自由民主党山村振興特別委員会の新役員がこのほど次のとおり決定された。
委員長 | 衆議院議員 | 金子恭之 | ||
顧問 | 衆議院議員 | 上杉光弘 | 衆議院議員 | 中谷 元 |
衆議院議員 | 保利耕輔 | 衆議院議員 | 細田博之 | |
衆議院議員 | 宮腰光寛 | 衆議院議員 | 山本公一 | |
参議院議員 | 林 芳正 | |||
副委員長 | 衆議院議員 | 伊藤良孝 | 衆議院議員 | 江藤 拓 |
衆議院議員 | 金田勝年 | 衆議院議員 | 亀岡偉民 | |
衆議院議員 | 小島敏文 | 衆議院議員 | 齋藤 健 | |
衆議院議員 | 坂本哲志 | 衆議院議員 | 吉野正芳 | |
参議院議員 | 野村哲郎 | 参議院議員 | 松村祥史 | |
参議院議員 | 若林健太 | |||
事務局長 | 参議院議員 | 山田俊男 | ||
事務局次長 | 衆議院議員 | 鈴木憲和 |
新体制による第1回目の山村振興特別委員会が平成26年10月23日(木)午前8時30分から自民党本部リバティ2・3号において、「山村の現状等及び団体要望について」を議題として開催された。
山田俊男 事務局長の司会で議事が進められ、最初に 金子恭之委員長の挨拶があり、ついで、中谷 元 全国山村振興連盟会長から挨拶があった。
議事に入り、最初に山村の現状について、三浦 進 農林水産省農村振興局長からの挨拶の後、宮森俊光 中山間地域振興課長から資料に基づき説明があった。
次いで、団体要望として全国山村振興連盟の竹﨑一成会長代行(熊本県芦北町長)、棚野孝夫副会長(北海道白糠町長)及び松島貞治副会長(長野県泰阜村長)から、「平成27年度山村振興関連施策・予算に関する要望」及び「山村振興法改正に関する要望」を行った。全国山村振興連盟からは、この他、副会長である奥田 貢 和歌山県北山村長、杉本栄蔵 石川県中能登町長、保科郷雄 宮城県丸森町長及び山野通彦 岡山県矢掛町長並びに岸 廣昭 事務局長が出席した。
その後、山村振興交付金、山村留学、廃校基準、コンパクトシティ、簡易水道への支援、太陽光・風力発電の地域へのメリット措置等について質疑が行われた。
なお、山村振興法改正に関する要望は、次の「山村振興法の延長及び内容充実に関する要望書」に基づき行った。
山村振興法の延長及び内容充実に関する要望書
平成26年10月23日
全国山村振興連盟
昭和40年に山村振興の理念及び振興方策を盛り込んだ山村振興法が制定され、山村地域への国の政策的支援が行われてまいりました。
しかしながら、山村地域においては、生活環境等の整備水準が依然として低位な状況にあり、人口の減少、高齢化に歯止めがかからず、集落機能の低下を招き、山村地域の存続が懸念される状況にあります。また、近年は、鳥獣被害が増大し、耕作放棄地が広がる等、その状況を一層悪化させております。
そもそも、山村地域は、これまで、国土・自然環境の保全、水源のかん養、地球温暖化の防止等の多面的・公益的な機能の発揮に重要な役割を果たしてきましたが、今日、良好な景観や伝統文化が見直され、都市住民の癒しの場としての山村地域への期待がますます高まっております。
このような日本の原風景とでもいうべき山村地域を、我々日本人の心の故郷として維持存続させることが、以前にも増して求められているところです。
そのような中で、山村振興法の期限が平成27年3月末に到来いたしますが、山村地域の現状及びその果たす役割を踏まえ、下記事項を盛り込んだ法改正を実現していただくよう強く要望します。
記
1.要望の視点
現行の法律は、山村地域における様々な面での都市との格差が存在することを前提とし、その格差是正を主目的としているが、今日の集落機能の著しい低下が、山村の有している多面的・公益的価値の維持にとって大きな脅威となっていることに鑑み、改正法においては、都市部を含む国全体にとっての山村の持つ重要性を前提にした、国家的観点に基づいた法律とし、山村振興対策についての国の責任を明確にすること。
山村振興対策に関し、市町村が一定の役割を果たしてきている一方、広域合併が進み、当該市町における山村地域の占める地位の低下もみられる状況のもとで、山村の果たす役割の重要性を再認識すること。また、山村の有する多面的・公益的価値の実現には、そこに住む住民の存在、健全な集落機能の維持が不可欠であり、その視点からの対策の必要性を明確にすること。
2.個別問題についての改正要望
(1)法律の目的
目的においては、山村の公益的・多面的役割が明確に存在すること、山村が都市住
民を含めた国民全体の財産であって、その振興は地方公共団体だけでなく、地域間の交流も含め、国全体で取り組むべき課題であること、山村の役割が十全に果たされるためには、山村に住民が定着し、集落機能が維持されることが必要であることを明確にすること。
(2)山村の定義
格差是正の必要性に関連して、山村に対し誤った印象を持たれる可能性に留意し、
第2条において「文化的水準が劣っている」との表現は避けること。
また、山村の指定の単位は、引き続き旧村単位とすること。
(3)山村振興の目標
現行の目標事項が格差是正のインフラ整備が中心となっていることを改め、山村の
役割は、そこに住民が定着し、集落機能が維持されることによって発揮されることも念頭に置き、ソフトを含め、山村振興に向けたより幅広い事項を位置付けること。
(4)国及び地方公共団体の施策
厳しい財政事情等を背景に、地方公共団体の地域に密着した行政力が低下している
今日、山村振興の責任を地方公共団体だけでなく、国の責務としても取り組むことが重要であり、「国が、山村振興目標に沿って山村振興施策を総合的積極的に実施する」旨の規定とすること。
山村振興をより効果的に促進する観点から、山村を対象とする形で、山村の特色あ
る豊かな地域資源を活用し、雇用・所得の創出や魅力ある地域づくりに向けた創意ある工夫取組を総合的に支援する使い勝手の良いソフト施策を創設すること
(「山村振興交付金」として現在要求中。)
(5)振興山村の指定、山村振興基本方針、山村振興計画
山村振興基本方針については、(3)の山村振興の目標に即したものとし、事項については、地域の特性に合わせて地域の創意工夫を発揮できるよう、柔軟なものとすること。山村振興計画については、計画事項を、山村振興基本方針に即したものとすること。また、市町村合併等により、各振興山村の状況が多様なことも踏まえ、計画事項は、地域の特性に合わせて創意工夫を発揮できるよう、柔軟なものとすること。
国、都道府県は、必要に応じ、山村振興計画の作成等のために必要な助言を行うよ
う努めること。
(6)山村振興計画に基づく地方債への配慮
地方債の配慮については、山村の脆弱な財政状況を考慮し、引き続き、特別の配慮
について記載すること。
(7)保全事業、課税の特例
山村地域の実態に即し、国税、地方税を含め、農産物の製造・加工のための施設や
集落維持、山村活性化のために必要な施設を対象とした現行の税制特別措置を延長
するとともに、その内容の充実を図り、対象事業の拡充、割増償却制度の導入、機械等の取得価額の引き下げを行うこと。
(8)制度資金
政策金融公庫からの融資については、引き続き、その確保を図ること。
(9)配慮事項
山村の特性を加味し、その内容の充実を図ること。
(10)主務大臣
以上の改正の内容に即し、主務大臣の拡充を図ること。
(11)適用期限の延長
適用期限を平成37年3月31日までとすること。