平成12年度の林家の林業経営収支

農林水産省統計情報部

 農林水産省統計情報部は、平成12年度の林家の林業経営収支(林家経済調査結果)を取りまとめ平成13年12月7日公表した。

1.要 旨

 平成12年度の全国林家(林家1戸あたり平均)の林業動向を見ると、林業粗収益は107万円で前年度に比べ13.5%減少した。また、林業経営費は81万円で前年度に比べ7.8%減少した。
 この結果、林業所得は26万円で前年度に比べ27.4%減少した。        

主要指標の動向(1戸あたり平均)

単位[金額:万円 減率:%]

区  分

平成12年度

平成11年度

対前年度増減率
林 業 粗 収 益 107 123 △13.5
 うち立木販売部門 22 28 △22.8
   素材生産部門 62 69 △10.2
   きのこ生産部門 11 13 △11.0
林 業 経 営 費 81 88 △7.8
林 業 所 得 26 36 △27.4
労働投下量(人日) 50 53 △4.5

 

2.解 説

(1)林業経営収支の概要(1戸あたり平均)

○林業粗収益:林業粗収益は107万円で、前年度に比べ13.5%減少した。
 これは、林業粗収益の多くを占める素材生産部門、立木販売部門が素材価格の低下等から前年度に比へそれぞれ10.2%、22.8%減少したのをはじめ、きのこ生産部門においてもきのこ価格の低下等から減少したためである。

○林業経営費:林業経営費は81万円で、前年度に比べ7.8%減少した。
これは、林業経営費の5割を占める雇用労賃、請負わせ料金が林業作業の減少から前年度に比へそれぞれ8.7%、2.4%減少したのをはじめ、建物維持費、材料費及び賃借料・料金等のほとんどの費目で減少したためである。

○林業所得:林業所得(林業粗収益から林業経営費を控除した額)は26万円で、林業料収益の減少額が林業経営費の減少額を上回ったため、前年度に比べ27.4%減少した。

○労働投下量:林業の労働投下量は50人日で、前年度に比べ4.5%減少した。
 このうち、家族労働は43人日、雇用労働は7人日で、素材生産等の作業の減少から前年度に比べそれぞれ4.2%、6.4%減少した。
 一方、請負わせ作業量は18人日で、前年度に比べ7.1%減少した。

(2)保有山林面積規模別にみた林業経営収支の概要(1戸あたり平均)
  
○林業粗収益:林業粗収益を規模別にみると20〜50ha未満階層は65万円で19.6%(16万円)減少、50〜100ha階層は157万円で7.5%(13万円)減少、100〜500ha階層は463万円で8.8%(45万円)減少した。

○林業経営費:林業経営費を規模別にみると、20〜50ha未満階層は48万円で14.6%(8万円)減少、50〜100ha階層は109万円で1.7%(2万円)減少、100〜500ha階層は385万円で2.9%(12万円)減少した。

○林業所得:林業所得を規模別にみると、20〜50ha未満階層は17万円で31.0%(8万円)減少、50〜100ha階層は48万円で18.4%(l1万円)減少、100〜500ha階層は78万円で30.1%(33万円)減少した。

○労働投下量:労働投下量を規模別にみると、20〜50ha未満階層は43.7人日(2.2%減少)、50〜100ha階層は70.6人日(6.4%減少)、100〜500ha階層は84.4人日(ll.3%減少)となっている。

  
保有山林面積規模別にみた林業経営収支単位

[金額:1,00円  増減率:%]

区  分

20〜50ha未満

50〜100ha

100〜500ha

金   額
林業粗収粗収益 651.0 1,568.4 4,628.4
林業経営費 480.2 1,090.9 3,852.9
林業所得 170.8 477.5 775.5

林業労働投下量(人日)
43.7 70.6 84.4

対前年度増減率
林業粗収益 △19.6 △7.5 △8.8
林業経営費 △14.6 △1.7 △2.9
林業所得 △31.0 △18.4 △30.1
林業労働投下量 △2.2 △6.4 △ll.3

  

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