農林水産省では、環境省との連携の下、新たに広域を対象に地域参加型鳥獣害情報マップの作成とこれを利用した総合的防除体系の確立を推進するための事業を強力に推進するため、鳥獣害防止特別対策として、平成18年度予算で所要の予算措置を講じている。


1.ポイント
 野生鳥獣による被害防止対策の充実・強化を図るため、新たに、環境省との連携の下、県域をまたがる広域地域を拠点地域として設定し、地域参加型鳥獣害情報マップの作成とこれを活用した総合的防除技術体系の確立を推進する対策事業を実施するとともに、引き続き各県における被害防止対策と併せ「イノシシ接近警戒システムの実証確立」を推進する。

(1) 鳥獣害防止広域対策の確立
「総合的防除技術体系の確立と地域参加型鳥獣害情報マップの作成」
  広域連携産地競争力強化支援事業5,829(5,166)百万円の内数
  農業競争力強化対策民間団体事業1,495(1,620)百万円の内数
  県域をまたがる広域地域を拠点的に選定し、環境省による広域分布型鳥獣保護管理指針の策定と連携して、新たに以下の対策を推進。

@

地域参加型鳥獣害情報マップの作成
GIS(地理情報システム)を活用し、集落単位やほ場ごとの被害状況、鳥獣の出没・捕獲状況、防護柵の設置状況、土地利用状況等の情報とGPS(衛星情報システム)による鳥獣の行動範囲や移動経路に関する情報等をリアルタイムで地点別に統合・蓄積し提供する地域参加型鳥獣害情報マップを作成

A

鳥獣害総合的防除技術体系の確立
 試験研究機関との連携の下、新たに開発された研究成果であるサル用電気柵やイノシシ用フェンス等と、放牧や忌避作物を組み入れた新たな土地利用等を組み合わせ、最新の総合的な防除技術体系を確立。

(2) 地域の被害防止対策の推進
 強い農業づくり交付金 40,506(47,009)の内数
 野生鳥獣による農作物被害を軽減するため、地域における侵入防止柵等の被害防止施設の整備等を推進。

(3) イノシシ接近警戒システムの実証確立
 農業競争力強化対策民間団体事業1,495(1,620)百万円の内数 
 単独で行動するイノシシは、既存の発信器等による行動把握が困難なため、センサー技術を活用した検知及び通報に至る接近警戒システムを構築し、これを活用した効率的な被害防止体系の確立を推進。
(関連対策)
 各地域における取組みを支援する観点から、@「鳥獣害対策アドバイザー」の登録・紹介、A指導者育成のための研修の企画・案内、B効果的な防除技術等の各種情報の提供等を行う鳥獣害情報センター機能を農林水産省に構築。
2.事業実施主体
農業者団体、民間団体等
3.補助率
定額、1/2等
(* 別紙の図を参照)



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