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〔全国山村振興連盟会長 大河原太一郎氏挨拶〕![]() 本日は、全国各地から会員の皆様方多数御参集をいただきまして誠に有難く、心から厚く御礼を申し上げます。 また、本日は国土庁長官をはじめ、ご来賓の方々には公務極めて御多忙の中にもかかわらず御来臨を下さいまして心から御礼を申し上げるところでございます。 さて、申すまでもなく、わが国の山村は、基幹産業である農林業の低迷や人口の高齢化、若年層の流出など社会経済全般にわたり引き続き極めて厳しい条件にありますが、これまで長年にわたる関係者のたゆまざる努力と政府・国会をはじめとする関係各方面の並々ならぬ御支援・御指導により今日の姿を維持して参ったのであります。そして現在山村地域はかけがえのない「国民のふるさと」として広く認識され、山村に対する期待も高まっておるところでございます。 政府におかれましては、平成3年度から実施に移された新山村振興計画に代わる新たな山村振興対策を平成11年度から発足させるべく目下鋭意検討がなされているやに承っておりますが、山村振興にたずさわる者として新たな対策に強い期待を抱くものであります。 我が連盟と致しましては、山村の環境を保全しつつ、山村社会を維持するため、次期対策の一環として高齢化、過疎化、担い手不足といった人に関する問題を中心に山村自治体の財政問題とともに具体的な対策を国土審議会等の場を通じて緊急に提言をいたし、その実現に努めているところでございます。 なお、山村が様々な問題に直面し、これに対して新たな対策が打ち出されようとしている大切な時ではありますが、私といたしましてはこのたび連盟会長の座を退き、有意なる同志の方に道をゆずることに致しました。しかしながら、山村問題につきましては、これまで以上に皆様方と手をたずさえてその打開に取り組んで参る所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 最後に、御臨席の政府・国会の皆様方におかれましては、今後の山村振興対策の推進につきましてなお一層の御指導・御協力を賜りますようお願い致しますとともに、会員の皆様の一層の御健勝をお祈り申し上げまして御挨拶と致します。ありがとうございました。 〔国務大臣 国土庁長官 亀井久興氏祝辞〕 ![]() 政府といたしましても、山村振興法に基づきまして、今日までに産業基盤の整備とか、あるいは生活環境基盤の整備、こうした様々な関連施策を進めてきたところでございます。 その結果として、着実にその結果は表れておるように理解いたしておるところでございますけれども、しかしながら、依然として若者を中心にいたしました人口の減少あるいは高齢化が進展をしておるところでございます。 また、その一方におきましては、地域の皆様方が自発的にいろいろな創意工夫をしていただきまして、ユニークな地域おこし等に取り組んでいただいている、そのことに対しても心から敬意を表する次第でございます。 現状におきましても、山村振興法の指定を受けております市町村、その占めております面積は、国土面積全体の中で47%でございます。約半分と言ってもいいわけでございます。その地域の人口は、わずか全人口の4%に過ぎないという現状でございます。 こうした中で、ご承知のとおり私ども新しい全国総合開発計画を21世紀の国土のグランドデザインというタイトルのもとに纏めたばかりでございます。 その中に多くの戦略を位置づけしておるわけでございますが、その中のひとつといたしまして多自然居住地域を創造したい、そういったことを打ち出しているわけでございます。 山村を含みます中山間地域、非常に自然環境に恵まれた地域でございますが、その地域に隣接をいたしました中小の拠点都市が、本来の拠点都市としての機能を充分に持っていないというところにも大きな衰退の原因があるわけでございますから、そうした地域間の連携というものを深めました周辺都市と一体としての多自然居住地域をなんとか形成してまいりたい、これこそがまさに日本の国土のフロンティアではないか、そういう考え方でございます。 また、現在、国土審議会の山村振興対策特別委員会におきましても、21世紀の新しい山村のあり方についてご審議をいただいているところでございます。私どももそうした皆様方のご意見を踏まえながら、これからも山村振興対策のために全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、このうえとも皆様方のご指導、ご鞭撻を心からお願い申し上げる次第でございます。 終わりに当たりまして、本連盟のますますのご発展と皆様方のご健勝を心から祈念を申し上げまして私のご挨拶とさせていただきます。 |