全国山村振興連盟九州ブロック会議
開催される

   
 全国山村振興連盟九州ブロック会議が、10月31日、11月1日の両日大分県支部(支部長一瀬茂亀弥生町長)の主催で大分県別府市において会員、支部事務局員等約90名が出席して盛大に開催された。
 会議は地元大分県支部佐藤事務局長の司会により、まず地元大分県支部一瀬茂亀支部長(弥生町長)の主催者挨拶があり、来賓として出席した九州農政局 戸谷亨次長、国土交通省九州地方整備局計画・建設産業課 福永真一課長、総務省自治行政局地域振興課 井上博士課長補佐、大分県総務部 後藤州一次長からそれぞれ挨拶があり、続いて来賓の紹介があった。
 次に情勢報告に移り、連盟米田博正常務理事から山村振興対策に関わる現在の中央情勢等を中心に報告があり、その中で現在進行中の平成15年度政府予算編成作業の進み具合等について情勢報告があった。
 ついで議事に入り、一瀬弥生町長が議長となり、各県より提出されている議題につきそれぞれ提出県を代表して提案理由の説明があった。これに対し、農林水産省農村振興局農村政策課森山昌人課長補佐、同じく地域振興課中山間地域振興室田部健一課長補佐、九州農政局農村振興課福井徳彦課長補佐、林野庁計画課内山武明森林計画官、九州地方整備局福永課長、総務省井上課長補佐からそれぞれの事項について見解が述べられた。
 続いて、講演に移り「中津江村に残った誇りと感動」と題して、中津江村長 坂本休氏の講演があり、6月開催された「ワールドカップ」のカメルーンのキャンプ地として選定され、また中津江村に選手が到着するまでの苦労話など、中津江村の住民が一体となって「もてなしの心」をもって接してきたこと、また大分県の一山村である中津江村が日本中に知れわたり、その結果中津江村の村民に心に残った誇りと感動など体験的苦労話などを交えながら話され、大きな感動を呼んだ。
 翌日は、大分県農業公園(山香町、安心院町)の視察が行われた。
 なお、次回開催県は宮崎県に決定した。
 
当日提出された議題は、次のとおりである。

 

《各県提出議題》

  
《福岡県支部》
1.新山村振興等農林漁業特別対策事業予算枠の確保について
[理由]
 同事業は、中山間地域の振興を推進するために、様々な事業を総合的に実施することとなっている。
 しかしながら、実施に際しては、一般型2.2億、全部山村・全部特定農山村型3.3億と総合的に事業実施するには、予算規模が厳しい。
 よって、事業の予算枠の確保を要望するものである。

 
《佐賀県支部》
1.新山村振興等農林漁業特別対策事業における事業費の下限の緩和について
[理由]
 当事業が取り組みやすいものとなるよう、事業費の下限の緩和(例えば1億円から5千万円に引き下げる。)についてお願いしたい。

 
《熊本県支部》
1.山村の創造を尊重した新しい地域の個性をつくる
[理由]
 山村の持つ公益的機能の発揮や山村の活力を生む手段として、人材の育成や地域資源の活用についての支援をお願いしたい。
 特に、「中山間地域直接支払制度」については、住民の主体性を尊重したコミュニティ活動が加速され、新しい地域の活力をつくり出すものであるから、引き続きの継続とともに、交付単価の更なる拡充をお願いしたい。

 
《熊本県支部》
1.都市と農村の交流によるビジネス支援について
[理由]
 農山村の新しい魅力づくりとともに、都市との交流を通したツーリズム産業についての支援をお願いしたい。
 また、地域の活性化についての、若い人達の発想や実行力は、山村地域の貴重な資源である。
 全国画一的な規制などで縛ることなく、山村の独自性を生かす規制の緩和とともに事業についても柔軟な対応をお願いしたい。
 具体的には、「個人の農家についての支援」や「農家民宿開業規制の緩和」についての配慮をお願いしたい。

 
《宮崎県支部》
1.新山村振興等農林漁業特別対策事業の平成15年度予算について
[理由]
 来年度事業実施に向け、ヒアリングも始まることから、予算の状況を把握したい。

 
《鹿児島県支部》
1.ふるさと農道緊急整備事業及ぴふるさと林道緊急整備事業の継続実施について
[理由]
 農・林道整備により農山村地域の環境や地域活性化等、地域が緊急に対応しなければならない課題を早急に行い、大きな役割を果たしている両事業を15年度以降も継続、実施していただくようお願いしたい。

 
《鹿児島県支部》
1.中山間地域等直接支払制度について
[理由]
 中山間地域等の農業生産活動が果たしている多面的機能について、国民の一層の理解促進に努め、直接支払制度の充実に向け、一団の農用地の要件緩和、単価及び畑の傾斜基準の見直しを行うとともに、平成17年度以降も本制度を継続できるよう措置をお願いしたい。

 
《大分県支部》
1.新山村振興等農林漁業特別対策事業の予算の確保及び採択枠数の拡充について
[理由]
 新山村振興等農林漁業特別対策事業を計画的かつ着実に推進し、事業効果を確実なものとするため、予算の確保をお願いしたい。
 また、事業要綱の改正により標準事業費の削減等、事業費の低減が図られており、総事業費が1億円(下限事業費)においても事業実施が出来ることも考慮し、事業採択においては地区数で制限するのではなく、事業費等からより多くの地区で事業を展開出来るよう弾力的な採択及び採択枠の拡充をお願いしたい。

 
《大分県支部》
1.地方バス等の運行に対する補助制度の充実強化について
[理由]
 地方バスは、高齢者や学生等いわゆる交通弱者にとっての移動手段の確保等住民の生活の足として重要な役割を果たしており、存続、確保を図るとともに、現行の地方バス路線維持対策等を充実強化するなど、財政措置の充実をお願いしたい。

 
《大分県支部》
1.地球温暖化対策に対応した森林林業対策の推進について
[理由]
 地球温暖化対策推進大綱に位置づけられている森林吸収源対策の目標値3.9%を確保するためには、森林・林業基本計画に基づく適切な森林整備や保安林の保全の確保が不可欠となっている。
 しかし、森林・林業・山村をめぐる近年の状況は、林業経営の不振や労働者の減少・高齢化等により適切な森林整備等を推進することが極めて厳しい現状である。
 このような状況を打開し、森林の持つ公益的機能の発揮と林業を地域産業として維持発展させるため、適切な森林管理を担う林業者等の育成・確保及び安定した林業経営者の育成を図る対策を講じられたい。

 
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