政府は、平成16年11月19日第7回『観光カリスマ百選』選定委員会を開催し、25日に選定結果を発表した。今回は、次の16人の方が新たな観光カリスマとして選ばれた。なお、第6回『観光カリスマ百選』選定委員会で選定された高塚猛氏より、平成16年10月22日付で、観光カリスマ辞任(返上)の申し出を受け、『観光カリスマ百選』選定委員会にて諮った結果、この申し出を受理したので、今回の選定者とあわせた観光カリスマの総数は、87件89人となった。

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【観光カリスマとして選定された方々(敬称略・50音順)】

1)

朝廣 佳子 (株)読売奈良ライフ代表取締役兼編集長(奈良県奈良市)
 奈良公園付近一帯を幻想的なろうそくの灯りを用いて演出する「なら燈花会」の第1回目から実行組織リーダーを務めている中心的人物。このイベントをボランティアの協力による市民主体のイベントとして地域に根付かせるとともに、多くの来訪者を呼び寄せることができる「奈良の夏の一大イベント」として成長させることに貢献し、第6回目となる2004年(平成16年)は期間中(11日間)に70万人もの誘客に成功している。


2)

天谷 光治  福井県大野市長(福井県大野市)
 城下町の歴史と文化を生かした「まちなか観光」を推進。全国の大野姓の人々によるさまざまな交流や情報の受発信を行う「平成大野屋事業」を展開し、大野市の全国的な知名度アップに取り組んでいる。また、地域住民の自主的なまちづくり活動の契機となる「越前大野平成塾」や「明倫館事業」などの人づくり活動やブナ林の保全施策等の行政版環境保全活動にも取り組んでいる。


3)

石河 智舒 「ゆずの里かおり村」会長(栃木県茂木町)
 過疎化、高齢化が進む地域において、「ゆず」を地域特産物とした地域興しを提案し、「ゆずの木オーナー」の立ち上げや「ゆず祭り」等のイベントの開催により、16戸の集落に年間2万人の観光客を集めるなど、都市農村交流推進の立役者として地域活性化に大きく貢献している。


4)

上地 長栄  沖縄県観光事業協同組合 代表理事(沖縄県那覇市)
上地 健次  (株)国際サンゴ加工所 代表取締役社長(同上)
上地 敏夫  多幸山(株) 代表取締役社(沖縄県恩納村)
 近代化が進むなか、建て替えられようとしていた沖縄の伝統的民家7棟を恩納村に移築。琉球村として生活感のある古き良き風景を再現した。施設では地域のお年寄りを多く採用し、伝統行事の披露を行っているほか、各民家では染織や陶芸、三線などの教室を開いて、多くの人々が琉球文化の真髄を身近に体験できる機会を提供している。琉球を愛し、体感できる形で琉球文化を観光施設と一体化することに成功、琉球文化の紹介と継承に貢献している。


5)

小椋 唯一 (社)福島県観光連盟 企画委員(福島県猪苗代町)
 修学旅行、体験型校外学習等の教育旅行を、地元猪苗代町のみにとどまらず、福島県、東北地方へ誘致するべく豊富な知識とノウハウを駆使し新しい企画を打ち出しながら活動を行い、誘客を推進しており、観光産業をはじめとする地域の振興に貢献している。また、磐梯高原地域のプロガイド組織の設立にも大きく関わり、人材育成にも注力している。


6)

加藤 文男  千葉県富浦町総務課長(千葉県富浦町)
 「道の駅とみうら・枇杷(びわ)倶楽部」の初代駅長として、計画の立案から、開設後の運営管理に取り組み、特産の枇杷を活用した商品開発や、集客資源を広域的に束ねて誘客する「一括受発注システム」を稼働させ、地域経済を拡大させるとともに道の駅運営法人の黒字経営を持続させた。また、人形劇などの地域文化の磨き出し、インターネットを活用した広域情報の発信による地場産業振興など、多角的な手法で広域的な地域振興にも努めた。


7)

黒目 友則  (株)アイズ代表取締役(鳥取県境港市)
 全国でも例のない妖怪をテーマにしたまちづくりを市の職員、そして民間人として進め、それまで観光客の訪れることのなかった境港市の中心市街地に多くの観光客を呼び込み、空き店舗ばかりが目立ち寂れていた商店街にも活気を取り戻した。


8)

斎藤 文夫  川崎市観光協会連合会会長(神奈川県川崎市)
 東海道の宿場として栄えた川崎宿の復興をめざし、川崎市の観光振興に寄与するために、私財を投じて江戸風の「川崎・砂子の里資料館」を開設した。また、地域の有志を募り二度にわたって市民の手作りによる「大川崎(宿)祭り」を成功させ、市内外に「川崎宿」の存在を知らしめ、川崎市のイメージアップに貢献している。現在は、川崎市観光協会連合会会長として、観光不毛の街であった川崎市を「観光都市・かわさき」へと市民レベルから育てていくことに全情熱を傾けている。


9)

渋川 恵男  会津若松商工会議所副会頭(福島県会津若松市)
 空洞化が進む中心市街地の会津若松市七日町通りに、かつての賑わいを呼び戻すため、蔵や木造商家、洋館などの既存建物を活かした街並み整備を推進するための組織化を図り、建物の修景と併せた業種転換・空き店舗の活用や、骨董市、ジャズライブ、女性による着物ウォークなどのイベントも開催。ハード・ソフト両面での誘客増加策を展開し「まちなか観光」の推進に寄与している。


10)

刀根 浩志  和歌山ほんまもん体験倶楽部事務局(和歌山県海南市)
 自然豊かな農山漁村に訪れ、ほんものの田舎を体験したい都市住民のニーズに応え、各地域の体験インストラクター等の人材育成に取り組むとともに、県の推進する体験交流型観光の充実を図るため、民間有志により設立された「和歌山ほんまもん体験倶楽部」の事務局として体験プログラムのコーディネートや体験受け付けの窓口などを担い、農山漁村部の潜在的な価値の再認識等による体験交流型観光の定着を図るなど、地域の活性化に貢献している。


11)

西下 はつ代 (株)ブルーベリーオガサ代表取締役(静岡県小笠町)
 農業に憧れ、自動車部品製造業の夫の片腕から老後も楽しく働ける農業の世界へ転身し、観光農園「ブルーベリーの郷」を開園。ゼロから始めた農業を「観光農園」として施設を充実させる他、苗木の販売、オリジナル商品の開発を行うなど、地域観光の目玉とするとともに、地域の活性化に貢献している。


12)

福島 信行  長野県白馬村長(長野県白馬村)
これまで白馬村の観光の主軸となっていたスキー観光の他に、優れた景観や農村資源、地形的条件等を活かした通年型・滞在型観光地としての白馬村の観光振興に尽力している。また、白馬村の楽しさを提供できる名人を登録し、旅行客の案内や引率に参加してもらう「白馬マイスター制度」を誕生させ、新たな手法で白馬村滞在の魅力を提供している。


13)

福田 興次 (株)福田農場ワイナリー代表取締役社長(熊本県水俣市)
 観光農園経営とあわせて、地元特産である甘夏みかんの加工品の開発・販売、自家生産・地域の特産品にこだわった食材の提供、地ビールの製造・販売を行い、年間20万人を超える観光客等の誘致を実現。誘客効果と全国販売を行う地元ブランドの特産品により水俣地区の活性化・イメージアップに多大な貢献をしている。


14)

萬谷 正幸 (社)石川県観光連盟副会長(石川県加賀市)
 団体遊興型温泉観光地を個人・時間消費型観光に対応させるため、旅館施設の一部開放、空き旅館・空き店舗対策事業を自ら率先して着手したほか、加賀市や山代温泉商工振興会の実施した諸事業促進にも尽力し、温泉地内の早期再生に努めた。また、加賀商工会議所の活動では、セミナー・研修会・視察を意欲的に実施し、市内の活性化・市民意識のボトムアップにも努め、地域の再生・活性化・産業振興に尽力している。



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