四国森林管理局長と四国4県知事主催による、四国の森林整備のあり方について語り合う「みんなでつくる次代に引き継ぐ四国の森づくり〜森林と共生する文化の創造〜」と題するシンポジウムが11月14日、高知県長岡郡本山町プラチナセンター文化ホールで開催された。
 シンポジウムでは、森林整備を促進するために、全国に先駆け、1つの地方として、行政の壁を越え、四国山地の森づくりに関する相互の協力関係を明らかにする「四国の森づくりに関する共同宣言」が行なわれた。
 また、新たに毎年11月11日を「四国山の日」に定め「四国はひとつ」のスローガンのもと、四国の県民が一緒になって、森林を守り育て、共有財産としての森林づくりを推進する。
 四国4県は、脊梁山脈である四国山地を共有しており、中央構造線の存在もあいまって、山地崩壊等の自然災害に対して脆弱であり、瀬戸内海側においては、慢性的な水不足等に直面している。四国の森林は、これら自然環境に対して、水源のかん養、国土の保全、地球温暖化防止など森林の有する多面的な機能の発揮等を通じ、様々な形で四国の各県民の生活に寄与しているとの共通認識に立っている。

【四国の森づくりシンポジウムの主な内容】

(1)

第1部 四国の森づくりシンポジウム(10:00〜12:00)
基調トーク(朗読:日色ともゑ氏・四県団体とのトーク)
パネルディスカッション
パネラー 徳島県知事 飯泉 嘉門氏、香川県知事 真鍋 武紀氏
愛媛県知事 加戸 守行氏、 高知県副知事 吉良 史子氏
四国森林管理局長 山根 祥生氏
コーディネータ 愛媛大学農学部教授 泉  英二氏
共同宣言および調印式

(2)

第2部 四国の森づくり交流会(13:00〜15:30)
(4県のボランティア団体との交流会)
主 催: 四国の森づくり実行委員会(嶺北交流ふれあい推進協議会、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、四国森林管理局)

【四国の森づくりに関する共同宣言】
1 趣旨
 四国山地を中心として構成される四国の森林は、水源のかん養、国土の保全、自然環境の保全、地球温暖化防止のための二酸化炭素の吸収・固定、人に優しい循環型資源としての木材供給など多面的機能を有し、様々な形で四国の各県民生活に役立っている。
 この森林の有する多面的機能を十分に発揮させるためには、森林整備の実施、木材利用の推進、森林環境教育活動の推進等について、民有林と国有林が協力して取り組むことが今後、益々重要となっている。
 このため、四国4県の豊かな生活環境の実現、森林資源の循環利用等森林の多面的機能の高度発揮の実現に向けて、四国4県と四国森林管理局は、以下のとおり四国の森づくりに関する協力関係を明らかにするものである。
2 取組内容

多面的機能の発揮に向けた森林整備の推進
 水源のかん養、地球温暖化防止等森林の持つ多面的機能を十分に発揮するため、林業従事者の育成・確保を図りながら、針広混交林化など多面的機能の向上に配慮した森林整備を積極的に推進するとともに、四国の豊かな森林の生態系をより良い形で次の世代 に引き継いでいくことに努めるものとする。

木材の利用推進
 木材の利用を推進することは、森林の持つ多面的機能の発揮を通じて地球温暖化の防止や資源循環型社会の形成に資するものであり、また、地域の森林で生産された木材を幅広く利用することは、地域の森林の適切な整備と、地域の活性化に資するものである。 このため、公共事業等への木材の積極的活用を推進するとともに、新たに利用法の開発 など木材利用拡大に向けた取組を深め、地域材の安定的需要拡大を図ることとする。

森林環境教育活動の推進
 森林・林業への理解を深めるため、広く四国の県民に対する普及啓発、ボランティアの育成や交流、森林環境教育活動等を積極的に推進することとし、体験学習のフィールドの提供や教育プログラムの共用、情報交換等を推進することとする。

四国山の日の創設
 「四国はひとつ」というスローガンのもと、四国の県民が一緒になって大切な四国の森林を守り育て、四国の各県民の共有財産としての四国の森づくりを推進するため、「四国山の日」を創設することとする。

平成16年11月14日  ここに宣言する。


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