[自由民主党山村振興対策特別委員会 委員長 大原一三氏]


 扇大臣のご挨拶、まさに気合のかかったごあいさつをいただいて、これで山村も馬力が出るんじゃないのかなという感じがいたしました。
 私は、皆さん方の連盟の会長にご就任頂く保利先生と、いろいろご相談をしながら来年の予算編成に取り組んでおります。皆さん方のご要請は、沢山ございます。夏の予算要求にはじまり、いよいよ予算編成の最終版に入るわけでございますから、きょうお集まりの山村振興の、特に自民党の先生方と一緒になって皆さん方の要求の実現に努力をしてまいる季節がやってまいりました。きょうの皆さん方のお集まりもそういう趣旨であろうと思っております。
 今もお話がありましたように、山村を取り巻く環境は極めて厳しゅうございます。労働省の見通しによりますと、現在8,500万人いる生産年齢人口が50年後には5,500万人に減るんです。つまり、1年間に日本の労働力は60万人ずつ減っていく。日本列島の75%を占める山村に、現状でさえ新規学卒者の就業はわずかに200人しか入ってこない。厳しい山村を取り巻く状況を考えると、今後の数字はどうなるのかご賢察の通りであります。
 そうなったときに、国土の7割強を占める山村は一体誰が守るのかという大きな課題を政治は担っていかなけれぱなりません。国や公共の役割が明らかに比重を増さなければ、この緑と国土は守っていけないという事態になるのであります。
 そういう意味で、21世紀の山村は国の財産であります。アメリカでは各地域に広大な国立公園があります。これを全部、国のお金で守っているわけであります。それらのことを考え合わせると、我々が今後果していかなければならない国の役割、もう一歩、二歩、三歩も進めていかなければならない課題を我々国会議員は背負っていると思います。
 今日は、扇大臣、大変やりがいのある大臣をお迎えいたしました。我々議員連盟も力を合わせて扇大臣をもり立て、今回の予算獲得には万全を期したいと覚悟しております。皆さん方のさらなるご支援とご協力を心からお願いしてごあいさっといたします。ご静聴ありがとうございました。

       

     

    

[全国町村会長(福岡県添田町長) 山本文男氏]

 全国町村会長の山本でございます。町村長の皆さん方を代表させていただきまして、本日の全国山村振興連盟の臨時総会に当たりまして一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。
 全国山村振興連盟には長年にわたりまして、山村地域の振興発展に取り組んでこられましたことに対しまして深く敬意を表し、この臨時総会が関係者多数のご出席のもと、かく盛大に開催されますことを心からお喜びを申し上げいと思います。また、日ごろより全国町村会の活動に対し、格別なご支援をいただいておりますことにも、心からお礼を申し上げたいと思います。
 さて、山村地域では過疎化、高齢化の進行により集落の存立が危ぶまれる地域が増加するなど、大変厳しい状況が続いております。地域の基幹産業である林業は価格の低迷、輸入木材の増大等により経営が悪化をしておりますことはもうご承知のとおりでございます。また、21世紀における持続可能な循環型社会の構築に向けて、森林の酸化炭素吸収機能等、森林への国民の期待は大きくなうておりますが、林業経営の採算性の低下、相続による森林保有の細分化等により、適切な管理の行われない森林の拡大が懸念されております。
 このような中で、水源の涵養、国土保全等広域的機能を担う山村地域の振興発展を図るためには、森林に対する国民的理解の醸成を図ることとともに、財政力の弱い山村に対する一層の財政支援の強化と、農業分野と同様、森林・林業を対象とした直接支払制度の導入が必要と考えられます。
 現在、林業政策の見直しが進められ、来年には新しい林業基本法が制定される予定であると聞いておりますが、新しい基本法では森林の適切な管理、山村地域の活性化を図る施策が明確に位置づけられ、確実に実行されることを強く望んでおります。
 また、最近国、地方の財政状況の悪化等を背景に、市町村の合併推進が声高になってきておりますが、それぞれの町村は歴史的な経緯や地理的条件等が異なっており、また市町村合併は、将来にわたる地域の森林整備、管理のあり方にも大きな影響を及ぼす事柄でありますので、関係町村の自主的な判断を尊重し、合併を強制することのないよう要望してまいりたいと存じます。.
 私どもは今後とも皆様方と力を合わせ、山村地域の振興と発展に鋭意取り組み、魅力ある山村社会の実現を目指して努力を重ねていく所存でございます。
 終わりに臨み、全国山村振興連盟のますますのご発展と、ご参集の皆様方のご活躍を心からご祈念いたしましてお祝いのごあいさりとさせていただきます。どうもありがとうございました。

    

    

    

【保利耕輔新会長就任挨拶】

 ただいま皆様方の温かいご推挙のもとに会長に就任させていただくことになりました衆議院議員の保利耕輔でございます。どうぞよろしく今後ともご鞭燵のほどお願いを申し上げる次第であります。
 私も、自民党山村振興対策特別委員会の委員長を務めておったことがございまして、山村につきましては大変大事な仕事だと心得まして、常に力を入れさせていただいているところであます。
 山村振興法は、以前にも勉強しておりましたが、会長就任のこの機会に山村振興法という法律が、一体どんな法律だったろうということで、改めて勉強をし直してみました。その山村振興法の目的のところにこのようなことが書いでございます。
 この法律は、「国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全等に重要な役割を担っている山村が産業基盤及び生活環境の整備等について他の地域に比較して低位にある実情にかんがみ、山村振興の目標を明らかにするとともに、山村振興に関する計画の作成、及びこれに基づく事業の円滑な実施に関し、必要な処置を講じることにより、山村における経済力の培養と住民の福祉の向上を図り、あわせて地域格差の是正と国民経済の発展に寄与することを目的とする」。このような山村振興法が昭和40年に制定をされていることは皆様ご存じのとおりであります。
 まさにここに書いてありますとおり、私どもは山村を振興して国家の隆盛を導かなければならない、そういう役割を持っているのだということを強く認識をするものであります。
 加えまして、その山村振興の目標といたしまして、実にきめ細かな施策がそれぞれ書いてございます。道路、その他の交通施設、通信施設の整備を図ることにより山村とそのほかの地域及び山村内の交通・通信連絡を発達させること。2つ、農道、林道、牧道などの整備、農用地の造成、電力施設の整備等を図ることにより、土地・森林・水などの未利用資源を開発すること。3つ、農業経営及び林業経営の近代化、観光の開発、農林産物の加工業等の導入、特産物の生産の育成などを図ることにより、生産を振興し、あわせて安定的な雇用を増大すること。4つ、砂防施設、砂防設備、保安林、地すべり防止施設、そのほかの国土保全施設の整備等を図ることにより、水害、風害、雪害、林野火災などの災害を防除すること。5つ、学校、診療所、公民館の教育、厚生及び文化に関する施設の整備、医療の確保、集落の整備、生活改善、労働条件の改善などを図ることにより、住民の福祉を向上させること。
 以上のような、極めて丁寧にして行き届いた規定がこの山村振興法に肺るのであります。
 この法律に基づいた施策というのを、国土庁、それから農林水産省、環境庁、文部省、厚生省、運輸省、建設省、郵政省、自治省などなど、まだまだほかの官庁にもいろいろお助けを願わなければなりませんが、そうしたところにお願いをして十分な施策を国として講じていっていただけますように、私どもからお願いをして日本の山村のためにご配慮をいただくようにお願いをしなければならない立場にあるのだということを私は本当に強く感じております。
 今日こうして、臨時総会をお開きいただいて、私ご選任をいただきました以上、こうした点について十分わきまえまして、皆様とともに、そして皆様のお力を借りてこの法律の目指します目的が達成できますように努力をしていくことをお誓いを申し上げたいと思う次第でございます。
 会長代行の黒澤さんなどから私にご丁重に会長に就任のご要請がございまして大変恐縮をいたしております。皆様方のご推挙に対し心から感謝を申し上げまして私のごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

   
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