21世紀は、守りから攻めへの転換を
[全国山村振興連盟副会長 横溝弥太郎氏挨拶]


 おはようございます。第25回全国山村振興シンポジウムの開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
 先月の台風18号は、各地に大きな被害をもたらしました。冒頭に、災害を受けらました地域の方々に心からお見舞いを申し上げます。
 この度、ここ大分市において農林水産大臣代理の構造改善局田原農政部長、九州農政局長その他多くの御来賓の御臨席を頂き、全国各地から御参集の連盟会員をはじめとする多数の皆様のご参加を得て、当連盟恒例の行事である全国山村振興シンポジウムが盛大に開催できますことは、誠に有意義なことであり、主催者の立場からも深く感謝申し上げる次第であります。
 皆様よくご承知の通り、玉澤農林水産大臣におかれましては、昨年来、当連盟の会長としてご活躍を頂いて参ったところでありますが、この度の組閣により農林水産大臣の要職に就任されました。また、当連盟の会長代行の保利耕輔先生が自治大臣に就任されたところでありまして、それぞれに心からお祝いを申し上げますとともに、今後とも山村振興への力強い御指導、御尽力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
 この度のシンポジウムの開催に当たっては、地元大分県に多大なご支援、御協力を頂いているところでありますが、大分県平松知事には、特別講演をお願い致しましたところ、御多忙にも拘らず快くお引き受けを頂き、厚く御礼申し上げます。
 加えて、本日、事例発表、基調講演、パネルディスカッションなどをご担当いただく皆様方に対しましても、深く御礼を申し上げますとともに、よろしく御指導のほどお願いを致します。
 さて、本年のシンポジウムのテーマは、‘21世紀は「いなか」がおもしろい’と言うことであります。「いなか」、とりわけ山村は、年々人口が減少し、農地・森林など国土を守る人が絶対的に不足しており、このままでは、もはや山村を守りきれないのではないかというところに至っております。このような現状を打開し、21世紀には、守りから攻めに転じ、山村地域の発展を図っていくためには、都市と山村の交流を深め、山村に定着・定住する人が少しでも多くなるような山村地域への国民一般の理解が深まるように努めて参ることが必要であります。
 そのためには、山村が魅力ある、おもしろい“いなか”とならなければなりません。
 このことを成し遂げるためには、山村市町村の努力は勿論でありますが、国並びに都道府県のご支援なくしては困難であります。
 山村振興連盟は、国会議員、都道府県の皆さんと全国の振興山村の市町村長がしっかりと連携して、山村振興予算の確保等に努めるとともに、山村・森林の公益的機能の重要さを広く国民に訴え、これを国民共通の財産として守り、発展させていくための運動を力強く展開してゆくことを使命と致しております。この立場からも、先の国会で成立した食料・農業・農村基本法において、中山間地域等の振興が明確に規定され、今後この振興策が積極的に打ち出されることに大きな期待を致しているところであります。
 同時に山村は林業が重要な位置を占めており、林業についても同様の振興施策が必要でありますので、基本的な政策課題への取り組みとこの具体策の推進が図られますよう切望しているところであります。御出席の皆様方には、山村の厳しい現状のもとでそれぞれにご苦労を重ねておられるところでありますが、共にカを合わせ、山村の魅力を訴える情報を全国民に向かって力強く発信して参りたいと存じます。なお、これまで全国山村振興連盟の会長を努めて来られました玉澤農林水産大臣には、かねてから大臣に就任されてからも、本日のシンポジウムに熱意をお持ちで、ぜひ出席したいとのご意向でございましたが、たまたま本日、国会の決算委員会への出席を求められ、当シンポジウムに出席することが出来ず、誠に残念であり申し訳ないとのことで、御出席の皆様方にくれぐれもよろしくとのことでありましたので、この場をお借りしましてお伝え申し上げます。
 終りに、本シンポジウムが今後の山村地域の発展の有力な契機となりますことを心から祈念致しまして、御挨拶と致します。

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