山村振興通信NO34(全国山村振興連盟都道府県支部・会員の皆様へ)

山村振興通信NO34(全国山村振興連盟都道府県支部・会員の皆様へ)

 

2019.7.3

全国山村振興連盟事務局

 

1 全国山村振興連盟理事会を開催

全国山村振興連盟では、7月2日(火)に副会長会議を行い、続いて7月3日(水)10時30分から全国町村会館2階ホールにおいて理事会を開催しました。一部に豪雨等による被害が生じている地域もある中、全国38都道府県から約60人の方の出席を得て開催しました。

開催に当たり中谷元会長の挨拶があったのに続き、石田祝稔理事・衆議院議員、篠原孝理事・衆議院議員のご挨拶をいただきました。また農林水産省・国土交通省・総務省・林野庁から出席いただいた幹部の挨拶をいただきました。

議事は、①平成30年度決算、②令和元年度の会費、③令和2年度の予算・施策要望でしたが、いずれも原案のとおり承認されました。その後、副会長が関係各省の大臣以下の幹部を訪問して要望書を提出しました。

詳細については、各会員に資料等をお届けするとともに、次号の山村振興情報でお伝えする予定です。

 

2 2019年6月の農林水産行政

(1)植樹祭で天皇陛下が初の地方公務(6月2日)

第70回全国植樹祭は、愛知県尾張旭市で開催され、天皇・皇后両陛下が即位後初となる地方公務を行われた。陛下は森林について、「国民共有の財産」であると強調され、「健全な森を次世代のためにつくっていくことは、私たちに課せられた大切な使命」と述べられた。

 

(2)国有林野管理経営法の改正法が成立

国有林野管理経営法の改正法案が6月5日に成立した。改正法は、国有林野の中の一定の区域について、民間の林業経営者に対し、最長50年間の樹木伐採権を与えるもの。林業経営者は、木材の需要者と連携するものとされている。

また、伐採するだけでなく再造林することを担保するため、林野庁は10年ごとに契約を更新して確認する方針としている。

 

(3)農業・林業・水産の3白書が閣議決定

①平成30年度の行政の動向と②令和元年度に講じようとする施策を取りまとめた3つの白書が閣議決定され、国会に提出された。

(1) 食料・農業・農村白書(5月28日閣議決定)は、①平成30年度に多発した自然災害からの復旧復興、②現場への実装が進むスマート農業、③広がりをみせる農福連携について特集したほか、④農産物輸出、⑤知的財産権、⑥ジビエについてトピックスとして取り上げた。

(2) 林業・森林白書(6月7日閣議決定)は、①災害の発生と復旧の取組、②国連気候変動枠組条約締約国会議、③非住宅・中高層建築物の木造化・木質化、④森林・林業・木材産業とSDG’s、⑤全国植樹祭(福島県)をトピックスとしたほか、⑥今後の森林の経営管理を支える人材について、第1章で記述した。

(3) 水産白書(5月31日閣議決定)は、①水産政策の変革について、平成30年度の漁業法改正により企業の漁業参入(随時の新規許可)が可能となったことを記述するとともに、②水産業に関する人材育成を特集し、就業前の資金交付、現場研修等の支援について記述した。

 

なお、食料・農業・農村白書と森林・林業白書の山村政策関連部分については、山村振興情報1058号で特集しています。

 

(4)農水省に農産物輸出の司令塔組織を設置すると決定(6月4日)

農振水産物・食品の輸出振興に向けた関係閣僚会議(議長・官房長官)は、農水省に輸出促進を担う司令塔組織(輸出促進本部・仮称)を創設することを決定した。この司令塔組織では、①関係省庁の総合調整、②工程表の進行管理を行うこととされ、農林水産省において、①国際交渉、②申請相談、③国・地方検査の加速化を担当することとなった。秋の臨時国会に関連法案を提出する。

 

(5)その他

  1.  棚田地域振興法(議員立法)が成立(6月12日):知事が地域指定し市町村が計画を立てた棚田地域に、関係各省の政策を集中して支援するもの。
  2.  農林漁業成長産業化支援機構(AFIVE)の累積損失が92億円に上る中で、株主総会(6月26日)は退職役員の退職慰労金の支給先送りを決定。
  3.  愛知県で26例目・岐阜県で27例目の豚コレラが発生。(6月12日・23日)
  4.  G20大阪サミット開催(6月28・29日)。これに先立ち、ワシントン・大阪で、日米貿易交渉の事務協議・閣僚級協議を開催。
  5.  「和牛遺伝資源の流通管理検討会」が中間取りまとめ(6月26日):精液・受精卵の流通履歴の記録義務。ストローへの表示義務。罰則強化等。これを受けて、家畜改良増殖法を改正する予定。