『山村の活性化方策等に関する
第2回検討会』を開催

     

 林野庁は、去る5月18日山村の活性化方策等に関する第2回検討会を開催した。
 今回は、数名の委員から今後の山村の活性化方策と集落整備等に関する意見発表がされた後、意見交換が行われた。なお、第3回は、6月8日に開催される予定である。


 委員の主な発言内容は、次のとおりである。

山村地域の問題は、人(人口自然減少社会)、土地(農林地の荒廃)、ムラ(集落機能の脆弱化)の3つの空洞化が進行していること。また、これらの進行に伴う、地域に対する「誇り」の空洞化が大きな問題。
日本全体の人口が減少に転じて行くことが予想される中で、山村においても、人口は増えないことを前提に地域のあり方を考えていく必要。
少ない数の人間が山村空間をどのように経営すればそこに次の世代にも支持される暮らしが可能になるのか、といった視点が重要。
山村は山村住民のみで管理するという考え方を見直し、都市との交流(協働)を促進することが重要。
新たな山村社会システムの構築に向け、集落移転という意味ではない集落(システム)再編が課題。
山村地域社会の構築には、地域社会の新しい価値や誇りが埋め込まれていることが重要。また、集落が主体的に関わってこれらを生み出すことが重要。
プラザ合意以降、木材価格の低下により林業経営が成り立ちにくくなり、現在は極めて厳しい状況。
デカップリングは必要だが、生活保護的な意味合いではなく、森林整備を推進する者を対象にすることが重要。
Iターン者とUターン者の間には、土地(森林)を所有するかしないかといった大きな格差があり、Iターン者も土地(森林)を取得しやすくすることが必要。
Iターン者が必ずしも利便性を追求しているわけではないので、山村に住む新しい価値観に対応することが重要。
森林所有者が、森林の管理、整備について責任を持つことが重要。
森林の手入れをしない所有者(不在村地主等)に対し、市町村長が何らかの措置をとれることが必要。
地域で生産した木材を地域で製品化し消費する取組(地産地消)が大切。
FSCの森林認証等を利用して、地域材のブランド化を図るとともに、川下住民へのPRが必要。
林業である程度の収入が得られ、生計を維持出来ることが重要であるとともに、地域に入る者に対し、住宅を確保することが大きな課題。

   
【検討会委員】

氏    名

所       属
 上松寛茂
 奥田裕規
 小田切徳美
 田島信太郎
 田端光美
 中越武義
◎三井昭二
 三井嗣郎
 吉田勝男
  共同通信社メディア局編集部次長職
  森林総合研究所東北支所山村活性化チーム長
  東京大学大学院農学生命科学研究科助教授
  林業経営者(大分県中津江村)
  元日本女子大学人間社会学部教授
  高知県檮原町長
  三重大学生物資源学部教授
  全国山村振興連盟常務理事
  宮崎県林務部次長

◎印は、座長

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