全国山村振興連盟メールマガジンNO49

全国山村振興連盟メールマガジンNO49

2019.10.25

全国山村振興連盟事務局

 

○山村振興地域での農地転用について

「山村地域において人口減少が進んでいく中、これ以上の人口減少を食い止め、山村地域の維持・活性化を図っていくためには、山村地域に限り農地転用許可基準を緩和すべきではないか」というご意見がありますが、これに対する農林水産省担当部局の考え方を問い合わせたところ、基本的な考え方は、以下の通りでした。

 

1 農地は、食料供給のための生産基盤であることから、 優良農地の確保が極めて重要である。このため、農地転用許可制度においては、基盤整備実施済みの農地など良好な営農条件を備えている農地は、原則転用を認めておらず、農業上の利用に支障が少ない農地へ転用を誘導する仕組み となっている。

 

2 一方で、国土が狭小な我が国においては、住宅地や工業用地等の農業以外の土地利用も考慮する必要があり、特に山村地域においては、高齢化・人口減少が進行する中、山村地域の維持・活性化を図るためには、農業のみならず、農業以外の産業の受け皿を用意することも重要であると考えている。

 

3 このため、農地転用が原則許可されない第1種農地であっても、 ① 農家レストランなど農業振興に資する施設 ② 農業従事者の就業機会の増大に寄与する施設、③ 農村産業法の規定による実施計画に基づく施設、④ 地域未来投資促進法の規定による承認地域経済牽引事業計画に基づく施設などを設置する場合には、例外的に農地転用が許可できることとなっているので、具体的な計画があれば、農林水産省や都道府県農地転用部局等にご相談いただきたい。

 

○移住者用の住宅に関する農振・農転上の取扱いについて

基本的には以上の通りですが、移住者用の住宅については、次のような特例等があります。以下の3に書かれている通知とイメージ図を参考までに別添しておきます。

 

1 農業振興地域制度においては、原則として、農用地区域内の農地に、住宅などの農業以外の目的で施設を設置する場合には、農用地区域からの除外が必要であり、そのためには、土地改良事業後8年を経過しているなど、5つの要件(農振法第13条第2項)を満たす必要がある。しかしながら、除外事由が農家住宅の場合は、地域の農業の振興に関する地方公共団体の計画(農振法施行規則第4の5第26号の2又は第27号)に位置付けること等により、かんがい排水事業等の線的整備を実施後8年が経過していなくても、例外的に農用地区域から除外することが可能となる。

 

2 また、農地転用許可制度においては、住宅を目的とした農地転用の場合において、

① 集落に接続して設置する場合(農地法施行規則第33条第4号)

② 地方公共団体の計画に従って設置する場合(農地法施行令第4条第2号ヘ(6))

には、例外的に許可が可能となっている。

 

3 なお、事務手続に関しては、農用地区域からの除外に際して、公告期間の短縮や、除外手続と転用手続の並行処理等により、事務手続の迅速化が可能なことを通知でお示ししている。

 

20191018転用迅速化通知jinsoku
20191018転用迅速化参考フローイメージ図