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農業生産力の飛躍的向上、農産物の品質・安全性の向上、担い手の確保・育成等のため、技術の開発・普及を重点的に展開していく。このため、国全体の技術開発目標を明確化し、研究戦略に基づき、重要分野に重点化することを通じて、技術開発の充実・強化を図る。また、効率的かつ効果的な事業運営の観点も踏まえた普及事業の見直しを実施し、対象者の重点化、担い手となる個々の農業者の経営実態等に即したきめ細かい普及活動を展開する。 |
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農業が本来有する自然循環機能が十分に発揮され、農業の持続的な発展が図られるよう、新たな法制度の整備等により、望ましい農業生産方式への計画的な転換、家畜ふん尿の適切な管理、有機性資源の循環利用の促進等を行う。 なお、農業生産に係る環境機能面に関連した政策のあり方につき、諸外国における施策動向、今後の国際規律の動向等を踏まえながら検討する。 |
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1.農業・農村の有する多面的機能の理解の増進と適正な評価 | ||
農業・農村は、食料の安定供給に加え、洪水防止、水資源のかん養等の多面的な機能 の発揮を通じ、都市住民を含む国民全体の生活と生命・財産を守る役割を果たしている ことから、これら多面的機能が国民に正しく理解され、適正に評価されるよう、情報提供や普及活動を展開する。 | ||
2.農村地域の総合的・計画的な整備 | ||
美しく住み良い農村空間を創造するとともに、農業・農村の有する多面的機能が十分に発揮されるようにしていくため、計画的な土地利用と生産・生活基盤が一体となった総合的な農村整備を推進する。また、現行の農業構造改善事業に代わる新たな事業として、農業・農村の発展基盤の整備を図るための総合的な事業を創設する。 | ||
3.都市住民のニーズに対応した農業・農村の振興 | ||
(1)都市と農材の交流の促進と市民農園の普及 | ||
@都市住民にゆとりと安らぎを提供し、農業・農村への理解を促進するとともに、農村における就業・所得機会の創出等地域の活性化を図るため、グリーン・ツーリズムが国民運動として定着するようソフト・ハード両面から条件を整備する。 A都市住民のニーズに応え、農地の多面的な利用を促進する観点から、市民農園の広範な普及を図る。 | ||
(2)都市農業の振興・発展 | ||
都市農業が、新鮮な農産物の提供、農業体験・レクリエーションの場や緑、防災空間の提供等の面での都市住民のニーズに対応した発展が図りうるよう、適切な振興策を講ずる。 |
4.中山間地域等への直接支払いの導入等 | |
@下流域の都市住民をはじめとした国民の生命・財産を守るという、いわば防波堤としての公益的役割を果たしている中山間地域等の活性化を図るため、立地条件を活かした特色ある農林業等の振興や農林地の一体的な保全整備、生活基盤の総合的な整備等による定住の促進等を推進する。 A中山間地域等における耕作放棄の発生を防止し公益的機能を確保するため、既存の政 策との整合性を図りつつ、次の枠組みにより、12年度からの直接支払いの実現に向けた具体的検討を行う。 | |
対象地域:特定農山村法等の指定地域のうち、傾斜等により生産条件が不利で耕作放棄地 の発生の懸念の大きい一団の農地 | |
対象行為 :耕作放棄防止等を内容とする集落協定等に基づき、5年以上継続される農業生産 活動等 | |
対象者 :協定に基づく農業生産活動等を行う農業者等 | |
単 価 :中山間地域等と平地地域との生産条件の格差の範囲内 | |
実 施 :国と地方公共団体が共同で緊密な連携の下で実施 | |
期 間 :農業収益の向上等により、対象地域での農業生産活動等の継続が可能 であると 認められるまで実施 |
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農業協同組合系統組織、農業委員会系統組織、農業共済団体、土地改良区等各団体の役割を明確化するとともに、組織の簡素化・合理化、事業運営の効率化を実現する。 また、地域の実情に応じ、森林組合や漁業協同組合を含む団体間の連携の強化についての条件整備を進める。 |