山村振興全国連絡協議会(都道府県の山村振興担当課長で組織)の平成27年度のブロック会議が次のとおり開催された。
九州ブロック会議
九州ブロック会議が、10月15日(木)〜16日(水)、熊本県熊本市熊本県庁会議室において、九州ブロックの各県、農林水産省、九州農政局及び全国山村振興連盟から16名が参加して開催された。
会議は、熊本県地域振興課課 川嵜典靖 課長補佐の司会で進めら、最初に主催者である横井淳一 地域振興課長から挨拶があった。
会議の内容は、次のとおりとなっている。
(1)「平成28年度山村振興関連各府省庁予算概算要求額」等について
農林水産省農村振興局中山間地域室 深水輝満 係長から平成28年度山村関連予算 要求について、主として山村活性化支援交付金、中山間地域等直接支払制度、農村集 落活性化支援事業、都市農村共生・対流総合対策、農山漁村活性化プロジェクト支援 交付金、鳥獣被害防止対策、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金、次世代林業基盤 づくり交付金、森林・山村多面的機能発揮対策等について説明がなされた。
(2)九州農政局の組織再編について
九州農政局農村振興部農村計画課 飯川照也 課長補佐から、九州農政局の組織再 編(10月1日)について、農村計画部と整備部の統合、地方参事官の設置等について説 明があった。
(3)全国山村振興連盟の活動状況について
全国山村振興連盟 岸 廣昭 常務理事から全国山村振興連盟の活動状況について、 山村振興法改正の経緯を中心に説明がなされた。
(4)各県提出議題について
各県から提出された議題について、意見交換が行われた。
@ 山村振興法の改正に伴う山村振興基本計画等の策定状況について(佐賀県)
A 山村活性化支援交付金の活用事例について(宮崎県)
B 中山間地域における農業生産活動の継続に向けた取り組み
(鹿児島県、福岡県、宮崎県)
C 振興山村地区の状況(データ) 把握方法について(熊本県)
(5)平成28年度九州ブロック幹事県について
来年度の幹事県を福岡県と決定した。
翌日は次の箇所を現地視察した。
@ 旧龍門小学校(集落・定住センター・きくち暮らし)
菊池市農政課 渡部史子 課長補佐から、龍門地区の現状、地域資源に関する現状
と課題、山村活性化支援交付金を活用した取り組み等について、菊池市の地域おこし 協力隊の鈴木良和氏から、空き家バンク、 県外の移住希望者登録、体験ツアー、首 都圏での移住相談当の移住促進の試みについて聞いた。
A (株)コッコファーム
養鶏業者が直売所を発展させ、6次化の流れに沿って、卵だけでなく、卵を使った様
々な製品を、意欲的な若者と連携するなどして直売所で販売するに至っている。この
直売所の商圏は広く、福岡県にまで及び、会員制をとって恩典を与えるなどして、顧客 の定着に勤めている。
また、熊本県との連携で、熊本農人プロジェクトを実施し、都会の住民と農山漁村が 交流する活動も行なっている。
北海道・東北ブロック会議
北海道・東北ブロック会議が、10月29日(木)〜30日(金)、青森県青森市青森県庁会議室において、北海道・東北ブロックの道・県、農林水産省、東北農政局及び全国山村振興連盟から10名が参加して開催された。
会議は、青森県農林水産部構造政策課 神 俊成 総括主幹の司会で進められ、最初に高谷清孝 構造政策課長から挨拶があり、出席者の自己紹介が行われた。
会議の内容は、次のとおりとなっている。
(1)山村振興に係る中央情勢等について
農林水産省農村振興局地域振興課 太田千尋 指導調整係長から平成28年度山村振 興関連予算要求について、 主として、山村活性化支援交付金、中山間地域等直接支払 制度、農村集落活性化支援事業、都市農村共生・対流総合対策、農山漁村活性化プロ ジェクト支援交付金、鳥獣被害防止対策、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金、次世 代林業基盤づくり交付金、森林・山村多面的機能発揮対策、山村振興にかかる制度資 金、税制特例法等について説明がなされた。
(2)全国山村振興連盟の活動状況等について
全国山村振興連盟 岸 廣昭 常務理事から全国山村振興連盟の活動状況報告につ
いて、法改正の経緯を中心に説明がなされた。
(3)各道県からの山村振興対策の取り組み状況等について
@ 北海道からは、プロ交を活用した取り組み、グリーンツーリズム「しんしのつ」の取り 組みについての説明があった。
A 秋田県からは、県の基本方針、振興計画の策定状況、「元気な中山間農業応援 事業」としての中山間地域資源活用プラン事業、中山間水田畑地化整備事業、中 山間資源を生かす生産体制整備事業、中山間6次産業化モデル事業、売れる地域 特産物づくり推進事業についての説明と山村振興対策の課題に就て説明があった。 B 山形県からは、山村地域の施策の取り組みとして、中山間地域における農林業 振興と農山村の活性化プロジェクト戦略会議を立ち上げ、出先の職員がタスクチーム を組み、優良事例を集めて助成に結びつける試みを始めたこと、地域の豊かな森林資 源をの活用を進めるため、県立農業大学校に林業経営学科を新設したことについて 説明があった。
C 福島県からは、「里・山いきいき戦略」に基づき施策を進めていること、中山間地域等 直接支払制度の活用や27年度から始めた元気な農村創成企業連携モデル事業(企業 のニーズと農村の課題のマッチング)、中山間ふるさと水と土保全基金事業(ふるさと水 と土指導員活動支援事業、田んぼの学校他14事業)等を実施している旨、震災復旧状 況等の説明があった。
D 青森県からは、山村振興法の改正に伴う山村振興基本計画の策定状況、山村活 性化支援交付金の活用事例についての説明があった。
(4)質疑、意見交換等について
各道県から、各県、国の説明に対して、質疑応答があった。
来年度の幹事県を秋田県と決定した。
翌日は次の箇所で現地研修を行った。
@ 青森市りんごセンター
青森市りんごセンターは、青森市の特産品であるりんごを年間を通じて販売するため に、適切に貯蔵、選果する施設として、強い農業づくり交付金事業で建設された。延べ 面積1万1千u、総工費30億円の2階建ての施設である。長期貯蔵用の大型倉庫が 10室、短期貯蔵の自動ラック冷蔵庫が2室を備え、入荷から出荷まで自動化された近 代的施設である。
A 道の駅「なみおか」アップルヒル
りんごをメインテーマとした道の駅であり、お土産品売り場、レストラン(レストランは、
通常のもののほか、豆料理にこだわった地域の主婦起業したものがある。)のほか、 地元の90農家が会員となったアップル友の会の直売所、地域のお菓子屋さん等の直 売コーナーが設けられている。また、裏山でのりんごりんご狩り体験もでき、観光客に 人気がある。
中国・四国ブロック会議
中国・四国ブロック会議が、10月28日(水)、島根県松江市「島根県民会館」会議室において、中国・四国ブロックの県、農林水産省、中国四国農政局及び全国山村振興連盟から16名が参加して開催された。
会議は、島根県しまねくらし推進課 奥原 徹 グループリーダーの司会で進められれ、最初に、主催者である島根県地域振興部しまね暮らし推進課 今岡泰治 課長から挨拶があった。
会議の内容は次のとおりとなっている。
(1)平成28年度概算要求の概要等について
農林水産省農村政策部地域振興課 國広博昭 調整係長から、平成28年度山村振興 関連予算概算要求のうち、特に、「山村活性化支援交付金」、「中山間地域等直接支払 制度」、「農村集落活性化支援事業」、「都市農村共生・対流総合対策」、「農山漁村活性 化プロジェクト支援交付金」、「鳥獣被害防止対策の推進」、「耕作放棄地再生利用緊急 対策交付金」、「次世代林業基盤づくり交付金」、「森林・山村多面的機能発揮対策」、「 振興山村における工業用機械等に係る割増償却」について要求の内容等について説明 がなされた。
(2)全国山村振興連盟の活動状況について
全国山村振興連盟 米田博正 参与から、山村振興関連施策・予算に関する要望活動 、山村振興法改正の経過、改正後の取組み、山村振興連盟が行っている業務について 説明がなされた。
(3)県内先進事例のご紹介
「おおち山くじらの地域ブランド創出」をタイトルに、島根県美郷町産業振興課 安田 亮
課長補佐から説明が行われた。
イノシシによる被害に対応するため、猟友会依存の体制を改め、受益者である農家や 自治会関係者を含めた騎兵隊のような独自の駆除班を編成し、主体的に活動。
休止していた既存のカモの食処理鳥施設をイノシシの食肉処理施設として活用し、捕 獲個体の資源化に取り組んだことにより、獣害対策における農家等の捕獲後の処理の 負担軽減につながっている。
また、イノシシを「おおち山くじら」と命名してブランド化。食肉として出荷するほか、町内 の女性グループが中心となって食肉加工の惣菜や皮革製品を開発・販売するなど、捕 獲したイノシシを有効利用して“身の丈”の6次産業化を実現している。
こうしたイノシシ捕獲から資源化までを行う取り組みには多くの住民が関わっており、 獣害対策を契機として地域づくりのモデルに成長した。
地域課題の解決と経済的価値を地域社会へ還元していく循環型システムが創造され ている。
(4)意見交換
山口県から「山村活性化支援交付金の各県における申請状況や取組事例」、愛媛県
から「各県における県内市町村の山村振興計画策定状況、交付金活用状況、山村振興 基本方針の改定」に提案があり、各県からそれぞれの状況について説明があり、国広係 長及び中国四国農政局農村振興部農村計画課 大掛智志 山村振興係長からコメントが あった。
(5)次期開催県
次期開催県は、愛媛県と決定された。
関東ブロック会議
関東ブロック会議が、11月5日(木)〜6日(金)、茨城県常陸太田市「里山ほてる ときわ路」会議室において開催された。
会議には、関東ブロックの都県、農林水産省、関東農政局及び全国山村振興連盟から21名が参加した。
会議は、茨城県農林水産部農地局農村環境課 檜山 敦 技佐兼技術総括の司会で進められた。
最初に主催者である茨城県農村環境課の白戸裕司 課長からの挨拶、ついで来賓挨拶として農林水産省農村振興局地域振興課 松村一久 調査係長及び全国山村振興連盟 米田博正 参与から挨拶があり、その後、関東農政局農村振興部農村計画課 加藤正信 山村振興係長他各県からの出席者の自己紹介がなされた。
会議の内容は、次のとおりとなっている。
(1)情報提供
○ 平成28年度山村振興関連予算概算要求額について
地域振興課 松村一久 調査係長から、平成28年度山村振興関係概算のうち、特に、「 山村活性化支援交付金」、「中山間地域等直接支払制度」、「農村集落活性化支援事業 」、「都市農村共生・対流総合対策」、「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」、「鳥獣 被害防止対策の推進」、「耕作放棄地再生利用緊急対策交付金」、「次世代林業基盤づ くり交付金」、「森林・山村多面的機能発揮対策」、「振興山村における工業用機械等に 係る割増償却」について要求の内容等について説明がなされた。
○ 全国山村振興連盟の活動状況について
米田博正 参与から、山村振興関連施策・予算に関する要望活動、山村振興法改正の 経過、改正後の取組み、山村振興連盟が行っている業務について説明がなされた。
(2)事例報告
各都県における山村活性化の取組について、報告がなされた。
【茨城県】
○ 地域の特性を活かした農業・農村の活性化
地域の自主的な取組に係る支援
事業主体:地域が連携して組織する団体や、JA、NPO等
内容:地域資源を活用した6次産業化、都市と農村の交流等。
助成額:500千円(定額)×9カ所
○ 中山間アグリビジネスモデル創出調査研究事業
県、大学、市町村が連携して新たなアグリビジネスモデルを創出
事業主体:県(委託先:東京農業大学)
委託内容:地域資源の掘り起し・再評価、広域連携を見据えたビジネスモデルの検討等
平成27年度における取組内容:
対象9市町村へのヒアリング及び現地調査の実施、地域資源の把握・発掘、地域課題
の整理。常陸太田市及び常陸大宮市における「農村集落活性化支援交付金」への事業
提案(採択が決定)。大子町における「山村活性化支援交付金」を活用した奥久慈の風
評被害対策と販路拡大対策に着手。その他の市町村における次年度におけるプロジェ クト組成に向けた支援
○ いばらぎの園芸産地改革支援事業 中山間山地改革支援型
中山間地域における園芸部門の比率を高める取組を支援
○ 中山間地域農業基盤整備の促進
生産条件が不利な地域における水田から畑地への転換等のために行う簡易な基盤整 備への支援
【栃木県】
○ 里の“守”サポート事業 〜栃木県佐野市秋山地区の取組〜
趣旨:住民自らが集落の課題を把握しその解決に向けたプランを策定し実践こと で、地域コミュニティの維持再生を図る取組に対し県が財政支援をする。
対象地域:中山間にある55歳以上の住民が半数以上を占める集落等
佐野市秋山地区(あきやま有機農村未来塾)の取組状況
平成26年度から取組開始
【プラン策定】
地区住民による会議を開催し、地域の課題や将来の地域の姿について話し合 いを 行い、活動内容を決定
具体的な取組:@ 手もみ茶の製造・販売、A ヤマブドウワインの醸造
B 日本酒づくり
【プラン実践事業のポイント】
@ 自分がやってみたい事業に取り組む
A 地域で稼ぐ
B 参加型イベントの開催
C 広報活動
D 外部人材の活用
E 地域資源の活用・文化の伝承
【群馬県】
○ 群馬県やま・さと応援隊活動調査〜大学生が見つけた山のあれこれ〜
若々しい視点を持つ大学生が、中山間地域の人々との交流で感じた経験を自由なテ ーマで形に残し、実践などを行うことで中山間地域の活性化の道筋を探る。
平成26年度の実績
・富岡市:群馬県立女子大学文学部美学美術史学科
活動テーマ:芸術文化を通じた人々の交流の創出と地域資源の情報発信
・吾妻郡中之条町入山根広集落:群馬大学教育学部美術教育講座
活動テーマ:アート・デザインによる地域の再創出と情報発信
・利根郡片品村:高崎経済大学地域政策学部観光政策学科
活動テーマ:片品村における若者と地域住民との交流
・吾妻郡中之条町六合地域:群馬県立女子大学文学部国文学科
活動テーマ:中之条町六合地域における食文化に関する方言の収集としその活用
【埼玉県】
○ 中山間ふるさと支援事業
中山間地域が有する多面的機能の発揮と、地域住民活動の活性化を目的。中山間ふ るさと・水と土と保全対策事業実施要綱(農林水産省)に基づき、6億9千万円の基金を 設置。運用益と基金を取崩して事業費とし、平成26年度は10,726千円。
事業内容:@地域住民活動の活性化に係る調査研究事業、Aふるさとリーダーの育 成のための研修事業、B中山間地域の課題、魅力に係わる啓発推進事業。
【東京都】
○奥多摩町体験農園 「おくたま海沢ふれあい農園」
・奥多摩町にある資源(自然環境・農山村生活・地域資源・人材等)を再確認し、掘り起 こすことにより、新たなまちづくりとして奥多摩型の農山村事業を展開する。そのため、 町の中心地点に位置する海沢地内に滞在型・体験型農園施設を整備し、ここを拠点 に町有地及び遊休農地等を利用して、自然、生活文化、農業、林業等の体験の場、町 内観光施設への誘導などを、都市住民に提供する。このような奥多摩型グリーン・ツー リズムを構築し地域の活性化と観光振興を図る。
・施設の状況
滞在型農園(13区画)、日帰り農園(25区画)、摘み取り農園
・活用実績(27年度)
滞在型農園:13名、日帰り農園:20名
【山梨県】
○ 小菅村における地域連携販売強化施設(農家レストラン)を活用した山村活性化
道の駅こすげの付帯施設として地域産物を活用した農家レストランを整備し、農家所
得の向上を図ることで農業振興ならびに地域産業の活性を図るため、「農山漁 村活
性化プロジェクト支援交付金」を活用し、平成26年度に地域連携販売強化施 設及び 農林水産物運搬施設を整備した。
【長野県】
○ 農村活力創出支援事業(県単独事業)
中山間地域等の農村集落において、農村住民自らが主体性を持ってコミュニティ活
動として取り組む農業生産活動や都市住民との交流活動への取組、新たなビジネス への取り組みなどを支援し、コミュニティ活動の強化と農村集落の活力創出を図 る。
○ 北陸新幹線開業に合わせた都市農村交流事業
木島平村は、北陸新幹線「飯山駅」に首都圏からの観光客等との交流促進を図るた
め、「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」を活用して総合交流促進施設 「FAR MUS(ファームス)木島平」を設置した。
【静岡県】
○ 山村都市交流センターを中心とした山村地域の活性化
島田市(旧川根町)は平成20年度農山漁村活性化プロジェクト支援交付金を活用し、
廃校舎を宿泊体験等の拠点施設へと改修し、「山村都市交流センターささま」を設置
した。「企業組合くれば」が指定管理者となって運営されており、地区の拠 点となっ ている。「企業組合くれば」は農業者を中心に様々な職業の地域の中心人物らで構成 されている。多くの都市住民を迎え入れて、子どもの歓声が蘇り、住民 が自身と誇り
を取り戻すこと、 そして、自らの手で笠間を元気にしていくことを目 標に、日々活動し ている。
翌日は次の箇所を現地視察した。
○ 奥日立きららの里(日立市入四間町)
園内敷地面積:48ヘクタール(東京ドーム10個分)
主な施設等:
ワクワクスライダー(全長1188メートル。日本一)、ロードトレイン
広場(セントラル広場、芝生広場、スポーツ広場)、きららガーデン
宿泊施設、オートキャンプ場、レストラン、味覚工房
○ 総合交流ターミナル「里美ふれあい館」(常陸太田市大中町)
地元里美の人々と里美を訪れる人々が集い、体験交流を通じて楽しく過ごすことがで きる施設で、次のような体験ができる。宿泊施設もある。
そば打ち、石釜ピザ、もちつき、薫製、豆腐作り等の屋内体験体験
農業体験、自然体験等の屋外体験
現地視察の際、そば打ち体験を行い、賞味した。
東海・北陸ブロック会議
東海・北陸ブロック会議が、11月9日(月)〜10日(火)、三重県大台町奥伊勢フォレストピアにおいて開催された。
会議には、東海・北陸ブロックの県、農林水産省、東海農政局及び全国山村振興連盟から14名が参加した。
会議は、三重県地域連携部地域支援課 神田和弘 主幹の司会で進められ、最初に
大西宏弥 地域支援課課長から挨拶があった。
会議の内容は、次のとおりとなっている。
(1)中央情勢報告
・平成28年度山村振興関連予算概算要求等について
農林水産省農村振興局地域振課 国広博昭 調整係長から平成28年度山村関連予 算要求について、主として農水省の要求する山村活性化支援交付金、中山間地域等 直接支払制度、農村集落活性化支援事業、都市農村共生・対流総合対策、農山漁村 活性化プロジェクト支援交付金、鳥獣被害防止対策、耕作放棄地再生利用緊急対策 交付金、次世代林業基盤づくり交付金、森林・山村多面的機能発揮対策等について説 明がなされた。
・全国山村振興連盟の活動状況について
全国山村振興連盟 岸 廣昭 常務理事から全国山村振興連盟の活動状況報告につ いて山村振興法法改正の経緯を中心に説明がなされた。
(2)事例報告
@ 新潟県からは、税制特例についての条例制定が行われたことについて
A 石川県からは、県と地元金融機関で創設した基金(53億円)の運用益を活用した 能登産の米を使った若者向けの新しい日本酒の開発の試み等について
B 福井県からは、福井市の殿下地区の活性化の活動としての農家レストラン、ふる さとワークステイ、大学生とコラボした惣菜の缶詰等の新商品開発等の試みについて
C 岐阜県からは、「清流長良川の鮎」?里川における人と鮎のつながり?をテーマとし た世界農業遺産認定を目指しての運動について
D 愛知県からは、愛知県交流居住センターを中心とした交流居住の促進の取り組み、
集落活動の支援を必要とする個人・企業とのマッチングを業務とする「三河の山里サ ポートデスク事業」について
E 三重県からは、山村の課題と企業が山村に求めるメリットを結びつけ、それを山村 の活性化につなげていく「ふるさと応援カンパニー推進事業」について
それぞれ報告がなされた。
また、各県から、山村振興基本方針、山村振興計画、山村活性化支援交付金の状 況について報告があった。
(3)平成28年度開催県について
次回開催県を石川県と決定した。
翌日、次の箇所を現地視察した。
@ 道の駅奥伊勢おおだい
駅長の浜井氏から説明を受けた。大台町がメインの出資者として道の駅奥伊勢おおだ い株式会社を設立、これが道の駅を管理している。道の駅としては、直売処やレストラ ン等の他の道の駅にも見られるものがあるが、ここの特徴は、農家の出品数の減少に より需要に応えられなくなったことから、直営農場を経営を始めたことである。またここ を中心として、山村活性化支援交付金により、捨てていた柚子の皮を活用した「柚子か すていら」開発の取り組みがあった。
A (有)せいわの里
(有)せいわの里は、多気町勢和地区において、農村文化の伝承をテーマとして、地 元で取れる大豆を原料として自前の工場で作る豆腐や旬の野菜を組み合わせた食べ 物をバイキング方式で提供する農村レストラン「まめや」を経営する会社である。このレ ストランは、農繁期には休業するなどして、総て地元の農家の奥さん方によって運営さ れている。このことによって、地域の住民が収入を得るとともに自信を取り戻すことによ り、地域の活性化に繋がっている。平成17年に始まって以来、口コミで客も年々増加 し、現在では、売り上げも約9千万円となっている。
近畿ブロック会議
近畿ブロック会議が、11月20日(金)、東近江市役所永源寺支所鈴鹿のコミュニティーセンターにおいて近畿ブロックの府県、農林水産省、近畿農政局及び全国山村振興連盟から12名が参加して開催された。
会議は、滋賀県農政水産部農村振興課 松下正徳 参事の司会で進められた。
最初に、主催者である井関健策農村振興課課長から挨拶の後、自己紹介があった。 会議の内容は、次のとおりとなっている。
〇 議事
(1)平成28年度概算要求の概要について等
農林水産省農村振興局地域振課 松井敏文 山村振興事業係長から平成28年度予算 要求の概要、平成28年度予算要求の内容については、主として農水省の要求する山村 活性化支援交付金、中山間地域等直接支払制度、農村集落活性化支援事業、都市農 村共生・対流総合対策、農山漁村活性化プロジェクト支援交付金、鳥獣被害防止対策、 耕作放棄地再生利用緊急対策交付金、次世代林業基盤づくり交付金、森林・山村多面 的機能発揮対策、山村税制特例、山村制度資金等の説明がなされた。
(2)施設等の適切な管理・運営について
近畿農政局農村計画課 加藤彰人 山村計画係長から施設等の適切な管理・運営につ いて、施設等の適切な管理・運営については、今まで山村振興農林漁業対策事業で設 置した施設の財産管理についての種々のアドバイスがなされた。
(3)全国山村振興連盟の活動について
全国山村振興連盟 岸 廣昭 常務理事から全国山村振興連盟の活動について、山村 振興法改正の経緯を中心に説明がなされた。
(4)山村振興全国連絡協議会ブロックの再編について
滋賀県農村振興課 松下正徳 参事からら山村振興全国連絡協議会ブロック再編につ いて説明があった。
結論が出ず、引き続き検討が行われることになった。
〇 事例報告及び現地施策
(1)東近江市の山村振興対策について
東近江市の旧永源寺町の活性化の取り組みについて東近江市産業振興部 栗田 徹 理事から地域の概要、 地域おこし協力隊の山形 蓮 氏及び前川真司 氏から具体の 取り組みについての説明があった。
@ 山形氏からは、我が国に伝わった当時の原種のお茶である政所茶を無農薬で栽 培 し、手摘みで収穫しているこの地域のお茶栽培を活かし、若い世代の関心に訴え、 グ リーンツーリズムの対象にするとともに、山村活性化支援交付金等の活用により 新し い販売方法を検討しようとしていること、前川氏からは、この地区が木地師の 発祥の 地であることから、木工品を利用した地域の活性化、この地域以外にはもう 見られな い絶滅危惧種である染料原料のムラサキを栽培し、染料として活用する試 みが紹介 された。
(2)現地視察
山形氏の説明にあった茶畑を視察し、他地域の茶栽培との違いの説明を受けた。
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