2.山野通彦 岡山県矢掛町長

【町の概要】

(資料 矢掛町の概要、 矢掛町の概要その2)
 岡山県の南西部で、皆さんご存じの都市でいえば、岡山県の倉敷市と広島県の福山市の真ん中にあります。鉄道はJRもありますが、井原鉄道でつながっています。
人口15,000人、5,347世帯、面積90.62km2、高齢化率35.65%で、平成の合併はしていません。
 歴史香るまちです。古くは、奈良時代の右大臣吉備真備公を輩出しました。今、NHKテレビの大河ドラマ「黒田官兵衛」が放映されていますが、高松城の水攻めの場所から約30kmぐらいの場所に本町があり、毛利と官兵衛の和議が成立した猿掛城は本町にあります。また、江戸時代の山陽道の宿場町が現在残っています。本陣と脇本陣が国の重要文化財に指定されていますが、健全に維持されているのは全国でも矢掛町だけだと文化庁は言っています。個人財産ですのでこれを継承するのは非常に難しいことです。
 今年は、平成29年に昭和の合併をして60周年になります。いろいろな行事を展開していますが、39回目を迎える大名行列の実行委員長から記念の年だから町長にも出て欲しいとの要請があり、私が殿様として参列しました。資料にありますように、生憎の雨で、合羽を着用しています。


【美川地区の概要】(資料 美川地区の概要)

 本町は、平成29年、7町村が合併してできた町ですが、旧町村単位で7地区のうち、一番北にある美川地区(旧美川村)が山村振興法に基づき振興山村に指定されています。この地区は、人口1,229人(町の8.2%)、445世帯(町の8.3%)、面積26.35km2(町の29%)、高齢化率44.59%、小学校1校、幼稚園1園となっています。
 この地区は、市街地からみると多少遅れた地域でありましたが、山村振興に係る事業が昭和47年度から平成5年度までいくつか導入され、事業費は総額3億5千万円余に達しています。これによって、平均した町になっています。


【まちづくり】(資料 まちづくり5つの政策、賑わいのまちづくり)

 美川地区を含めた町全体のまちづくりの話をさせていただきます。
 過疎法の改正により、本町は平成22年4月に過疎地域の指定を受けました。
今は、過疎対策の財源を活用しながらまちづくりを5年間やってきています。
 本町では、これまで古い町並みを活かした事業をほとんどやっておらず、観光に力を入れてこなかったのですが、ここへきて、やはり町を慕って町へ来てもらう、そして、今住んでいる子・孫がここに住み続けようという感覚を持てるよう、「賑わいのまちづくり」を展開しようと決意したところです。その中で、町が直接実施するのではなく、「株式会社 やかげ宿」を設立したのが特色ではないかと思います。資本金1,000万円、1株5万円で、町民が180株・900万円の募集に応じてくれ、町は20株・100万円を保有しています。初代の代表取締役は町長の私ですが、いずれ民間の人にやってもらうことにしています。事業費は総額約7億円で、折角の本陣や脇本陣を活かしきれていないということで、町並みの整備事業を行うことにしました。丁度取り壊しをしようという家がありましたので、これを国の補助事業をうまく活用しながら、改修を行っています。古民家の改修は初めてです。来年の春オープンで、宿泊施設、食事処をつくって、観光事業を展開していくことにしています。
 岡山県はかなり安心・安全のまち。本町でも、半世紀、ほとんど災害は有りません。そういう面からすると非常にいい地域だと思います。そこをうまく利用しながらやっていければいいと思っています。
 分譲住宅は、ここ10年くらいで100戸くらい展開していますが、ほとんど完売しており、新たな展開をしております。他にもいろいろ取り組んでいますが、時間の関係で報告はここで終わらせていただきます。
 山村振興地域に特化した新たな事業ができればいいと思っています。


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