地域活性化事業要綱決まる
  
総 務 省

  

   

 総務省は、平成14年度から新たに創設する地域活性化事業の要綱を4月26日付けで総務事務次官名をもって都道府県知事等に通知した。また、同日付けで総務省自治財政局地方債課長名で本事業債の実施に関する取り扱い要領を都道府県総務部長に通知した。
 地域活性化事業は、地域の活性化に向けて、いわゆる重点7分野について地域の基盤整備事業を行う場合、財政支援を講ずることとしたものである。なお、13年度までの地域総合整備事業は、13年度中に既に事業を手がけているものは、経過的に地域総合整備事業の対象として従来どおりの財政措置を行うこととなっている。

   
【地域活性化事業要綱の概要】

  

○循環型社会形成事業要綱
(平成14年4月26日付け総行自第41号)

第1 趣 旨
 
 現代の大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済活動や生活様式から生じる大気環境や自然環境、生態系などへの負荷が、浄化能力を超えて自然の物質循環を阻害し、公害や自然破壊をはじめとした様々な環境問題などを生じさせている。さらに、農山漁村地域においては、水資源のかん養、自然環境の保持等、国土保全という重要な公益的機能の低下も憂慮されている。このような環境問題等を解決するためには、自然の物質循環を健全な状態に回復させるとともに、その状態を維持することが必要である。
 このため、地方公共団体が、その区域の自然的社会的条件に応じて、物質循環を促進するための施策の策定、実施などに自主的、積極的に取り組むことが必要である。
 このような状況を踏まえ、自然再生・地球温暖化対策及び国土保全対策への取組を支援するため、財政措置を講じることとする。

  
第2 循環型社会形成事業計画の策定
  
循環型社会形成事業を実施しようとする地方公共団体は、循環型社会形成事業計画(以下「計画」という。)を策定し、総務省に提出するものとする。
なお、市町村(政令指定都市を除き、特別区を含む。)の計画は、都道府県の担当部局を経由して、総務省に提出するものとする。
計画の策定にあたつては、事業の概要、事業費、財源内訳、事業スケジュール等を定めるものとする。
計画の様式及ぴ記載要領は別途通知する。

  

第3 対象事業
  
 詳細は別に定めるところによるが、対象事業を例示すると次のとおりである。

   

1 自然再生・地球温暖化対策事業

(1)

藻場・干潟の造成、保全
海藻類着生地造成、消波堤等の設置、人工干潟造成、土留堤の設置等

(2)

生物多様性の確保
生物の生息空間や移動空間の形成・保全等

(3)

クリーンエネルギー等活用の促進
庁舎、校舎への太陽光発電システムの整備、一般公用車として利用する低公害車の取得等

(4)

その他本事業の目的を達成するために特に必要と認められる施設等の整備
  
2 国土保全対策事業

(1)

森林の保全整備
 地域環境保全や公益的機能保全のための森林の整備

(2)

農地の整備
1)農山村における小規模土地改良、小規模ほ場整備及ぴ小規模かんがい排水(排水路、用水施設、道路、区画整理等)の整備
2)小規模農地等保全管理(地すべり対策、ため池整備等)

(3)

若者の定住促進やUターン・Jターン・Iターン者等就農希望者のための貸付用住宅の取得、整備等

(4)

国土保全の見地から行う耕作放棄地、荒廃林地の取得及び整備等

(5)

都市住民との交流施設等の整備
1)花畑、園地造成
2)就農等希望者用研修施設、農林産物需要拡大施設等の整備

(6)

景観保全施設の整備
 棚田、水車小屋及び井戸の取得及び保全のための大規模改修等

(7)

国土保全対策を実施する第三セクター等への助成
1)農作業受託、森林の管理受託、その他国土保全の目的に資する業務を行うことを目的とする一定の第三セクター等(公的出資のみによる公社を含む。)の設立のための出資又は増資
2)上記(1)から(6)までの業務を一定の第三セクター等が行う場合の当該第三セクター等に対する助成
  
第4 財政措置
   
 計画に基づく事業については、地域活性化事業債を充当し、その充当率は、、おおむね75%とする。その元利償還金の30%に相当する額については、後年度、普通交付税の基準財政需要額に算入する。
   
第5 事業の開始年度
  
 平成14年度から平成16年度までの3年度間に開始する事業を対象とする。
   
   

○少子・高齢化対策事業要綱
(平成14年4月26日付け総行地第40号)
  
第1 趣 旨
  
 急速な少子・高齢化、国際化等により住民の二一ズが多様化する中、地方行政にとって高齢者、障害者をはじめとして、女性や児童、外国人等すべての人が自立していきいきと生活し、人と人との交流が深まる共生型の地域社会を実現することが重要な課題となっている。
 このような状況を踏まえ、共生型の地域社会を実現するために地方公共団体が実施する基盤整備を支援するため、財政措置を講じることとする。

   

第2 少子・高齢化対策事業計画の策定
  
少子・高齢化対策事業を実施しようとする地方公共団体は、少子・高齢化対策事業計画(以下「計画」という。)を作成し、総務省に提出するものとする。
なお、市町村(政令指定都市を除き、特別区を含む。)の計画は、都道府県の担当部局を経由して総務省に提出するものとする。
計画の策定にあたっては、事業の概要、事業費、財源内訳、事業スケジュール等を定めるものとする。

計画の様式及ぴ記載要領は別途通知する。

   

第3 対象事業
  
 詳細は別に定めるところによるが、対象事業は次のとおりである。

ユニバーサルデザインによるまちづくり(すべての人にやさしいまちづくり)

地域の少子高齢化社会を支える保健福祉施設整備

共生社会を支える市民活動支援のための施設整備

大学・短期大学である看護師等の養成のための施設整備

  

第4 財政措置
  
 計画に基づく事業については、地域活性化事業債を充当し、その充当率はおおむね75%とする。その元利償還金の30%に相当する額については、後年度、普通交付税の基準財政需要額に算入する。
 また、ユニバーサルデザインによるまちづくり(すべての人にやさしいまちづくり)や大学・短期大学である看護師等の養成のための施設整備等、特に推進すべき事業にあっては、さらに財源対策債を充当し、その充当率をおおむね15%とする。その元利償還金の50%に相当する額については、後年度、普通交付税の基準財政需要額に算入する。

   

第5 事業の開始年度
  
 平成14年度から平成16年度までの3年度間に開始する事業を対象とする。

   

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