済の変動要因として最低賃金の上昇、物価の高騰、JRの赤字ローカル線の鉄路の存廃の見直しなどマイナス要因が続いており、山村地域の人口減少対策に大きな不安を抱いている。

岸田総理が「異次元の少子化対策」を掲げて奮闘しているが、フランスや北欧の例を見ると、所得税減税や学費の無償化など国の政策が一番大きな効果を生み出しているように感じる。日本も大胆な政策を展開していただきたい。」旨の要望を行った。

 

連盟からは、「令和5年度農林山村振興関連予算・施策に関する要望書」を配布した。

 

議事(3)山村活性化支援交付金に関する活動報告

「山の恵みプロジェクト」の開催を担当した株式会社ジェイアール東日本企画から、「山の恵みプロジェクトの取組と展望」という資料に基づき、活動状況の報告を行った。

 

その後、議員から意見が提出され、次のようなテーマが取り上げられた。

・地域おこし協力隊員の処遇について

・医師の山村への配置について

・山の恵みプロジェクトの公募について

・市町村合併による山村行政の希薄化について

 

○「森林×脱炭素チャレンジ2023」実施のお知らせ

林野庁より「森林×脱炭素チャレンジ2023」実施のお知らせが参りましたので、以下のとおりお知らせします。

 

【制度の趣旨】

日本の国土の約3分の2は森林が占めており、これらを適切に整備、保全することは、森林によるCO2吸収量の確保・強化につながり、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献します。

SDGsやESG投資への関心が高まる中、企業等が自ら又は支援(以下「支援等」という。)をして行う森林づくり活動が全国で広がっています。

民間の活力を活かした森林づくりは、森林整備による地球温暖化対策を国民運動として展開する上で、また、豊かな自然を未来に守り伝えるためにも重要です。

このため、林野庁では、適切な森林の整備、保全につながる企業等の森林づくり活動や森林由来J-クレジットの活用を推進するため、企業等の取組を募集します。

 

<募集期間>

令和5年3月1日(水)~5月31日(水)17:00(応募者登録は5月26日(金)17:00まで)

 

<募集内容>

(1)森林づくり部門:

令和3年度及び令和4年度の間に企業等が支援等をして行った造林、保育等の森林整備について、次の2点を募集します。

  • 整備した森林に係る1年間のCO2吸収量
  • 森林整備に関する取組内容

 

(2)J-クレジット部門:

令和3年度及び令和4年度の間に企業等が無効化した森林由来J-クレジットについて、次の2点を募集します。

  • 無効化したJ-クレジット量(CO2吸収量)
  • 無効化したJ-クレジットに関する活用内容及び効果

(注意: J-クレジット部門では、クレジットを創出したプロジェクト実施者、クレジットの販売仲介事業者、クレジットを無効化した者の連名により応募してください。)

 

募集内容の詳細・応募方法はプレスリリース、ウェブサイトよりご覧いただけます。

 

<プレスリリース>

https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kikaku/230301.html

 

<森林×脱炭素チャレンジ2023ウェブサイト(林野庁HP内)> ☜応募はこちらから

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/forest_co2_challenge/2023.html