平成15年度全国山村振興連盟北海道・東北六県山村振興ブロック会議が、去る6月10日・11日の両日山形県支部(支部長 上田郁雄大江町長)の主催で山形県天童市において開催された。 |
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(北海道支部) | |
1. |
「新山村振興等農林漁業特別対策事業」の着実な推進を図るため、必要な予算の確保を図ること。 |
2. |
山村地域における森林・林業行政の充実を図るため、地方交付税においては、測定単位を森林面積とする「森林・林業行政費」を新設すること。 |
3. |
農林業の停滞、就業の場の減少など、山村地域が直面している厳しい状況に配慮し、「国土保全対策」「森林・林業振興対策」等、地方財政措置の充実を図ること。 |
4. |
中山間地域における多面的機能の維持・増進のため、これら地域を対象とする各種事業の総合的・計画的推進と支援措置の強化を図ること。 特に中山間地域等直接支払制度を円滑に推進するため、地方交付税については、地域の負担実態に即した十分な財政措置を講じること。 |
5. |
廃棄物焼却処理施設の解体については、労働安全衛生規則の一部改正によって、作業を行う際、ダイオキシン類による曝露防止対策が必要となり、市町村の費用負担が増大することから、施設解体に対する補助制度を創設すること。 また、解体した施設に残る起債の償還金についても、何らかの財政支援を講じること。 |
(青森県支部) | |
1. |
過疎化・高齢化が進んでいる山村地域の産業基盤及び生活環境の改善のため、新山村振興等農林漁業特別対策事業の予算枠を確保し、事業の着実な実施について特段の配慮を行うこと。 |
(岩手県支部) | |
1. |
平成17年3月末に期限が到来する山村振興法の延長に向けて、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策の総合的かつ計画的な推進を図ること。 |
2. |
新山村振興等農林漁業特別対策事業の推進を図ること。 |
3. |
市町村合併については、山村地域の実情に十分配慮し、真に自主的なものとなるよう、いかなる形であれ強制しないこと。 |
4. |
学級編成の複式学級基準について、地域の実情に沿った編成ができるよう権限の移譲を早期に行うとともに、少人数学級に対応した教職員配置の充実を図ること。 |
5. |
水田農業政策・米政策の改革について |
(1) |
農業者や集落の自主性と創意工夫による水田農業改革の取り組みを推進するとともに、水田農業経営確立対策を強化すること。 |
(2) |
米政策の改革に当たっては、農業者をはじめ関係者の理解のもとに、生産調整の実効性を確保すること。 |
6. |
中山間地域等直接支払制度を平成17年度以降も存続するとともに、中山間地域等の振興を図ること。 |
7. |
グリーン・ツーリズムの普及・定着化を図り、都市と農山漁村の共生・対流を一層推進すること。 |
8. |
税財源措置が伴わない市町村道の補助金廃止は単なる地方への負担転嫁であるので、応分の財政措置を講じ、県・市町村道及び特定地域の開発のため道路整備の促進を図ること。 |
(宮城県支部) | |
1. |
中山間地域対策の総合的な推進について |
(1) |
新山村振興等農林漁業特別対策事業の計画的かつ着実な推進を図るため平成16年度以降の事業実施地区数及び予算枠を十分確保すること。 |
(2) |
中山間地域総合整備事業と生活環境整備事業(交流宿泊施設その他)の早期完成と財源措置の充実強化を図ること。 |
(3) |
担い手育成基盤整備関連流動促進事業の早期完成による生産基盤の整備、農地の集約化等による生産コストの低減化を図ること。 |
(4) |
中山間地域等直接支払制度の継続性と農家所得の安定対策として交付単価の増額を図ること。 |
2. |
森林整備事業の推進について |
森林整備事業を強力に推進するため、森林整備事業の国庫補助率を10割とし、間伐材の搬出費も事業に組み入れること。 | |
3. |
森林交付税制度の創設及び山林面積を単位費用とした交付税制度の改正について |
水資源は、森林という公益的機能により生み出されるものであり、森林の保全は極めて重要な国民的課題である。 しかし、広大な森林を有する多くの市町村においては、就労者の減少が進み、森林を維持管理することが極めて困難な状況に直面している。 ついては、森林面積に応じた別枠での交付税措置の実現を図ること。また、基準財政需要額に少なくとも山林面積1ヘクタール当たり1万円を算入する措置を講じること。 |
(秋田県支部) | |
1. |
山村振興法の延長について |
これまでの数次にわたる山村振興法の延長により、秋田県内山村における産業基盤及び生活環境の整備が一段と進展し、地域住民に活力を与え、豊かな山村社会の形成に大きな役割を果たしてきたところである。 しかしながら近年、多くの山村では人口が減少し、高齢化が進行していることに加え、深刻な経済不況に伴う地場産業の低迷や、更には現下の市町村合併に伴う一層の衰退が懸念されるなど、山村はかってない厳しい状況に置かれている。 |
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2. |
中山間地域等直接支払制度の継続について |
秋田県の農村においては、過疎化や高齢化が進行し担い手が不足する中で、農産物価格の低迷等により、耕作放棄地が発生しており、特に平地に比べて自然的・社会的条件の不利な中山間地域では、その増加が著しい状況にある。 このような中で、本制度の集落協定に基づく共同取組活動を通じて、集落内の話し合いの場が復活し、生産性の向上や担い手の定着に向けた新たな動きなども出てきているほか、協定農用地内では耕作放棄地の発生が抑制されるなど、制度の効果が発現しているところである。 ついては、本制度は農業生産活動等の維持を通じて、農業・農村の有する多面的機能を確保するうえで重要な制度であるので、その根幹を堅持しつつ本制度を継続するよう要望する。 |
(山形県支部) | |
1. |
財源確保対策の強化 |
(1) |
森林保全対策、山村振興対策への財政支援として実施されている「森林・林業振興対策」及び「国土保全対策」の拡充継続 |
(2) |
山村地域町村の財政安定を図るための森林交付税制度の確立 |
(3) |
過疎債・辺地債の所要額の確保 |
2. |
産業振興、交流促進、担い手の確保 |
(1) |
山村地域の個性を活かした、産業振興、交流促進、担い手の確保等、地域の活性化に不可欠な「新山村振興等農林漁業特別対策事業」の推進 |
3. |
生活環境基盤の整備促進 |
(1) |
山村・過疎地域における基幹的施設である町村道、農道、林道等の整備 |
(2) |
公共下水道事業、農業集落排水資源循環統合補助事業、合併処理浄化槽設置整備事業等による生活廃水処理施設整備事業の推進 |
(3) |
住民が安心して生活できるための地域医療、福祉施設等の整備 |
4. |
移動通信用鉄塔施設整備事業の促進について |
携帯電話・自動車電話等の移動通信は、いまや日常の通信手段として欠かせないものであり、社会のインフラとして不可欠なものとなっている。 山形県においても、平場地域は全域サービスエリアとして整備されているが、山間部においては、依然としてサービスエリア外となっている地域が多く存在している。 山形県の山間部には、その自然景観等を活かした観光地域が多く、移動通信システムの整備は、観光振興の観点だけでなく、事故・災害発生時等の防災の観点からも、その必要性が高く、早期整備が大いに期待されている。 よって、国は、山間地域を中心とした本事業の一層の促進について、実現されたい。 |
(福島県支部) | |
1. |
平成16年度で期限切れを迎える山村振興法の延長に向けた取り組みを図ること。 |
2. |
山村振興対策の基幹的事業である新山村振興等農林漁業特別対策事業の計画的な推進及び必要予算の確保を図ること。 |
3. |
平成16年度で実施期間が終了する中山間地域等直接支払制度の継続的な実施を図ること。 |
4. |
山村において特に遅れている生活環境基盤整備の充実強化を図ること。 |
5. |
山村が果たしている公益的・多面的機能について、国民全体に対し理解を深めてもらうための啓発対策の充実を図るとともに、それら機能を今後とも担えるよう、山村地域に対する新たな税制措置等を講じること。 |