全国山村振興連盟メールマガジンNO186

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2022.8.5

全国山村振興連盟事務局

○情報通信オンライン説明会について

農業農村情報通信環境整備推進体制準備会(事務局:農林水産省農村振興局地域整備課)より、市町村、土地改良区、JA等の皆様に対して応募用紙の内容を説明するオンライン説明会を開催との連絡がありましたので、ご関心の市町村におかれましては、奮ってご参加ください。

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日時:8月8日(月)13:30~14:00

説明者:農林水産省農村振興局地域整備課 課長補佐 萩尾俊宏

対象者:市町村、土地改良区、JAなどの担当者

会議資料

jouhou_tsuushin-28.pdf (maff.go.jp)

 

ミーティングリンク

https://ministries-maff.webex.com/ministries-maff-jp/j.php?MTID=m2db88f169789ff4eef2b603e70a6e6a2

ミーティング番号 (アクセスコード): 2518 881 1707

ミーティングパスワード: KMr4hvTvd22

 

○ 2022年7月の農林水産行政

 

2022年7月の農林水産行政の主な動向は、以下のとおりでした。

 

1 肥料高騰対策に予備費788億円を支出

政府は 7月 29日、2022年度予算の予備費から物価高騰対策に約2600億円を 支出することを閣議決定した。農家が使う肥料の支援金には、788億円を当てる。ロシアによるウクライナ侵攻や中国の肥料輸出制限などにより肥料価格が高騰しており、農家の費用コストは増高している。肥料高騰対策では、化学肥料の使用量を2016年対比で2030年までに2割減らす目標に取り組む農家を支援対象として、肥料代の上昇分の7割を補填する。6月以降に購入した肥料まで遡って支援することとなった。

2割減少する目標への取り組みとしては、①堆肥等の国内資源の活用、②土壌診断に基づく施肥料の適正化等が考えられており、今後2年間で実施すれば良いこととする方針である。

 

2 国土交通省が国土形成計画の中間取りまとめを公表

7月15日、国土交通省は国土形成計画に関する中間取りまとめを公表した。昨年9月から国土審議会において検討を行ってきたものである。中間取りまとめでは、コロナ禍による生活・経済の変化やデジタルの進展などを踏まえ、令和の新しい国土づくりの方向性を示す計画を作成したいとしており、国土の課題を解決するため、①人の力を最大限発揮する官民共創、②デジタルの徹底活用、③生活者・事業者の利便の最適化、④分野の垣根を越えること(いわゆる横串の発想)の4つの原理を掲げている。

特に重点的に取り組む分野として、

  • 地域の関係者がデジタルを活用して自らデザインする新たな生活圏~地域生活圏、
  • 多様なニーズに応じ、あらゆる暮らし方と経済活動を可能にする世界唯一の新たな大都市圏~スーパーメガリージョンの進化、
  • 産業の構造転換・再配置により、機能を補完し合う国土~令和の産業再配置
  • 住民自らが話し合い官のサポートで人口減少下の適正な土地の利用・管理の方向性を示す管理構想の推進方策(国土利用計画)

を挙げている。今後最終取りまとめを行い、来年半ばに新たな国土形成計画を策定する予定である。

 

詳細については、国土交通省ホームページを参照してください。

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s101_kokudo01.html

 

 

3  新たな生物多様性戦略の中間取りまとめを公表

農林水産省は、新たな生物多様性戦略の中間取りまとめを示した。同戦略は2007年に初めて策定され、2020年8月から22年2月にかけて議論をして中間取りまとめに至ったもの。2030年の目指す姿として、「農山漁村が育む自然の恵みを生かし、環境と経済がともに循環・向上する社会」を掲げた。実現に向けた基本方針として、①大規模経営だけでなく小規模家族経営も重視する、②政策手法をグリーン化する、③加工・流通など含めて関係者全体で取り組む、などとしている。

農業分野における具体的な取組みとしては、①化学農薬・肥料の低減、 ②有機農業の推進、③国産飼料の増産、④水田や水路・ため池の生態系保全などを掲げている。12月5日から17日にカナダで開かれる COP 15で決まる新たな世界目標を踏まえて正式に決定する予定となっている。

 

4 宮崎政務官がマレーシアなど東南アジアを歴訪

宮崎雅夫農林水産政務官は、7月22日までの6日間、マレーシア・カンボジアを歴訪し、帰国した。7月18日にはマレーシアのクアラルンプールで肥料原料を所管するザワウィ農業・食産業第2副大臣と会談し、マレーシアから輸入する尿素の安定供給を要請した。尿素は肥料の主な原料の一つで、日本は約5割をマレーシアからの輸入に頼っている。約4割は中国から輸入するが、中国が国内供給を優先して輸出を規制したため、海外からの調達が不安定化している。マレーシア側は、日本の置かれた状況を理解したとし、供給継続へ調整を進めたいとのことであった。

また、化学肥料・農薬の削減など環境負荷低減と食料の安定供給の両立について、気候を同じくするアジアの国々で協力し、スマート農業などで共同研究を進めていくことも確認した。

7月19日・20日にはカンボジアのプノンペンも訪問し、同国のヴェーン農相、リム水資源気象相と相次いで会談し、持続可能な食料供給体制の構築に向けて協力していくことで一致した。

 

5 金子大臣の議員任期が満了、農相の職務は引き続き実施。

金子原二郎農林水産大臣は、7月8日に実施された参議院選挙に立候補しなかったため、7月25日をもって参議院議員としての任期が満了した。衆議院議員、長崎県知事、参議院議員を通じ、政治家としての活動は47年に及ぶ。新たな農相が就任するまで引き続き農相の職にあることとされており、金子農相は、「大臣の任にある限り、全力でその職務を全うしていきたい」としている。

金子農相は7月27日新潟県下へ出張し、有機農業の取組みを視察するとともに、農業者と意見交換を行った。

 

6 その他

  • 主食用米の作付面積が4.3万haの減少

7月27日、農林水産省はコメの需給動向を示した。2022年産の主食用米の作付面積は、前年に対して4.3万ヘクタール減少し、需給均衡に必要な前年実績比3.9万ヘクタール減を達成した。民間在庫量は、平年作の場合2023年6月末に200万となり22年産の価格安定のために適正とされる180万トンから200万トンの範囲内となった。また需要量については、21年産の実績は702万トンであり、22年産の見通しが692万トンであって、見通し通りになれば初めて700万トンを割ることになる。

前年の作付実績との比較としては、都道府県別に見ると減少傾向が40県、前年並み傾向が7県、増加傾向が0県となっている。このような見通しとなったのは、生産者や関係団体が一体となって取り組んだ結果であり、需要に応じた生産が着実に浸透してきていると農水省はしている。

 

・栃木県で豚熱5万4000頭発生

7月23日、栃木県那須烏山市内の養豚場で豚熱が発生し、この養豚場で飼育する5万4000頭が殺処分された。殺処分の規模は過去最大となった。2018年9月の国内再発生の後83例目であり、栃木県内での発生は本年3月以来4例目となった。7月22日に同養豚場で死んだ豚が確認されたことから、県が検査を行ったところ陽性であり、その後国の精密検査で23日に確認された。感染した豚には、ワクチン接種済と未接種の両方がいた。

農水省は、ワクチンは発症を防ぐものであって感染を防ぐものではないとして、使用衛生管理の徹底と異常がある場合の早期通報の徹底を呼びかけている。

 

  • 生乳団体と乳業メーカーの交渉で乳価10円上げが妥結

7月20日、関東生乳販連(指定生乳生産者団体)と乳業メーカー大手3社は、 乳価の期中改定交渉を行っていたが、飲用・発酵乳向け1 kg 当たり10円の値上げで妥結した。11月1日の出荷分から適用される。乳価が期中に改定されるのは、2013年以来9年ぶりのことである。2022年度の乳価は前年から据え置きで決着していたものの、ウクライナ情勢の悪化や円安により飼料価格・資材費などが高騰し生産コストが 4割から5割上昇していることを踏まえて、6月中旬から本格的な交渉を進めていたものである。

東北・九州の指定団体と乳業メーカーとの間でも7月28日、1 kg当たり10円の期中改定を行うこととことで合意した。

 

  • 世界農業遺産に新たに2地域が認定

7月18日、FAO(国連食糧・農業機関)により、山梨県峡東地域、滋賀県琵琶湖地域の2つの地域が新たな世界農業遺産に認定された。これによって日本国内の世界農業遺産は、13地域となった。認定された地域は、将来にわたり受け継がれるべき伝統的な農林水産業が営まれているとされた地域であり、農林水産省は、地域の自信や誇りに繋がるとともに、国民が我が国の伝統ある農林水産業の価値を再認識するきっかけとなることを期待するとしている。