全国山村振興連盟メールマガジンNO62

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2020.2.5

全国山村振興連盟事務局

○上野村で3月14日・15日にシンポジウムを開催

・群馬県上野村では、3月14日(土)から15日(日)にかけて、「第2回フォレスターズチャレンジ2020in上野村」と「第12回新たな多数派の形成をめざすシンポジウム」という2つのシンポジウムを上野村小学校体育館で開催します。

・「フォレスターズチャレンジ」は、3月14日13:30から「温故創新・林業ワークスタイル」というテーマの下に開催され、コミュニティ・ビジネス・テクノロジーを軸に林業経営の新たなステップを目指します。翌15日には現地視察となります。

・「新たな多数派の形成をめざすシンポジウム」は、3月15日9:00から「森とともに暮らす社会をつくる~森里川海の連携をめざして」というテーマの下に開催され、哲学者・内山節氏を中心に意見交換を行い、午後はオプショナル・ツアーとなります。

・詳細は別添の資料をご覧ください。この資料は、山村振興情報2月号にも掲載します。

シンポジウムへの参加は無料(懇親会のみ会費2000円)となっていますので、ふるってご参加ください。

20200104【上野村】R2フォレスターズ開催概要案01152020_3+

 

○2020年1月の農林水産行政

2020年1月の農林水産行政の動向は、以下のとおりでした。

1 CSF(豚コレラ)が沖縄で発生。ASF(アフリカ豚コレラ)対策で議員立法成立。

1月8日、沖縄県うるま市の養豚場で、CSFの52例目・53例目が確認された。その後、1月10日に沖縄市で54例目、15日にうるま市で55例目が確認されている。本州以外で初の発生となり、8県目。沖縄県での発生は、33年ぶりとなった。

江藤農相は、CSFが確認された1月8日に即日沖縄入りし、知事との間で意見交換。直ちに獣医師を200名以上派遣して、殺処分・消毒等を徹底した。

一方、アジアで蔓延しているASF対策をめぐっては自民党議員グループが提案した家畜伝染病予防法改正案を野党側も了解、1月28日に衆議院に提出されて、30日には参議院で全会一致により可決成立した。改正法では、家畜以外の動物を含めて予防的殺処分ができること、指定地域内で移動・放牧・通行の制限や勧告・命令ができることが盛り込まれた。疾病の名称も「豚コレラ」は「豚熱」、「アフリカ豚コレラ」は「アフリカ豚熱」と改められた。2月5日に施行される。

 

2 ベルリン農相会合、ASF国際会議に江藤農相が出席

1月16日、ドイツのベルリンにおいて、農業大臣会合が行われ、71か国・地域の農相・政府幹部と、12国際機関の代表が参加した。会合では、世界の食料安全保障の確立に向け、①貿易の促進、②農業生産基盤の強化、③小規模農業への支援などを含む共同宣言が行われた。このほか、ICT、ASF、気候変動などについても意見交換された。

続く1月17日には、同じベルリンで欧州委員会主催により、ASFハイレベル国際会議が開かれ、中国・韓国・日本も参加。ASFの蔓延防止のため、情報共有、ワクチン開発、持ち込み禁止品の連携など、国際協力をすることが確認された。

 

3 通常国会提出法案は5本、家畜疾病予防・知的財産権保護を重視

農林水産省の通常国会への提出法案は、次の5本となる予定。

  1. 家畜伝染病予防法の改正法案:国境措置を含むCSF・ASF対策の拡充。

このうち緊急を要するASF対策は、前述のとおり議員立法により先行して成立した。

  1. 家畜改良増殖法の改正法案:和牛遺伝資源の不正流通の防止と資源保護対策の強化。
  2. 家畜遺伝資源の不正競争防止法案:精液・受精卵の不正利用に対する刑事罰の強化。差止・損害賠償請求権。
  3. 種苗法の改正法案:新品種の海外持出しを禁止。登録品種を増殖する場合の許諾制。
  4. 森林法の改正法案:森林協同組合の一部事業譲渡・分割ができるようにする。

 

4 農業産出額・農業所得とも4年ぶりに減少(2018年)

2018年の農業総産出額は9兆558億円となり、前年に対し2.8%(2184億円)減少した。これは、野菜・豚肉・鶏卵の価格が低下したことが主な要因とされる。

2018年の生産農業所得は、3兆4873億円となり、前年に対して7.3%の減少となった。原油価格の上昇で、燃動力費が増加したことも所得を押し下げる要因となった。

2015年以来3年連続の増加が続いていた産出額・所得ともに4年ぶりの減少となった。

 

5 その他

(1) SNA発信プロジェクト「BUZZ MAFF」を開始(1月7日)

江藤農相の発案により、農水省若手職員がユーチューブ上に、食や地方の魅力を発信するプロジェクトが始まった。本省5チーム、地方農政局9チームの計14チームでスタートする。上司は口出ししないこととなっており、農水省や行政のイメージを変えることも期待されている。

(2) 根室の漁船がロシア国境警備隊に拿捕(1月15日)

1月15日、歯舞漁協所属のマダラ底はえ縄漁船「第68翔洋丸」がロシアの国境警備局に拿捕され、国後島に連行された。漁船には男性6人が乗船していた。その後、漁船は保証金を支払い解放され、1月20日午後に根室花咲港に到着した。ロシア当局は、「カレイの頭を切り落として船上で加工したのは、日露協定違反だ」等としている。