山村振興通信NO36(全国山村振興連盟都道府県支部・会員の皆様へ)

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2019.7.19

全国山村振興連盟事務局

 

○NPO等の空き家活用に関する減税・支援措置

空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されてから4年になりますが、国土交通省の調査によりますと、その間の地方自治体による助言・勧告・指導は1万6619件に上り、2018年度に空き家解体を行政代執行した件数は、前年度から6件増えて18件になったとのことです。

NPO等が空き家を活用しようという動きもありますが、こうした場合の減税・補助事業など支援措置についてまとめてみました。

 

1 空家等対策の推進に関する特別措置法(H26法律127)

・この法律の概要は、①国土交通大臣・総務大臣が基本方針を定め→②市町村が対策計画を策定し→③市町村が立入検査・勧告・命令・代執行を行うことができるというもの。

・空き家の活用等に関して、国・地方公共団体は、補助・税制上の措置等を行うものとされている。(15条)

 

2 空き家に関する税制上の特例措置(租税特別措置)

・空き家の相続人が、家屋又は土地を譲渡した場合、譲渡所得に対し3000万円の特別控除が可能とされている。

これは、相続人に対する措置であって、NPO等の活用しようとする者に対する支援措置ではないが、このような減税が可能であることを含めて、NPO等が相続人と話合いをする材料とはなる。

 

3 空き家再生等推進事業(国土交通省)

・令和元年度予算では、社会資本装備総合交付金8713億円等の内訳とされている。

・活用事業タイプ:滞在体験・交流・体験学習等の施設として活用する場合、取得・増改築等費用の2/3以内を国・地方公共団体が助成する。

(国1/3,地方公共団体1/3,民間1/3)

・除却事業タイプ:除却工事等の費用の8割を国が助成する。

 

4 山村振興に関する税制上の特例措置(租税特別措置)

山村振興法に基づく税制特例も、要件が合致すれば使うことができる。

・要件とは、

  1. 市町村が山村振興計画・産業振興施策促進事項を定めていること、
  2. 農産物等地域資源を活用して製造・販売する事業者が、500万円以上の機械・施設を取得すること、

である。

・このいずれの要件にも該当する場合、

  1. 法人税・所得税の割増償却が可能となる。(機械24%・施設36%・5年間)
  2. 不動産取得税・固定資産税を条例で減額することができる。そのための市町村の財源は、地方交付税で補填するものとされている。

 

なお、農産物等地域資源の活用のために空き家を使う場合(レストラン、カフェ、直売所等)には、空き家利用を含めた計画策定等のソフト活動に対して、山村活性化支援交付金(年間最大1000万円定額、3年間)を受けることも可能です。この場合はNPO単独でなく、市町村も入った協議会で交付金を受けることになりますので、詳しくは担当に相談ください。