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パネルディスカッションは、広告批評編集長島森路子氏をコーディネーターに少子化、高齢化が進む中、どうしたら個性ある山村が築けるかなどについて話し合った。 パネラーは、音楽プロデューサーの大間ジロー氏、詩人・エッセイストのあゆかわのぼる氏、秋田県由利郡岩城町長の前川盛太郎氏、そして秋田県立農業短期大学教授の山崎光博氏の諸氏がつとめた。 | |||||||
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![]() 今日は、4人のパネラーの方々から具体的な実体験をそれぞれお聞きしながら私ももう一度山村の魅力を、もしかしたらこの山村の魅力を問い直す上での課題や問題点を出していただき私自身が山村を見直す機会ができればと楽しみにしている。 最初に、かの有名なオフコースをやめて秋田に戻られ地元に根をおろして活躍されている大間ジローさんにお願いします。 |
![]() 私は、21歳から34歳まで東京でずっと過ごし、オフコースでやってきましたが、その頃「さよなら」とか「愛を止めないで」がヒットしていた。 秋田へのUターンは女房の関係であったが、当初は音楽業界では仕事がなく東京の仕事が主で単身赴任の生活であった。 今年で三年目になるが今ではFM秋田で1時間番組を、それからいろいろ音楽プロデュースをしている。 また、東京でドラムをたたく現役ドラマーだったりもする。最近では、音楽でのイベントによる村おこし、町おこしをしようという依頼も少なくない。 秋田県は、高校卒業生の県内就職率が低い。そこで何とか高卒生の地元就職を促して定住させようという「ふるさと定住促進フォーラム」を県が企画し、その一環として「就職促進支援ソング」をつくろうということで、96年、97年の2年間にわたって高校生を対象に詩を一般公募し、それに曲をつくってプロデュースしたところである。 その他にも音楽を通じて町おこし、村おこしの例もあり、これからも歌と町とか、村のドッキングもあるのかなと思っている。 (島森) あゆかわのぼるさんは、県内行かないところがないくらい県内を駆けめぐり地元に根差した活動がいかに大事か、その文化、地域活動を非常に積極的にやっておられるが、その難しさあるいは面白さみたいなことも含めて具体的な活動内容を紹介していただきたい。 |
![]() 最初に体験したのが、山形県高畠町での新幹線誘致運動の取材であった。そこは無人駅のある町、無人駅しかない町になぜ新幹線が止まったのか。これは単に新幹線が来るんだったら「おらいの町さも止まってけれ」というおねだり式の運動ではなく、町民が主導になって新しいアイデアを出し、その地域を生かすことによって受け入れを可能にする。しかも、そこには町の商工会青年部を中心とした若者たちのエネルギーが中心となった活動があったからである。 また、岩手県二戸市の例では、この市の中心に近隣4市町村が一緒になってカシオペア連邦という国づくりをした。これは、やがて新幹線が青森まで通じたときに、いわゆるストロー現象により近隣の人口は青森市に引っ張られてしまうとの懸念から新幹線が来る前にそこへ5市町村が協力して充実した地域をつくってしまおうということで国づくりを始めた。 各市町村でいいところを伸ばし、おくれているところは他の市町村がカバーをして充実させていく方式、しかもそれを若者たちが中心に進めていく。丁度5年が経ったので、ここで祭典をやり、さらに10年先、15年先を目指すんだという話を聞いて、これまたすごいことだなと…………これも私の中の財産になっている。 このように若者たちが地域をどうすれば生き生きとして生活できるだろうか、生まれ育って、これから住んでいくところを自分たちが楽しく生きていくためにはどうすればよいか。若者たちの発想で取り組む。そういう地域は確実に元気になっているのである 。 (島森) 前川町長さんにお願いしたいと思いますが、明日皆さんが現地調査でお邪魔する岩城町は、これまで山村をどう元気づけてきたか。具体的な取り組みと、これからの山村はどうあるべきか、その辺のところをお話いただきたい。 |
![]() おそらく来年過疎法が切れる段階で、今度は卒業をさせられてしまうのではと心配し悩んでいる。 私どもは、かってないバブル時代を経験したが、どこへ行っても金太郎アメの町や村が日本中津々浦々にできあがっている。しかし、この頃は、あの町に負けない、この村に負けない、むしろ住民意識がそう変わってきているから、どこの町や村でも英知を集め一生懸命頑張っている状況ではないだろうか。 私は、福祉重点、生活重視、夢を未来に着実に実現しようと町民とともに声をかけあって町づくりをすすめてきた。特に、若い人たちにもこの町に住んでみたいと思う町づくりができたらそれは首長として最高に幸せなことであると思っている。 私は、これまで国の各省庁の補助金をどう組み合わせて活用させてもらうか、これが町づくりの一つの要諦である。 そこで職員に補助事業を申請採択してもらうときフリーパスの仕事をするなと、フリーパスの仕事はどこでもやっていることであるから、特別変わりばえもしなければ個性もない、申請がダメといわれたときからが出発であると言ってきた。それだけに新たな創意と工夫が生まれる。補助事業のために補助金をもらうのではなく、町をどうやってつくっていくのか、そして各種事業の組み合わせは町づくりに大きな役割を果たすことになる。 (島森) 山崎さんは、農村社会に関する多くの研究をされている。人口問題とか高齢者問題とか、なかでもグリーンツーリズムに関してのご意見、ご提言を含めてお話いただきたい。 |