盛大に第25回全国山村振興シンポジウムを開催
於:大分市
〜21世紀は「いなか」がおもしろい〜
 

 全国山村振興連盟では、国土庁・大分県・全国山村振興連盟大分県支部との共催で第25回全国山村振興シンポジウムを去る10月27日、28日の両日大分市内の大分東洋ホテルニ豊の間において開催した。
 シンポジウムには、主催者として当連盟から横溝副会長、国土庁の薦田隆成官房審議官、同地方振興局守田猛山村豪雪地帯振興課長、地元から平松守彦大分県知事が出席、また来賓として農林水産省構造改善局の田原文夫農政部長、同山下一仁地域振興課長、咲花茂樹九州農政局長、地元から日野立明大分県議会議長など多数の出席をいただき、総勢400名を超える会員の参加を得て、晴れやかに開催された。
 第25回シンポジウムは、まち・むらづくりのさきがけとも言うべき一村一品運動の発祥の地であるここ大分県において、「21世紀の山村を楽しくておもしろい個性あふれる“いなか”の魅力を発揮する地域として構築し、全国民に情報を発信すること」をテーマに行われた。

特別講演

 特別講演は、平松大分県知事が、歓迎の挨拶を述べた後「山村振興の今後の課題〜『定住』と『交流』〜」の演題で約1時間にわたり講演された。
 この中で、一村一品運動は、今日、地域に潜在している資源のみならず、リゾート地づくり、文化づくり、地域の誇りづくり、さらには国際化に向けた取り組みにまで至る拡がりをもって行われつつあるとし、その重要性を強調された。

事例発表

 また、事例発表は、本年4月まで大分県上津江村長であり、山村振興連盟大分県支部長の職にあり、4月から大分県議会議員に就任された井上伸史氏が「起業的な発想による村おこし」と題し、木材産業、山の中でのヒラメの養殖など、大胆な発想によるユ二一クな事業の推進について発表された。

基調講演

 午後から、基調講演に移り、学生時代に大分で青春を過ごした芥川賞作家赤瀬川原平氏が、氏のベストセラーである「老人力」の著作の中の話題を交えながら「老人力のひみつ」と題して、淡々と聴衆を引きつける味わいのある講演をされた。

パネルディスカッション

 パネルディスカッションは、「すてきな里地 楽しもう」をテーマに約2時間にわたって行われた。熊本大学教育学部教授の佐藤誠氏をコーディネーターに、パネリストとしては、湯布院町の(株)亀の井別荘代表取締役・中谷健太郎氏、真玉町の(有)真玉アグリコーラ代表取締役・竹中則夫氏、前大分県女性農業経営士会会長・和泉やす子氏、久住町長・衛藤龍夫氏の5名の方々が参画された(パネルディスカッションの内容は、別号で掲載予定)。

現地視察

 2日目は、大分県北西部の山村地域に位置し、大分市に次ぐ286平方キロメートルの広大な面積を擁する玖珠町の畜産物加工施設、レストラン、家畜・水牛等の展示施設その他の交流施設などを備えた「カウベルランドくす」を中心とする山村振興対策の取り組み状況を視察した。
 玖珠町は、九州横断自動車道の開通により、福岡市、大分市まで1時間という恵まれた交通アクセスが整備され、また、地域の観光の有力な拠点である湯布院温泉等にも近く、今後の発展が期待されている。現在、関係者が力を注いていることは、如何にして利用者を安定的に確保するか、そのために魅力ある施設として機能するものを整備するかの方策づくりであった。


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